蘆屋家の崩壊 の商品レビュー
幻想怪奇小説の傑作短編集。かつて別名義で少女小説を書いていたとは思えないほどの筆力と世界観。どこか不気味でグロテスクなそれは、嫌悪感を抱くすれすれでさらっとまとめられている。本当にセンスがいい。伯爵と猿渡という二人の豆腐好きもキャラクターとしての魅力に溢れ、リアリティとは真逆のベ...
幻想怪奇小説の傑作短編集。かつて別名義で少女小説を書いていたとは思えないほどの筆力と世界観。どこか不気味でグロテスクなそれは、嫌悪感を抱くすれすれでさらっとまとめられている。本当にセンスがいい。伯爵と猿渡という二人の豆腐好きもキャラクターとしての魅力に溢れ、リアリティとは真逆のベクトルで確固たる存在感を演出している。長編が読んでみたい。
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妖怪に詳しい作家「伯爵」と「おれ」が共に旅をする間に巻き込まれる不思議譚…。 というわけで、このストーリー骨子からはどうしたって『百器徒然袋・雲 』の多々良先生と沼上の関係を思い出さざる得ない訳でして。キャラクターの個性、話の作り込み、知名度、あらゆる面で『百器徒然袋・雲 ...
妖怪に詳しい作家「伯爵」と「おれ」が共に旅をする間に巻き込まれる不思議譚…。 というわけで、このストーリー骨子からはどうしたって『百器徒然袋・雲 』の多々良先生と沼上の関係を思い出さざる得ない訳でして。キャラクターの個性、話の作り込み、知名度、あらゆる面で『百器徒然袋・雲 』の前には影がかすんでしまいます。この作品が面白くないわけではないだけに残念。まぁ『百器徒然袋・雲 』が例によって「薀蓄を楽しむ」という面が強いのに比べれば、こちらはよりシンプルな「怪奇短編集」という意味合いが強いので、その辺で読み分ければ、多少成りとも独自に楽しめるのはないでしょうか。まぁ、時間がない人は『百器徒然袋・雲 』だけ読めばいいと思いますけど。もちろんタイトルはポーの『アシャー家の崩壊』からなんですけど、内容には笑いの要素は少ないです。その半端さがいけないんだと思うんだけどなぁ…。
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2009-03-16 これは不気味!大満足! 海獺は肥満した中年女くらいどでかいらしい。 豆腐熱が再燃。
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定職を持たない猿渡と怪奇小説家の伯爵が 出掛ける先で出会う怪異を、猿渡の一人称で 綴る連作短編集です。 文体や仮名遣いが昔っぽい雰囲気が あるようでいて軽妙だったり、独特です。 内容は怖かったり気持ち悪かったりするのに、 所々、ニヤッと笑ってしまう面白い文章もありました。 豆腐好...
定職を持たない猿渡と怪奇小説家の伯爵が 出掛ける先で出会う怪異を、猿渡の一人称で 綴る連作短編集です。 文体や仮名遣いが昔っぽい雰囲気が あるようでいて軽妙だったり、独特です。 内容は怖かったり気持ち悪かったりするのに、 所々、ニヤッと笑ってしまう面白い文章もありました。 豆腐好きが縁で仲良くなった、と言うのもなんか面白い。 「猫背の女」が特にぞわぞわっと怖かったです。 「水牛群」は、何となくですが夏目漱石の「夢十夜」を 思い浮かべてしまいました。 最初、怪奇小説と言いつつ、それなりにオチとか 分かりやすい解釈があるのかな、と勝手に思っていたら そうじゃないので戸惑いました。 再読の時には、それが分かっているので、もっと ドップリこの雰囲気を味わう事が出来ると思います。
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初めは図書のほうでよんで、カバーが素敵だったのでそっちがほしかったのですが。文庫はなんと書き下ろしつき!超鼠記。しかも滅茶苦茶面白かった。大好きです津原先生。伯爵と猿渡氏のコンビがまた絶妙。
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不気味な雰囲気を醸し出す本書。 主人公達のやりとりがその不気味さを和ませてくれているのが、楽しかった。 ただ、虫はいかんよ。
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豆腐が縁で知り合った二人、プータローの「猿渡」と怪奇小説家の「伯爵」が、様々な怪異に遭遇していく連作短編集。怪異の料理の上手さもさることながら、文体の妙とユーモアのセンスが素晴らしい。この二人のコンビは、いずれまた機会があれば書いてほしいなあ。
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なんか電撃文庫のMissing思い出した。 面白いけどちょっと読みにくいかなあ。 あと猿渡の女運の悪さにちょっと笑った
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猿渡くんと伯爵の怪奇もの。短編連作集。曖昧で不思議な。日本語がうつくしい。会話は楽しいのに、最後にぞくりとする。虫の話は、貴志祐介の「天使の囀り」を思い出した。
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軽妙なやりとりと、内容のうすら寒さが絶妙。 主人公の二人の行く末も、現代のおどろおどろしさがあって、面白い!
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