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華麗なる一族(下) の商品レビュー

4.2

138件のお客様レビュー

  1. 5つ

    54

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2023/11/03

人物像がはっきり描かれているから、どんな人間で、読む手に持って欲しい印象がちゃんと伝わる。 鉄平が心配で心配で。 複雑な万俵家と銀行と、それぞれ個人の欲望が絡み合って、真面目に一途に生きる人がとても切なく思える。今の時代も同じような部分は少なからずあるのだろうな。

Posted byブクログ

2023/06/23
  • ネタバレ

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一気に読んだ。これから大介に起こることが想像でき、溜飲が下がった。大介は全てを失い、大同銀行の幹部たちは職を失うのか。大介のように陰険な笑いがこみ上げてきそうだ。 鉄平の自殺は二子の縁談を破談にする目的かなとも頭をよぎった。一子、鉄平の子ども達の将来についても物語になりそうだ。

Posted byブクログ

2022/09/24

今から50年以上も前の小説とは思えない程時代背景を気にせず、面白く読み終えた。 評価も星5つまでだが7つにしてもいいのではないかと思う。 社会派ってことで池井戸潤の小説っぽい逆転劇を期待してたけど、良い意味で期待は裏切られた。 リアルで所謂都市銀行って凄い競争社会の先端にいるんだ...

今から50年以上も前の小説とは思えない程時代背景を気にせず、面白く読み終えた。 評価も星5つまでだが7つにしてもいいのではないかと思う。 社会派ってことで池井戸潤の小説っぽい逆転劇を期待してたけど、良い意味で期待は裏切られた。 リアルで所謂都市銀行って凄い競争社会の先端にいるんだね。 もう死んでしまったけど、第一勧銀重役だったらしい親戚は接待漬けで体を何度も壊し、出世街道から外れて結局ヤナセに常務で出向になったことを思い出したよ。 小椋佳と同期って言ってたな。

Posted byブクログ

2022/02/11

以下、上中下巻で同じ感想です。 最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。 人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など...

以下、上中下巻で同じ感想です。 最近、「近過去」のドキュメンタリーや小説が面白い。 人間の織りなすドラマの本質は古今東西いつも変わらないのかもしれないが、舞台設定として、いわゆる「ザ・昭和」は実は1950-60年代、すなわち昭和30年代前後であり、もちろん、働き方や家庭生活など今ではありえないようなことも多いが、同時にやっぱりいまだに、ということも多い。そしてテーマとなる政治や経済のトピックが、これまた日本はこの数十年間何をしていたのか、というくらい共通なのである。 「華麗なる一族」の物語は、行政の手厚い保護と支配の元にあった銀行の経営統合という壮絶な戦いを縦糸に、昭和な家長制と血縁の闇を横軸に進む。 一番の迫力は、ここで取り交わされるさまざまな会話。一歩間違えれば追い込まれる神経戦の連続。経済に関する記述も非常に正確で、企業乗っ取りといえば流行りものを含めそうとう雑なものも多い中、リアリティは今なお色褪せない。 スカッとしないことこの上ない読後感ではあるが、だからこその読み応え。

Posted byブクログ

2022/01/30

途中で銀行内部の画策の嫌らしさに、吐き気が来て、読み飛ばした。 こんな男たち、いっぱい現実にもいる。小心で自分のポジションしか頭になくて、画策する奴ら。 高度成長期で、宴会接待が普通だった時代、正直に努力する者はなかなか日が当たらない。あるいは足を掬われる。 イラッとするけど、現...

途中で銀行内部の画策の嫌らしさに、吐き気が来て、読み飛ばした。 こんな男たち、いっぱい現実にもいる。小心で自分のポジションしか頭になくて、画策する奴ら。 高度成長期で、宴会接待が普通だった時代、正直に努力する者はなかなか日が当たらない。あるいは足を掬われる。 イラッとするけど、現実に体験したことがある。人間は悲しいものだ。 山崎先生の人間描写が凄い。心の機微の表現に、読む方がドキドキしてしまう。

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2022/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上・中・下を一気読み。 自分が銀行員なのもあり話も入ってきやすかった。 個人的には大介VS鉄平をもっと徹底的に書いてほしかったかな。 裁判も告訴取り下げではなく、実際の法廷で争いそれにより合併話が無くなるというのが理想でした。 鉄平に肩入れして読んでしまったので少し残念…

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2022/01/06

年をまたいで読了。 本編でも3回の年末年始を迎えてますね。冒頭のこれぞ華麗というところからのラストシーン。企業小説のように読んでましたが、これは一族の家族小説でした。 万俵家のまわりで、全員が円満で幸せそうな一族っていなかったなぁ…。けど、みんな家族への愛情があることは伝わりまし...

年をまたいで読了。 本編でも3回の年末年始を迎えてますね。冒頭のこれぞ華麗というところからのラストシーン。企業小説のように読んでましたが、これは一族の家族小説でした。 万俵家のまわりで、全員が円満で幸せそうな一族っていなかったなぁ…。けど、みんな家族への愛情があることは伝わりました。そんななかでの相子と美馬の存在よ…、美馬がつまづくところを描かないのが、読者に色んな未来を想像させますね。

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2021/09/16

華麗なる一族は本当に華麗でおぞましかった。2007年のTVドラマでは一途で好青年風だった鉄平も、小説ではたしかに他の一族に比べて実直で技術屋らしさはあるが、経理に疎くて見通しは甘く、家族もほったらかしで息抜きは料亭で若い女を呼ぶなど、やはり一族の人物には違いない。でもお約束の箇所...

華麗なる一族は本当に華麗でおぞましかった。2007年のTVドラマでは一途で好青年風だった鉄平も、小説ではたしかに他の一族に比べて実直で技術屋らしさはあるが、経理に疎くて見通しは甘く、家族もほったらかしで息抜きは料亭で若い女を呼ぶなど、やはり一族の人物には違いない。でもお約束の箇所ではやはり痛ましかった。勧善懲悪に決してならず、権力が権力を呼び続け、このボリュームで圧巻の説得力。 wikiで小説とドラマの違いを説明したものを読んだ。ドラマはドラマでこの話を鉄平仕様にし、よりドラマチックになるようにエピソードや人物を足し引きしたようで、それも非常に効果的だっただろうと思える内容だった。通しで見てみたくなるな。

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2021/12/19

初めての上中下の三部作にチャレンジしたのがこの作品。上巻を読んで、この作品なら読んでみたいと思わせてくれた。 本作は1960年代を舞台に描かれており、現代とは時代背景が異なりお硬い家柄や世襲が根っこにある作品となっている。 題名に通り、財閥系の一族が資本力と人脈を駆使して、その...

初めての上中下の三部作にチャレンジしたのがこの作品。上巻を読んで、この作品なら読んでみたいと思わせてくれた。 本作は1960年代を舞台に描かれており、現代とは時代背景が異なりお硬い家柄や世襲が根っこにある作品となっている。 題名に通り、財閥系の一族が資本力と人脈を駆使して、その地位を強化なものにしていくストーリー。 ところが、その地位に満足せず、時代特有の高度成長期ということもあり、イケイケドンドンのウルトラCを画策する。そこに家柄と世襲が絡み泥沼にハマっていく様がリアルで読み応えたっぷり。 決して昼ドラでは表せない深さのドップリ感が味わえる。

Posted byブクログ

2021/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終わりの始まりって感じで完結!って感じではなく、 ここからどうなるか…気になる終わり方でした。 世の中ってこんなふうに動くんだ、 汚さを見せないように隠して動いていくんだなと 妙にリアリティたっぷりでした。 しかも、これはいつの世の中でも変わらないんだろうな…と。 戦後が舞台とは思えないリアルで、 70年以上も根本では変わっていないことを突きつけられました。 ドラマではどんな風に終わるのか、楽しみです。 今日絶対リアタイしよ…

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