翔ぶが如く 新装版(四) の商品レビュー
佐賀の乱から征台出兵まで。小説なのか、歴史書なのか、明治政府論を書こうとしているのか判然としない。結果、冗長な講義録のようなものになってしまっている。人物描写は克明なのに、情景描写が殆ど無く、文章が退屈。
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※このレビューにはネタバレを含みます
序盤、江藤新平が佐賀ノ乱を起こし暴発。鹿児島では私学校ができる。その後、征台論が起こり迷走する。 文章が回りくどく、粘着力があり、遅々として進まない。進んでは戻りまた進む感じ。
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江藤新平ほどの頭脳を持った人でさえ、簡単に乱を起こす世の中というのは、やはり好戦的な風潮だったということだろうか。
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明治7年前後の日本が内政上の問題にかかりきりで外交にまで十分に力をまわせていないことが分かる。海外の政府やマスコミからは馬鹿にされつつも、国内の反政府分子の勢いを沈めるため征台論をかかげその実行に乗り出すところなど、内政のための外政であるとの筆者の指摘は確かかもしれない。これは今...
明治7年前後の日本が内政上の問題にかかりきりで外交にまで十分に力をまわせていないことが分かる。海外の政府やマスコミからは馬鹿にされつつも、国内の反政府分子の勢いを沈めるため征台論をかかげその実行に乗り出すところなど、内政のための外政であるとの筆者の指摘は確かかもしれない。これは今でもいえることだが、国内がしっかりしていないと、海外からつけいられうまいように利用されるリスクを負う。だからこそ、政権が変わって大変な時期といえども政治がしっかりして欲しいものだ。
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佐賀の乱。国権の確立。 征台の悲壮な滑稽。 無計画な反乱というものは、結局は政府の統制装置を強化させる以外のなにものでもない(27頁) 才芸のある人間を長官にすえたりすればかならず国家をくつがえす(131頁)
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全巻通読後のレビュー。 全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。 しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書である...
全巻通読後のレビュー。 全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。 しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。 島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。 物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さらに川路利良の病没までを描く。 明治維新は天皇の威を借りた王政復古という形でスタートした。それが後に軍の独走いうものを招くが、この時点ではそうせざるを得なかったということも、小説中で書かれている。 後の日本を支えていく山県有朋、伊藤博文、板垣退助、軍人で乃木希典、川村純義などが登場する。 西南戦争は8巻の半ばくらいから始まる。桐野、篠原ら薩摩隼人に担がれた西郷、悲劇のような最後の激闘である。西郷が桐野や篠原といった兵児(へこ)を最も愛し、彼らと生死をともにしたことは、西郷をうかがい知る上で、見逃せない点である。 西南戦争の中身についての描写は一流である。 時間がない方にも、8~10巻は読むことをお勧めしたい。
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司馬遼太郎に初チャレンジした作品。が、10作もあり読むのに2ヶ月超もかかってしまったww 舞台は戊辰戦争後の明治初期。西郷隆盛を大きな軸として揺れ動く日本政府の動向をあらゆる人物の観点から追っている。よくもここまで調べたなって感心してしまう
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明治政府の迷走ぶりが記された巻。 西郷らが去った後、佐賀の乱、薩摩の独立国形成の様子、大久保の征台論への傾斜が詳述されている。 宮崎八郎の佐賀の乱への敏速な反応ぶり、私学校の設立で、鹿児島士族の憂憤をコントロールしようとした西郷。 鹿児島の漢学への執着ぶりを見ていて、 自分も漢学...
明治政府の迷走ぶりが記された巻。 西郷らが去った後、佐賀の乱、薩摩の独立国形成の様子、大久保の征台論への傾斜が詳述されている。 宮崎八郎の佐賀の乱への敏速な反応ぶり、私学校の設立で、鹿児島士族の憂憤をコントロールしようとした西郷。 鹿児島の漢学への執着ぶりを見ていて、 自分も漢学・兵書の類に手を出してみようかなと思った。 兵書例:孫子・呉子・六韜三略・春秋左氏伝 政治論:孟子・大学・中庸 鹿児島県令:大山綱良「島津久光の腹心・西郷の私学校設立への協力という矛盾した立場?」 水戸藩の藤田東湖「小人ほど才芸があって便利なものである。これを用いなければならない。しかしながら長官に据え、重職を授けるとかならず邦家を覆す。であるから決して上に立ててはいけないものである。」 数奇な運命の従兄弟:君子の才あり、外遊経験もあった上で、西郷派の村田新八・英学者で、日本発の英和辞書編纂、又後の日本勧業銀行総裁になるほど、経済の才がある、大久保派の高橋新吉、陽明学の春日潜庵・革新派の津田出、新国家構想の持ち主:横井小楠・勝海舟・福沢諭吉 などなど、個性的な人物が多々登場している。やはり、自分は司馬作品の凄みは、人物の描写であり、 特に明治以降の作品は現存資料も多く、ノンドキュメント性が高く、より精細な描写が多くて、 会ってもないのに、その人物の人柄に引き込まれていく感覚に陥った。 中でも大久保利通の心理描写は、度々引用される手紙の文書などで、非常に深遠な思考方法であり、 器は比較にならないが、慎重で言葉数が少ない、自分と似たタイプであるため、 むしろ西郷より、大久保を敬慕する気持ちが強くなってきた。
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元司法卿の江藤が佐賀にて早々と乱を起こしてしまう。というより不平士族に簡単に担がれてしまったといっていい。 これに対して大久保は、徹底的に弾圧し江藤をさらし首にしてしまう 江藤は、西郷率いる薩摩が決起することに期待したが全く動かなかった。 征韓論の敗退で不平士族のエネルギーが一...
元司法卿の江藤が佐賀にて早々と乱を起こしてしまう。というより不平士族に簡単に担がれてしまったといっていい。 これに対して大久保は、徹底的に弾圧し江藤をさらし首にしてしまう 江藤は、西郷率いる薩摩が決起することに期待したが全く動かなかった。 征韓論の敗退で不平士族のエネルギーが一気に昂揚する中、この矛先を逸らすため大久保らは独断で台湾征伐を実行する。 2008/03/10
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西郷に続いて官を辞した江藤新平が、佐賀の乱を引き起こした。政府は大久保が全権を握り、これを完全にしずめる。薩摩との協力の可能性を恐れ、早めの対処である。一方、鹿児島では士族の集まりである私学校が設立され、のちの一大勢力となる。
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