職業としての政治 の商品レビュー
政治がどのようにして…
政治がどのようにして今の形になったのか、政治家はどうあるべきかということが説明されています。筆者が講義で話したことを文章にしている形式で書かれています。少し読みにくいですが筆者のメッセージは誰に対しても心に残るものだと思います。
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講演であるから読みや…
講演であるから読みやすく、政治家の資格を論ずる。討論番組を見る前に目を通していただきたい。
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少し難しかった。政治…
少し難しかった。政治を志す人なら読んでおくべき本なのだろう。
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政治に身を投ずる者の…
政治に身を投ずる者のそなうべき資格と覚悟とは何か。ヴェーバー(1864‐1920)のこの痛烈な問題提起は、時代をこえて今なおあまりに生々しく深刻である。
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政治屋(politician)は次の選挙を考える。政治家(statesman)は次の世代を考える。ジェイムズ・フリーマン・クラークClarke(1810-1888) ※アメリカの神学者 国家とは空間的に限定された排他的な支配領域をもち、そこに定住する人間の統一体。ゲオルク・イェ...
政治屋(politician)は次の選挙を考える。政治家(statesman)は次の世代を考える。ジェイムズ・フリーマン・クラークClarke(1810-1888) ※アメリカの神学者 国家とは空間的に限定された排他的な支配領域をもち、そこに定住する人間の統一体。ゲオルク・イェリネックJellinek『一般国家学』1900 政治とは政治団体と国家の指導に影響を与えようとする行為。政治活動とは権力の配分・維持・変動にかかわる活動。国家とは一定の領域内で、正当な物理的暴力行使の独占を要求する共同体。▼政治家は党派ごとに権力をめぐる闘争を行うが、官僚(行政スタッフ)はあくまで非党派的に偏りなく仕事する。政治家はその責任を一人で負うが、官僚は上の命令を自分の信条と関係なしに誠実・正確に実行する。官僚に向いてる人は、政治家には向かない。政治家は情熱と責任感、判断力が求められる。虚栄心、自己陶酔のために権力を求めるのはダメ。権力のために権力を求めるのはダメ。▼自分の行為の結果に責任をもたない官僚が力を増大させれば、議会の力が弱体化してしまう。そこで民主的に強力な指導者を選出し、そのカリスマ性により官僚の力を制約する必要がある。ヴェーバーWeber『職業としての政治』1919 ※キール軍港の水兵反乱、ヴィルヘルム2退位、エーベルト臨時政府(1918) 国家とはある地域的に限定された共同社会で社会秩序を維持する団体。秩序を維持するため、政府は法に基づいて強制権力を付与される。マッキーヴァ―『近代国家』1926 政治家になるような人間は自尊心が低い。政治家になれば、権力や特権が手に入る。自らの低い自尊心を埋め合わせるために政治に没頭する。公共利益を掲げているが、その背後には私的な動機がある。ハロルド・ラスウェル『権力と人間』1930 経済で重要な区別は利益になるか利益にならないか。芸術で重要な区別は美しいか醜いか。道徳で重要な区別は正しいか正しくないか。政治で重要な区別は味方なのか敵なのか。政治とは異なる考えをもつ人々の間で妥協し、均衡を生み出す行為ではない。政治とは異質な敵をはっきりさせ、同質の友の範囲を確定するものである。カール・シュミットSchmitt『政治的なものの概念』1932 人々を魅了する権力。人々は感情に訴えるもの(Miranda: 記念日・記念碑、威厳のある公共の建造物、音楽、物語や歴史、念入りな儀式)を見ると、権力者を尊敬・服従してしまう。人々は知性・理性に訴えるもの(Credenda: 政治権力は唯一神によって定められた・政治権力は卓越したリーダーシップを示す・政治権力は多数者の意志だ)を聞くと、権力者を尊敬・服従してしまう。チャールズ・メリアムMerriam『政治権力』1934 政治とは一定の支配単位内の諸利害を権力を参加させつつ調停する活動。バーナード・クリックCrick『政治の弁証』1962 政治に固有の性質はいかなる時・場所でも、相反する価値・感情を含んでいること。二つの顔をもったヤヌス(門戸の守護神・ローマ神話)のイメージこそ国家の象徴であり、政治の現実を表すもの。モーリス・デュベルジェ(1917-2014) 財力や情報、コネなどの社会資源が多い人ほど、権力を持ちやすい。ピーター・ブラウBlau『交換と権力』1964 政治において何が議題になるかについて権力が入り込む可能性がある。特定の人に利益を前提とし、特定の人を排除したものだけが政治の議題として表面化している可能性がある。政治の議題として上がる前に、すでに権力が行使されている。権力は政治決定への影響力の行使(Dahl 1961)という側面だけでなく、「何を決定しないか」という側面がある。Bachrach & Baratz『権力の二つの顔』1962 権力は3種類ある。①相手にこちらの意図に沿った行いをさせる力としての権力(Dahlの定義)。②ある問題が顕在化する前に、問題そのものを潰し、争点化するのを食い止める力としての権力(Bachrach & Baratzの定義)。③相手の欲求や認識そのものを変化させて、対立の認識そのものを消してしまう力としての権力。スティーヴン・ルークスLukes『権力:ラディカルな見方』1974 政治とは、多くの人々の間で正当とされる方法で紛争を調停・和解させること。バーナード・クリックCrick『政治とは何か/現代政治学入門』1987
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情熱、責任、判断、政治家に必要な資質をヴェーバーは指摘したが、第一次世界大戦後のドイツについてどのように思っていたのだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
20191227 当時多くの身内である知識人階級も参加したドイツ革命に対して、一般論を説明しながら痛烈に批判した講演の記録。 ・継続的な支配のためには①支配の正統性②支配の構造の2つが必要である。①支配の正統性は、伝統的支配、カリスマ的支配、合法的支配の3類型がある。②支配の構造とは、暴力を伴うペナルティーとインセンティブを管理する行政スタッフと行政手段である。支配の構造は歴史とともに、封建制→君主独裁→近代的民主制と変遷してきている。 ・支配を担う政治家には、情熱・責任感・判断力が必要である。本書が書かれた頃にドイツ中の知識人が参画していたドイツ革命(1919)はザッへ(現実問題)と結びつかない、責任感のない妄想であって情熱ではない。政治家に求められる姿勢とは、ザッへに対する責任感を持ち、その実現に向けて情熱をもっていて、そのメリットデメリットをもとに冷徹な判断力をもって時に目的からずれる/暴力を伴う手段を用いる態度である。
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政治というものを成立させる構造、求められる資質。 後ろ暗い、というといいすぎかもしれないが政治の美しくない部分、権力と不可分であることやある種の暴力の起点であることなどを暴きつつ、それでも突き進むものこそが政治家としての天分を与えられたもの。 美しい表面を掬い上げ政治家を志す者に...
政治というものを成立させる構造、求められる資質。 後ろ暗い、というといいすぎかもしれないが政治の美しくない部分、権力と不可分であることやある種の暴力の起点であることなどを暴きつつ、それでも突き進むものこそが政治家としての天分を与えられたもの。 美しい表面を掬い上げ政治家を志す者には相当耳が痛いのではないだろうか。 こういった政治の本質については、政治に関わらないものにも広く教育を与えたほうがよいのではないかと感じた。市井の人間が理想に描く政治と肌感覚で受け取る政治の乖離の正体は、ここに描かれているように思えてならない。
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政治とは何か。 心情倫理と責任倫理。理想を語るだけでは政治家足り得ないし、正当化の中で信仰を失っては暴走する。責任倫理を経た上で、心情倫理に立つ。どんな事態になっても、情熱責任感判断力を以て政治を行うこと。 理想を語るだけの政治に一石を投じ、倫理だけでは解決しないことを述...
政治とは何か。 心情倫理と責任倫理。理想を語るだけでは政治家足り得ないし、正当化の中で信仰を失っては暴走する。責任倫理を経た上で、心情倫理に立つ。どんな事態になっても、情熱責任感判断力を以て政治を行うこと。 理想を語るだけの政治に一石を投じ、倫理だけでは解決しないことを述べている。また、政治を悪魔と契約する事で、その中でも自分を保つべきということを述べている。確実に現代政治にも通ずる。 職業政治家って現代に当たるとどんな人間なのか具体例が思い浮かばなかった。あと、ここで使っている倫理の意味が、最初はいつも使ってる言葉遣いと違って釈然としなかったりした。倫理に対して、常に正しいと思ってたから。
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