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終戦のローレライ(上) の商品レビュー

4.4

78件のお客様レビュー

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重いテーマで切り込んだ意欲作

2003年度「吉川英治文学新人賞」受賞。終戦間近の日本、秘密兵器「ローレライ」をめぐって陰謀と思惑が飛び交う。克明に描かれる登場人物たちの生き様。「国家」「戦争」という重いテーマで切り込んだ意欲作。

yui

2022/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今更有名作を読むという暴挙。 だけれどもこの作品がなぜ有名なのかは わかった気がします。 描写が生々しいのよね。 特にこの物語のカギとなるある人物たち。 彼らはある種特殊な力を持っています。 だけれどもそれはある国の「鬼畜な策」によって 生まれた産物だったわけで。 その鬼畜さはその人物たちに刻み付けられた 2つのものでわかることでしょう。 (1つはまあ消せるけどもう1つは無理) そして、終盤にはあの描写があります。 そう、ある潜水艦が防げなかった あの描写が…

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2019/10/20

福井晴敏の物語は、物語の核に入るまでが長い。 だが、それを辛抱した先に待ってる物語に一気に引きずり込まれる。 本書は、戦争ものというよりは、ファンタジーと言った方がいいかもしれない。 しかし、文章をもっとシンプルにすれば、1/3くらいの長さにできるのではないだろうかというくらいに...

福井晴敏の物語は、物語の核に入るまでが長い。 だが、それを辛抱した先に待ってる物語に一気に引きずり込まれる。 本書は、戦争ものというよりは、ファンタジーと言った方がいいかもしれない。 しかし、文章をもっとシンプルにすれば、1/3くらいの長さにできるのではないだろうかというくらいにくどい文章。

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2015/02/05

あらかじめ敗北という選択肢を持てなかった戦争。茶番と括るにはあまりに重すぎる戦争。日本民族の消滅を回避し、この国にあるべき終戦の形をもたらす。ナチスドイツによる人種改良実験の偶然の産物である特殊能力に目覚めた「彼女」とその兄の「黄色いSS」。二人の残酷な運命は読んでいて心が痛みま...

あらかじめ敗北という選択肢を持てなかった戦争。茶番と括るにはあまりに重すぎる戦争。日本民族の消滅を回避し、この国にあるべき終戦の形をもたらす。ナチスドイツによる人種改良実験の偶然の産物である特殊能力に目覚めた「彼女」とその兄の「黄色いSS」。二人の残酷な運命は読んでいて心が痛みます。戦利潜水艦伊507の乗組員との出会いは二人にどんな影響を与えたのか。そして気になるのは浅倉大佐の動きですね。おそらく下巻で明らかになるのでしょうが、何を考えているのか掴めない奴です。彼のミステリアスな魅力もまたいいんでしょうね。

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2014/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。前半部分は若干退屈だけどローレライが本格的に絡むトコから読む手が止まらなくなる。また、これだけ登場人物が多いというのに一人ひとりのイメージが結構明確に想像できるっていうのもこの分厚い福井さん作品の特徴だと思う。「どうせ兵器になるしかないのなら、私はいまなりたい」というパウラと、ソレを艦員一丸になって止めるために全力を尽くすシーンといい、上巻だけでも読みどころたっぷりでした

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2014/05/15

第2次大戦末期、主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。その潜水艦こそは、戦争の形態を根本から変えてしまうという秘密兵器「ローレライ」を搭載していたドイツ軍のUボートだった。しかし、日本に...

第2次大戦末期、主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。その潜水艦こそは、戦争の形態を根本から変えてしまうという秘密兵器「ローレライ」を搭載していたドイツ軍のUボートだった。しかし、日本に到着する前、アメリカ軍の執拗な追撃のために「ローレライ」はやむなく日本近海に投棄されてしまっていた。折笠たちに与えられた極秘任務とは、それを回収することにあった。それを阻止せんとするアメリカ軍とのあいだで苛烈な戦闘が繰り広げられる。そして、その秘密兵器を日本の終戦工作に使おうとする陰謀が、密かに進行していた。

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2013/06/11

これアニメにしたら面白いだろうなーって思った始まり方。 トンデモ兵器が1個あるだけで太平洋戦争が一気にエンタメになった。

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2013/02/24

第二次大戦末期。 ドイツから一杯の潜水艦が日本に向かっていた。 「ゼーガイースト(海の幽霊)」とあだ名される潜水艦UF4。 秘密兵器「ローレライ」を艦載して日本近海まで来たが、「しつこいアメリカ人」と揶揄される潜水艦との攻防でやむを得ずその秘密兵器を海中に沈める決断をする。 S...

第二次大戦末期。 ドイツから一杯の潜水艦が日本に向かっていた。 「ゼーガイースト(海の幽霊)」とあだ名される潜水艦UF4。 秘密兵器「ローレライ」を艦載して日本近海まで来たが、「しつこいアメリカ人」と揶揄される潜水艦との攻防でやむを得ずその秘密兵器を海中に沈める決断をする。 SS(ナチ親衛隊)の黒衣の制服に身を包んだ男。 フリッツ・S・エブナー少尉。 日本人のクウォーターである男は、普段使う事のなかった日本語で取り押さえられながら絶叫する。 「必ず迎えにくる!それまで諦めるな・・・・・・!」 主人公の海軍新兵・折笠征人は、未だ知らされぬ任務のため親友の清永と広島の呉軍港に降り立つ。 そこでは、1隻の潜水艦が彼らを待っていた。 それこそが「伊507」と呼されたドイツ軍のUボートだった。 折笠たちに与えられた極秘任務とは、ローレライを回収すること。 それを阻止せんとするアメリカ軍とのあいだで苛烈な戦闘が繰り広げられる。 そして、ローレライを日本の終戦工作に使おうとする陰謀が、密かに進行していた。 12

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2012/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長い、じっくり描かれている。なかなか、進まないのがもどかしいがおもしろい。下巻、どうなるのか楽しみ。

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2012/10/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

相変わらずの「昔は凄かったけど今は窓際なオッサン」と「壮絶な過去を持つ陰のある若者」の福井ワールド。フリッツ少尉が「シンヤだ」と名乗るシーンに温かさを感じ、健気に戦うパウラの姿に拳を握り、浅倉大佐の不気味ながらもカッコいい描写は魅力的。

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