華麗なる一族(下) の商品レビュー
親父が汚い 鉄平も良く言えば一本気だけれど、融通のきかなさがすごい。 多分俺は鉄平は苦手(笑)でも一生懸命に情熱を傾けられるのはとても尊敬できる。 けれど現実的なのはやはり親父かなあ。 親父の汚さはあるけれど今の社会を生き抜いてどんどん成長できるのは狡猾な冷静な、そんな人間なのか...
親父が汚い 鉄平も良く言えば一本気だけれど、融通のきかなさがすごい。 多分俺は鉄平は苦手(笑)でも一生懸命に情熱を傾けられるのはとても尊敬できる。 けれど現実的なのはやはり親父かなあ。 親父の汚さはあるけれど今の社会を生き抜いてどんどん成長できるのは狡猾な冷静な、そんな人間なのかもしれない。 理想主義にも感じられる鉄平は今の世を生きていくのは難しいと思う。簡単に騙されそう。難しいね。人間て。 あとなげえwww
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鉄平が万俵一族の中で一番人の気持ちもわかる、熱意のある人なのに、猟銃自殺してしまう。しかし、それによって、残された家族は少し普通の人間らしい生き方を手に入れたかもしれないが、なんともいたたまれない終わり方で、読後感はよいとはいえない。一方で、政界、銀行界の裏側を垣間見たようで、空恐ろしくなった。
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2018年2月25日、読み始め。 2018年3月10日、読了。 著者は、1924年生まれ。 「華麗なる一族」は1970年3月~1972年10月に「週刊新潮」に連載された。 したがって、著者が46~48歳の頃に書かれた作品になる。 著者の出身地は、大阪市。 したがって、この作品...
2018年2月25日、読み始め。 2018年3月10日、読了。 著者は、1924年生まれ。 「華麗なる一族」は1970年3月~1972年10月に「週刊新潮」に連載された。 したがって、著者が46~48歳の頃に書かれた作品になる。 著者の出身地は、大阪市。 したがって、この作品の舞台が近畿近辺を舞台にしているのは、その辺りに理由がありそう。 銀行合併が書かれているが、そのモデルと言われているのが、現在の三井住友銀行のようである。 ちなみに、三井住友銀行の沿革を見てみると、多くの銀行が合併してきていることがわかる。
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「あー、超金持ちに生まれてたらなぁ」とボヤく全ての人々に、この本を読ませたい。人間の野心や欲望は、それを一度満たしたところで、決して満ち足りる事は無く、黒々とした渦を巻きながら再現無く大きくなってゆく。行き過ぎた野心が万俵家を蝕み、やがて崩壊していくストーリーを追いながら、自分の...
「あー、超金持ちに生まれてたらなぁ」とボヤく全ての人々に、この本を読ませたい。人間の野心や欲望は、それを一度満たしたところで、決して満ち足りる事は無く、黒々とした渦を巻きながら再現無く大きくなってゆく。行き過ぎた野心が万俵家を蝕み、やがて崩壊していくストーリーを追いながら、自分の持たざる幸せを実感した気がする。山崎豊子の構成と物語の緻密さは、兎に角見事。不毛地帯から続けて読んだせいか、もうお腹一杯です・・・。
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阪神銀行のオーナー頭取にして万俵財閥の総帥である万俵大介を中心とした万俵家をめぐる物語。長男が実質的に経営する特殊鋼会社を犠牲にしての「小が大を食う」銀行合併、妻妾同衾の乱れた私生活、次々と不幸を招く閨閥結婚など、「華麗なる一族」の裏のドロドロとしつつも深い人間ドラマが描かれてい...
阪神銀行のオーナー頭取にして万俵財閥の総帥である万俵大介を中心とした万俵家をめぐる物語。長男が実質的に経営する特殊鋼会社を犠牲にしての「小が大を食う」銀行合併、妻妾同衾の乱れた私生活、次々と不幸を招く閨閥結婚など、「華麗なる一族」の裏のドロドロとしつつも深い人間ドラマが描かれている。 全3巻とボリュームは結構あるが、一人一人の登場人物のキャラクターが立っていて、その濃い人間模様の描写に惹き込まれた。正直、「華麗なる一族」に生まれなくてよかったと感じた。
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自分の思うままにしてきた大介さんとそれに振り回された鉄平さんはじめ万俵家の人々。 鉄平さんの選んだ道は壮絶だったけどそれによって万俵家が新しい方向に動き出したのはよかったのかも。 世の中を動かすためには腹黒さも必要なのかなぁ。
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妻妾同居という、現代から見て余りに鬼畜めいた所業が招いた因果応報なのか。愛人を切り捨てたとはいえ、長男は自死、閨閥縁組を得た次男は妻の流産と離婚、長女婿は裏切りの尖兵へ、次女は政略結婚を放逐し、父を捨て愛する人と海外へ。この家庭崩壊の結果得たのは合併銀行という小さなコップの主導者。が、それは下位都銀の小規模合併に過ぎず、今後の道は茨、あるいは闇の中。◇秀逸なミスリードと、悪の中の善、善の中の悪を人間のうちに見せながら、このような暗澹とする読後感を生み出しうる著者は、やはり凄いと言わざるを得ない。 また、企業小説とのみならず、家族小説、親子の相克を描く親子小説とも、さらには、妻妾を二点とする三角関係という意味での恋愛小説、勿論、大蔵省・銀行という観点から見れば経済小説とも読むことのできる作品だ。この多面性が、他の経済小説・企業小説とは一味も二味も違うと感じさせる所以。
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展開のダイナミックさにシェイクスピアの作品を思い出した。 登場人物が武器で切ったはったをしている訳ではないのだが、お互いの心臓を策略と言葉でえぐり合い、血しぶきが飛んでいるようなイメージを覚えた。 しかし残念だが、途中から登場人物それぞれが強烈過ぎて共感が出来なくなり始めた。 大介の息子への誤解と執念はどうも女の怨念のそれな気がする。疑惑の息子に対して、白雪姫を実母が執拗に狙い繰り返し殺すような、すさまじい苛めっぷりである。そして、何事もあまりに臆面に出さなさすぎる。 寧子はあまりに人形のようであるし、相子は知的かもしれないが、人の心をあまりに理解できなさすぎる。銀平は冷たすぎるし、鉄平もまた、冷静さに欠けている気がする…。 最後に悪党の行いが正義の心を持つ人々の前で静かにひそやかに明らかにされるのだが。そのひたりと貼りつくようなまなざしが、正義と悪がこの世で混じり合い食い合う姿を思わせるのだが…。 相子が、自身はしがらみの多い日本の結婚を窮屈に感じて最後に外国へ行くかもしれないとつぶやいたのが、理解が出来なかった。そこまで日本人女の結婚が息苦しいものであると知っているのなら、どうして、あそこまで無感動に他の女の気持ちが理解できなかったのか。あまりにも本人を無視してごり押しする様子は、その後上手くいくようには見えないのだ。 塩野七生のエッセイに、オデュッセイアが女性の手によって書かれたものであるという説がある。この本を読んでそれが思い出された。緻密で細やかな描写と怒涛の展開。次々に敵が現れては、知略でそれを切りぬけて行く一人の男。悲劇的な運命。 女性が描く男性像と言うのは、かくも美しい。 女が男を描く事は、実は男が女を描くように、幻想的で、美しい。 古今東西の世の芸術は男が決めるものだったのだが、これからは、女が男を賛美するような、女が女を描くような、このような作品がこれからもっと生まれる事を願う。
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9ヶ月かけてようやく読み終えました。 けして面白くなかったわけではなくて、単純に時間がなかったり生活リズムが変わっただけですが。 やはり山崎豊子面白いですね。不毛地帯、女系家族に続いて読破したのは三作目ですが、どれも間延びせずに緊張感を持続したまま最後まで読める、時代を感じさ...
9ヶ月かけてようやく読み終えました。 けして面白くなかったわけではなくて、単純に時間がなかったり生活リズムが変わっただけですが。 やはり山崎豊子面白いですね。不毛地帯、女系家族に続いて読破したのは三作目ですが、どれも間延びせずに緊張感を持続したまま最後まで読める、時代を感じさせない作品です。 登場人物それぞれの感情の機微がしっかり描かれていて、個性がはっきりしているので、情景が手に取るようにわかり、物語に引き込まれます。 予想できない衝撃の結末で、かつ今後の展開に含みをもたせたまま物語を終え、読者に今後の展開を予想させるのも巧みです。 年代を問わずオススメの一作です。
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なぜーーーー!! なっぜーーーー?!!! 鉄平よぉーーー! 遺書を残さず死んだぁぁぁぁぁ!! 遺書に何もかもぶちまけて、 大介を合併銀行の頭取からひきおろし、 相子を万俵家から追い出させたのにーーー!! と、読んでて思ったけど、 きっと鉄平は大介と相子以外の残された家族のことを考えて、遺書を残さず自らの命をたったのかなぁーと思った。 私としては、この結末はキレイに終わりすぎてると思うんだけど、永田大臣が見せかけ融資の疑惑を感じ、もっとすごい合併を考えて大介の新銀行を潰そうとしてるのがわかっただけでも救いかな。 二子も寧子も新たな気持ちと環境で新生活が送れることになったし良かったなぁ。 まぁ、それにしても、すっごいビジネスの話で一気に読ませてもらいましたー。 実際、こんな裏のドロドロした世界ってあるのかしらねー。
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