戦争の日本近現代史 の商品レビュー
近代の戦争がどういう流れで始まったのか、国民はそれをどう受け止めていたのかが、わかりやすく解説されており、読みやすかった。誰かが憎くてではなく、一生懸命生きようとした結果が、戦争という思想になっていったのかもしれないと思った。 時代によって正しいことがコロコロと変わり、何が正し...
近代の戦争がどういう流れで始まったのか、国民はそれをどう受け止めていたのかが、わかりやすく解説されており、読みやすかった。誰かが憎くてではなく、一生懸命生きようとした結果が、戦争という思想になっていったのかもしれないと思った。 時代によって正しいことがコロコロと変わり、何が正しいかなんて、本当にないのだと、改めて歴史から学べたことが良かった。
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政治家や陸軍、海軍、そして国民がどのように戦争へ向かっていったのか、豊富な資料で示してあった。教科書にある多くの隙間を埋めてもらった感じ。様々なことがつながり、合点がいった。
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日本の状況を、現在のロシア・中国に当てはめると 似たような状況が見えてくる気がする。 日本人の法律万能的観点は現在も同じ状況にある。
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政治意識の変遷を実証的に検証しながら、戦争を受け入れる論理がどのように形成されていったのかを解明する意図で書かれており中々の力作。政治意識に関しては主に新聞史料を用いているが、選択した新聞論調がメジャーかどうかはわからないので(結構マイナーな新聞も取り上げている)、あくまでも著者...
政治意識の変遷を実証的に検証しながら、戦争を受け入れる論理がどのように形成されていったのかを解明する意図で書かれており中々の力作。政治意識に関しては主に新聞史料を用いているが、選択した新聞論調がメジャーかどうかはわからないので(結構マイナーな新聞も取り上げている)、あくまでも著者の選択という事になってしまうのだが、歴史研究とはそもそも研究者による選択の結果でしかないので、これはこれで仕方がないのかもしれない。基本的には政治意識というよりも政治史・外交史・軍事史がメインとなっている印象だが、戦争とは「自国が正義である(敵国は悪である)」という大義名分をいかに作り上げて、国民がそれをどのように受け入れて納得・支持するのかがいかに重要であるかという事がわかる良著である。 気になるのは平凡な題名で、おまけに「東大式」という安っぽい副題をつけてしまったのは、硬派な内容を的確に表現しているとは言えず失敗だったのではないかとも思えるのだが、結構売れてるようなので出版社的には成功だったのかもしれない。
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明治から昭和までの戦争に視点を当て、当時の日本政治指導者たちの論理の変遷を述べたもの。とかく戦争批判者が、当時の政治家や軍部を、感情的な判断であるとか浅はかなチャレンジ精神と批判するが、時の為政者もそのような単純な思いから戦争を起こしたわけではない。当時の政治指導者、軍部が、どの...
明治から昭和までの戦争に視点を当て、当時の日本政治指導者たちの論理の変遷を述べたもの。とかく戦争批判者が、当時の政治家や軍部を、感情的な判断であるとか浅はかなチャレンジ精神と批判するが、時の為政者もそのような単純な思いから戦争を起こしたわけではない。当時の政治指導者、軍部が、どのように世界情勢をとらえ、国民を説得し、戦争に踏み切ったのかを克明に述べている。ただし、ジェームズ・ウッド著「Japanese Military Strategy in Pacific War - Was Defeat Inevitable?」で、日本の太平洋戦争の当初の戦略プランはほぼ完璧で日本の開戦決定は間違っていなかったとの論に比べると、加藤氏は、日本の誤った侵略戦争との前提に立った論理展開をしているようで、研究は極めて深いものの微妙に違和感を覚えた。
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明治維新から太平洋戦争までの時期を対象として、為政者や国民が世界情勢と日本の関係をどのように捉え、どのような論理の筋道で戦争を受け止めていったのか、その論理の変遷を追っている。当時の日本における、朝鮮や満州の位置づけがわかりやすく、近現代史のよい復習になった。
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明治維新から太平洋戦争まで、政治家や軍部、報道、あるいは世論が日本を取り巻く環境やそれに対する外交・安全保障をどう認識していたか。そして、そうした認識が戦争の開始にどう影響したかをつぶさに見ていく。 客観的な事実として何があったかではなく、その事実をどう受け止め意義づけ、どのよう...
明治維新から太平洋戦争まで、政治家や軍部、報道、あるいは世論が日本を取り巻く環境やそれに対する外交・安全保障をどう認識していたか。そして、そうした認識が戦争の開始にどう影響したかをつぶさに見ていく。 客観的な事実として何があったかではなく、その事実をどう受け止め意義づけ、どのような主張や行為に結びついたのかという主観に焦点が当てられる。事実そのものでなく事実に対する認識が物事を動かすことは往々にしてあることで、そこに着目することは意義のあることだと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2002年刊。先に著者の書籍を何冊か読破済みで、既読感ありといわざるを得なかった。最初は岩波「シリーズ日本の近現代史」で、丁寧な叙述に感服。が、少し批判的な目で見ると幾つか気になる。①アジア諸国のナショナリズム等やや不合理な感情の影響を明記しない。また、②為政者の心性理解という事実確定と責任の帰属とは異質だと明示しない。事実確定と過失を構成する事実との分離作業をしないと過失認定の誤謬を招来し、安易に責任否定の論に援用される危険。③保有情報の非対称性や、当時の国の情報操作の影響を軽視しすぎ。
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明治以降どのように「戦争止むなし」という論理と空気が醸成されていったのか。ありふれた表現だが一つ掘る下げた形で展開される。 当時生きていた人たちはその論理と空気で生きてきたのであり、分析は出来ても否定はできない気がするよね。 戦後の平和主義も「何故受け入れられたのか」という問...
明治以降どのように「戦争止むなし」という論理と空気が醸成されていったのか。ありふれた表現だが一つ掘る下げた形で展開される。 当時生きていた人たちはその論理と空気で生きてきたのであり、分析は出来ても否定はできない気がするよね。 戦後の平和主義も「何故受け入れられたのか」という問いを立てることもできるし、昨今の所謂「反動」も同様の問いを立てることができる。 結局はポジショントークになってしまう気もする。
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為政者、そして国民が「だから戦争に訴えるのだ」という感覚を持つようになり、それを書き記すようになるのはどんな論理の筋道を得た時なのか。 というのがライトモチーフになっている。 戦争につぐ戦争の時代。 全九講。 その時期に書かれたものを引用して説明されている部分があり、なるほど…...
為政者、そして国民が「だから戦争に訴えるのだ」という感覚を持つようになり、それを書き記すようになるのはどんな論理の筋道を得た時なのか。 というのがライトモチーフになっている。 戦争につぐ戦争の時代。 全九講。 その時期に書かれたものを引用して説明されている部分があり、なるほど…となった。
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