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翔ぶが如く 新装版(四) の商品レビュー

3.7

44件のお客様レビュー

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西郷は鹿児島に下り、…

西郷は鹿児島に下り、私学校を作る。本人がどう考えていたかは別に、鹿児島で沈黙を守りつつも政府に対抗する力を蓄えているように感じられる。

文庫OFF

2024/05/06

内乱(革命)を達成した後のエネルギーが行き場をなくして外征へ向かう…この歴史は何度も繰り返されており、明治維新における薩摩も同様と見える。。それを抑え込むための征韓論であり…というのが要旨。 10巻あるのでまだ西南戦争も始まっていないのだが、やや長い…

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2023/11/04

維新達成後、有り余った武士(すでに元武士)エネルギーの発散と、廃藩置県による階級廃止及び、徴兵制度への不満解消は、重要な内治問題だった。そこで西郷は征韓論を発案し、大久保は征台策を発案した252

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2023/09/10

「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終...

「尊王攘夷」のスローガンで始まった筈の倒幕運動から、明治維新が為ってみたら、幕末からの開国方針が何も変わっていないという、この歴史の流れが、長らく釈然としなかったのだが、これを読んで、漸く腑に落ちたというか――当時の士族達も釈然としなくて、だからあちこちで士族の反乱が起きて、最終的に西南戦争に至ったのね、と。しかし、旧支配層の武士は既得権益を取り上げられ、庶民は税金やら兵役やら負担が激増した、この明治維新という大改革が、よく破綻・瓦解しなかったものだという、新たな疑問が湧いてきた。

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2020/04/06
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p.219 「文明が極まれば神なきに至る。開化がきわまれば、戦争なきに至る。必ずそういう日が来るであろう。」 そういう日への道のりは、まだまだ遠そうですね…。

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2018/07/06

「翔ぶが如く(4)」(司馬遼太郎)を読んだ。 『結局、人はその古巣に還ってくる。その古巣の中の現実にまみれ、足をとられてゆくのが人生であるのかもしれない。』(本文より) 蓋し名言である。 しかしまあ明治政府がこんだけ迷走していたとは知らなかったよ。

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2018/06/11

【感想】 「竜馬がゆく」とは大きく異なり、現世に近いドロドロとした人間関係がエグイ・・・ 大久保と西郷、2人とも日本の将来を展望していると言う意味では同じ立場かつ同じ目線なのだろうが、 それぞれの立場やわだかまりがズレを生じさせつつ、それが日本全体に波及していっている。 いくら影...

【感想】 「竜馬がゆく」とは大きく異なり、現世に近いドロドロとした人間関係がエグイ・・・ 大久保と西郷、2人とも日本の将来を展望していると言う意味では同じ立場かつ同じ目線なのだろうが、 それぞれの立場やわだかまりがズレを生じさせつつ、それが日本全体に波及していっている。 いくら影響力がある者同士とはいえ、国家を揺るがすくらいの問題になるのが今では考えられないなぁ。 とは言え、今は爆発寸前で一点の揺らぎもない状態で物語は進んでいる。 たまに突き合いがある程度でハラハラする事もなく、少々読んでて退屈になってきた。 【あらすじ】 西郷に続いて官を辞した、もとの司法卿・江藤新平が、明治七年、突如佐賀で叛旗をひるがえした。 この乱に素早く対処した大久保は首謀者の江藤を梟首に処すという実に苛酷な措置で決着をつける。 これは、政府に背をむけて、隠然たる勢力を養い、独立国の様相を呈し始めている薩摩への、警告、あるいは挑戦であったであろうか 【内容まとめ】 1.征韓論の衝突は、西郷・大久保という両大関の衝突 2.大久保だから、行き詰まらずに彼流儀の日本国を作り上げるかもしれない。  その時はその時で、自分は故山で朽ち果てるだけのことだ。  西郷は気長に物事を見ていた。 3.征韓論は、所詮近衛軍人や士族たちの憤りのはけぐち  西郷としては、これ以上抑え続ける自信がなかった。その征韓論を、大久保が蹴った。 【引用】 p12 「思うて一なれば敵なし。」 若い者に、自分は何事かをしようと思うがどう心がければいいかと問われ、西郷が答えた言葉。 卵を抱いているメンドリの心境。 どんなにうまそうな餌を近づけても、また脅しても、メンドリは見向きもしなければ逃げもしない。 また猫がねずみを狙う境地も似たようなもの。 元来、猫というのは物事に過敏な動物なのだが、ひとたびねずみを狙う時は恐れもせず他を振り返ろうともしない。 p21 西郷の思惑 10年もすれば、大久保のあの専制的なやり方は行き詰まる。 そのとき東京から自分を呼びに来るだろう。 しかし一面、大久保ほどの男のことだから、行き詰まらずに彼流儀の日本国を作り上げるかもしれない。 その時はその時で、自分は故山で朽ち果てるだけのことだ。 気の長い政略計算があっただけに、佐賀士族がこぞって乱を起こした時に、「しまった」と失落感があったと思える。 p82 西郷と薩摩人という存在がなければ、江藤は死刑にもならず、まして「晒し首」されなかったに違いない。 p171 「海老原に聞けばどうか?」 と、高橋がいうと、村田は一笑に付した。 「そういう人間に聞いたところで仕方がない。」 物事というのは、人間の料簡によって見方が違うのだ。 海老原ごとき小器量の人物に聞いたところで何になろう? 「征韓論の衝突は、西郷・大久保という両大関の衝突である。」 p185 東京政権が確立したのは、廃藩置県のおかげである。 それを可能にしたのは薩摩系近衛軍人で、彼らは政府に騙されたとはいえ、その功績は大きかった。 しかし彼らはことごとく政府に対して激怒している。 大久保は、性格上それに対して冷然としている。 西郷はその大久保の態度に、配下の近衛軍人と同様、憤りを覚えただろう。 その西郷が、近衛軍人や士族たちの憤りを他に向ける為に征韓論を持ち出した。 西郷としては、これ以上抑え続ける自信がなかった。 その征韓論を、大久保が蹴った。

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2018/03/11

感想は変わらず。 ただ、江藤の死と征台という二大事件が多少読む速度を上げる。 後者のお粗末ぶりは、同じ日本人として悲しくなるばかりである。大事なのは文明である。

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2018/02/21

廃藩置県が、西郷さんに重たい十字架を背負わせ、それが西南戦争に繋がっていく要因になるんだなと感じました。西南戦争前の西郷さんは、革命を成就させるためだったとは言え、色々と辛かっただろうなと思う。

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2018/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐賀の乱での江藤新平の暴発、晒し首から、征台に至る国内外の駆け引きまでの4巻。作者が文中に記しているとおり、西郷隆盛という存在が本人の意思とは無関係に周りに与えた影響を描いており、知識欲を満たすものと考えれば良書であるが、読み物といえば話が進まず退屈すると思われ、後者をやや重視する自分としては読後はなんだかホッとする気持ちになる。

Posted byブクログ