終戦のローレライ(上) の商品レビュー
再読。 有りえない潜水艦で、有りえないローレライを回収する上巻。 ベテラン軍人(ロートルとも云える)に少年兵たち。 そして紅一点には不思議な少女。(Zガンダムのフォウか、エヴァンゲリオンの綾波レイ・・・と云った所か) ガンダム好きには堪らない設定に展開。 たとえ理不尽な戦場で...
再読。 有りえない潜水艦で、有りえないローレライを回収する上巻。 ベテラン軍人(ロートルとも云える)に少年兵たち。 そして紅一点には不思議な少女。(Zガンダムのフォウか、エヴァンゲリオンの綾波レイ・・・と云った所か) ガンダム好きには堪らない設定に展開。 たとえ理不尽な戦場であろうと、少年たちの成長にはグッと惹きつけられてしまう。 SFミステリで終始するのかと思えば、ちゃんと戦争に対する作者の姿勢も貫かれているようなので下巻が楽しみ。
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太平洋戦争時のお話。読んだ本の中でベスト3に入るほど面白かった。映画化もされたが、映画は駄作。単行本ではなく、ハードカバーの方が良い。読み終わったあとに、表紙を見ると感動する
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1艘の潜水艦のお話。フランス生まれだったが、ドイツに乗っ取られ、日本へ亡命。乗員は第3国へ脱出し、日本人乗組員にて再生され、いまひとたびの航海へ乗り出す。ドイツ敗戦後、秘密兵器を所持していた為、しつこくアメリカ潜水艦に狙われる。生き残る為に秘密兵器を海中投棄し、脱出。秘密兵器には、乗組員の妹が乗っていた。機密の為、妹が乗っているとも言えず、日本軍に回収を急かす兄。又、その兄弟は日本人の祖母を持っており、風貌は日本人に酷似していた。その為、本国ドイツでは疎んじられ、様々な苦労を重ね、生きる道を模索し、兵器として生きる道を見つけた。「恐怖を感じないようにする為には、自らが恐怖そのものになるのだ。」その戦争もドイツの敗戦で終わったかに見えたが、兄妹はその身を隠す方法を模索し続ける。そうしなければ、兵器としての業を背負い続けなくてはならないからだ。クルーとして乗り込んでいても、常に疎外感を持つ兄。 日本人乗組員と出会い、感化されていく兄妹。回収作業、出会い、開けっ広げな、幼稚な精神性に厭も応も無く巻き込まれて行く。純粋ならそれでいいのか疑問は残るが、他国に侵略された事の無い国民性、一度も外国に負けた事がない当時の日本人に感化されたのか。 上巻の締めはしつこいアメリカ人を沈め、帰港する。日本は敗戦まであと少し。時間は無い。イ507の運命や如何に?
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戦争中の潜水艦を舞台にした物語。SF・ファンタジー的な要素が濃いかな。現実に抗い、自らの「矜持」を貫こうとする人たちの姿を描いている。
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生命と息吹が胸に力強く響き、 軍人を越えた「人間」の生き方を描いた長編小説。 タイトル通りこの本は戦争時代の艦隊の物語です。 ただ1つ違うのは人間の心と心の連鎖によりこの物語は紡がれているということ。 最初読む前は戦争物は好きではありませんでした。 艦隊や軍人ものは専門用語...
生命と息吹が胸に力強く響き、 軍人を越えた「人間」の生き方を描いた長編小説。 タイトル通りこの本は戦争時代の艦隊の物語です。 ただ1つ違うのは人間の心と心の連鎖によりこの物語は紡がれているということ。 最初読む前は戦争物は好きではありませんでした。 艦隊や軍人ものは専門用語があり難しく、また日本は敗戦国なので結末はわかりきっている。 好きな人には申し訳ないが、 軍人の誇りを追求した自刃や特攻は物語を盛り上げる1つの結末だけれども、 そこに私が本で求める美学は無いと感じたから。 しかしそれもこの本を読んで印象が劇的に変わってしまった。 この本はハードカバーサイズだと上下巻にわかれている。(文庫は4冊) 最初はやはり艦隊や軍人の難しい専門用語が並べられ気後れするが、 途中から人物たちの心が自分自身に透過されるとその専門用語が不思議と気にならなくなる。 そして軍人として日本を守るという誇り、 というようなよくある戦争物語ではなく。 この本はそれを超越した人間の誇りを謳って描いていた。 何よりも人間らしい脆く儚きそしてそれをバネにする力強さを感じた生命の物語。 私の好きな雰囲気だと感じてしまった。 陰謀埋めく伏線もたくさん詰められており、 読み手をあっという間に騙すテクニックも散りばめられていて、素直に楽しく読める部分も多くある。 そして何よりも一番驚いたのが、約1000ページの小説の中で(※ハードカバーサイズ)覚えきれないようなたくさんの登場人物たちが現れる。 しかし誰1人捨てキャラはいない。 作者は登場する1人1人の人物の心情や想いを、 丁寧に生身の人間のように描いている。 それがよりこの暗く悲しい戦争という物語に彩りを加えている。 読了後は気持ちの整理がつかないままに色々な感情面や心情が揺らぐ。 そして私は悲しいような安心したような涙が溢れてきた。 様々な人間の駆け抜けた人生、その全ての息吹をこの本から感じたからだ。 人は様々な想いを他者に預ける。 またそれを引き継ぐ者の切なる想い、叫び、葛藤、温もりなど…。 色々なモノを受け止め私は今を生きなくてはならない。 そう…切に感じてしまったまるで生命の教科書みたいだ。
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乗りがアニメ的だ。敵役を含めて登場人物がカッコ良すぎる。 戦後世代だから書けたあるべき終戦の形って何だったのか、その信念のような物が見えてこない。 →ミステリマガジン2003.3月号参照 ナーバルのコクピットはエバンゲリオン 魚雷戦を含む潜水艦の戦闘・戦術は「沈黙の艦隊」のパクリ 人物造形は「亡国のイージス」→これは製作意図上仕方ないとはいえ。
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長っ!! 厚めの単行本2冊くらいなら普通に読むけど、まさかの上下二段書き、しかも一行一句も気が抜けない福井晴敏・・・ はじめ超ナヨボーイな政人が伊507に乗った頃から大人になってきます。 さすがに海底で息も切れ切れのときにナバールに乗り込むシーンは出来すぎだと思いましたが。 ま...
長っ!! 厚めの単行本2冊くらいなら普通に読むけど、まさかの上下二段書き、しかも一行一句も気が抜けない福井晴敏・・・ はじめ超ナヨボーイな政人が伊507に乗った頃から大人になってきます。 さすがに海底で息も切れ切れのときにナバールに乗り込むシーンは出来すぎだと思いましたが。 ま、主人公ですし。 フリッツと清水の掛け合いもかなり微笑ましいです。 というか清水、いい奴です。あんな反社会ボーイの政人は清水に感謝すべき。良いバッファになってくれてるし、友達想いだし。 清水みたいになりたい! いい奴なの?悪い奴なの?だった絹見艦長も高須先任も艦と日本を思う気持ち故の厳しい行動ってのが判明したし。 本当、福井さんの本は「悪い奴」がいない!(味方兵内には) だからあんな寄せ集めの船員が集まる伊507でも命を張って助けようと思ったんだよね♪パウラ♪ 朝倉大佐の考えが気になりますが、とりあえず誰も死なずに! 第二次世界大戦がベースだから無理だとは知ってるけど、それでもハッピーエンドに! みんながみんな、愛すべきいい奴なので強く願います!
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終戦直前の日本の海(制海権を奪われているのでこう表現するのは微妙ですが)舞台にしたお話。 元々戦争ものは読むと気が重くなるので敬遠していたのですが、ただ戦争の悲惨さを伝えるだけの話ではないこの話は とても読みやすかったです。個人的にはフリッツと征人が特殊任務前に話をするシーンが好きです。あそこから色々変わっていった気がするので。 男だらけでむさくるしいけど、誰もが漢らしくて格好良い。だからこそ死んでいく人たちを見るのが悲しい。 一番漢らしいのは絹見。艦長度胸ありすぎです。人間味があるフリッツも大好きですが。 下巻は原爆投下日(広島の)が近づいているので広島県民としては読む前から緊張します。
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入院中に読みました 暇つぶしのつもりが はまりにはまって・・・・・ 戦争について 考えさせられました 途中でなんか現実離れ的な SFっぽい所が 僕的には 残念ですが 別に 事実に基づかなければ いけないわけではないから良しとしましょう 少年兵が出航前に歓楽街で1夜をすごす場面が ...
入院中に読みました 暇つぶしのつもりが はまりにはまって・・・・・ 戦争について 考えさせられました 途中でなんか現実離れ的な SFっぽい所が 僕的には 残念ですが 別に 事実に基づかなければ いけないわけではないから良しとしましょう 少年兵が出航前に歓楽街で1夜をすごす場面が ほほえましかった覚えがあります ぜひ終戦記念日頃に・・・・ オススメします
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新感覚の第二次世界大戦もの。その前に読んだ「イージス」の印象が強いまま読んでいて、ちょっと違和感を感じるのが全体としての軽さ。さまざまな意味で扱っている素材は重いのだけど、そして作者のその重さを承知して書き込んでいると思うんだけど、書き込んである事実はとっても重いんだけど、それ...
新感覚の第二次世界大戦もの。その前に読んだ「イージス」の印象が強いまま読んでいて、ちょっと違和感を感じるのが全体としての軽さ。さまざまな意味で扱っている素材は重いのだけど、そして作者のその重さを承知して書き込んでいると思うんだけど、書き込んである事実はとっても重いんだけど、それを背負っているはずの人の歩みが軽々しく感じられるのはなぜだろう。 潜水艦の戦いの感じは、「沈黙の艦隊」にそっくりで、書き方も戦術も、どうも二番煎じに感じられてならない。タイトルにもなっている「兵器」のアイデアも、なんとなくガンダムのニュータイプを小説的に発展させて歴史に押し込んだような感じがしてならない。ストーリー展開は、さすがと思うのだけど、どうも満足できないのはどうしてだろう。 下巻に期待。 2005/6/1
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