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蒲団・一兵卒 の商品レビュー

3.4

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

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2022/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読む人によっては気持ち悪いだけ小説と感じるかもしれないが、人間が普段から考えていることや湧いてくる感情を隠すことなく描いていると思いました。 布団の匂いを嗅いで終わるラストは気持ち悪いが、最高です。

Posted byブクログ

2021/12/10

久しぶりに図書館で借りて読みました。 あっという間に読めちゃいました。 最後のページが好きですね。 「一兵卒」も面白かったです。

Posted byブクログ

2023/10/08

ゾラに始まる自然主義という分類が写実に基づく観察に重きがあるのに対し、花袋の『蒲団』はただの私小説、懺悔録。しかも文壇に衝撃を与えたのはオチの部分の露骨な性欲であって、それまでのフリの部分は大して注目せられていない。チ○コ振り回して「芸術だ!」と叫ぶのと違いなし。もっと言えばほと...

ゾラに始まる自然主義という分類が写実に基づく観察に重きがあるのに対し、花袋の『蒲団』はただの私小説、懺悔録。しかも文壇に衝撃を与えたのはオチの部分の露骨な性欲であって、それまでのフリの部分は大して注目せられていない。チ○コ振り回して「芸術だ!」と叫ぶのと違いなし。もっと言えばほとんどただの炎上商法。 これに文壇が衝撃受けたというのは目眩しされたのに違いなく、当時の文芸評論家の職務怠慢では。

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2021/11/17

蒲団と一兵卒の雰囲気の差が大きすぎて戸惑ってしまいました。「蒲団」に関しては、私としては、受け入れられる程の(?)変態さではありましたが。

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2021/11/12

キモすぎて草 でもこのおっさんのキモさを描き切った同じくおっさんの田山花袋はすごい でも別に芳子に感情移入もできなくて、全員バカだなあ…人間って愚かだなあ…としみじみした

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2021/02/07

好きな人に対する気持ちの表現が分かりやすく感情移入がしやすかったのと一番最後の布団でのシーンがとても印象的で記憶に残りました。

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2020/08/11

「好きだった女性にふられて、女々しくその人が寝ていた蒲団に包まって泣くおじさんのお話し」というあらすじだけはなぜかずっと記憶にあったので、どうしてそんな作品が今でも不朽の名作として読み継がれているのか理解できた。夏目漱石にでてくる明治の知識人たちは「友人の恋人を奪ったり(こころ)...

「好きだった女性にふられて、女々しくその人が寝ていた蒲団に包まって泣くおじさんのお話し」というあらすじだけはなぜかずっと記憶にあったので、どうしてそんな作品が今でも不朽の名作として読み継がれているのか理解できた。夏目漱石にでてくる明治の知識人たちは「友人の恋人を奪ったり(こころ)」「妻の不貞を疑ったり(行人)」している人が多すぎて、私のような常識人にはまったく誰にも感情移入できなかったのだが、竹中先生の気持ちは痛いほど理解できた。小谷野氏は著書で「この本がすきな人はもてたことのない人」と書いてある。ほっておいて、ほしい。

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2020/06/28

2回目読了 蒲団はやはり男臭い内容で面白い また嗅覚の記述も際立っており、滅多にない書き方がなされていて新鮮

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2019/08/15

時代とはいえ、妻子持ちのおじさんが一人の女の子の貞操について真剣に考えているのは気持ち悪…面白い。 一兵卒は戦争を経験した花袋だけあって、リアリティがあった。

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2018/02/17

タイトルにある「蒲団」と「一兵卒」の2作が収録されています。 「蒲団」は、自然主義文学作家として著名な田山花袋の代表作で、自分も学生時に読んだことがあるはずなのですが、大人になって内容も忘れてしまったので再度読み直してみました。 ちなみに同録されている「一兵卒」はそれほど有名な作...

タイトルにある「蒲団」と「一兵卒」の2作が収録されています。 「蒲団」は、自然主義文学作家として著名な田山花袋の代表作で、自分も学生時に読んだことがあるはずなのですが、大人になって内容も忘れてしまったので再度読み直してみました。 ちなみに同録されている「一兵卒」はそれほど有名な作品ではないと思います。 両作品とも言文一致体で書かれていて非常に読みやすく、中高生でも内容は理解できます。 ただ、理解できると思いますが、「蒲団」は内容がアレすぎて、この内容を子供の頃の自分が読んでいたことに驚きました。 過去に戻って、子供の自分に本作の感想を聞いてみたい気がします。 「蒲団」のあらすじは、妻と3人の子供がいる中年作家の竹中時雄のもとに、弟子入りがしたいという熱心な女の手紙が届く。最初は断っていた時雄だが、やり取りを行ううちに手紙の文章から将来性を感じ弟子入りを免ずる。 時雄を慕って上京してきたのは十代の女学生で、単調な生活に嫌気が差していた時雄は、弟子の芳子に心惹かれ妄想を逞しゅうする。 浮かれていた時雄だったが、ある日、芳子を追って芳子と恋仲の田中という男がやってきて、時雄は怒り狂うという話。 評価は人によって別れると思うのですが、私はサイテーな話だと思います。 妻子あるおっさんが自分を慕ってきた純朴な娘に邪心を抱いた挙句、恋人がいると知るやいなや嫉妬に狂うという、文学的評価以前に時雄の惨めさに呆れました。 更に驚くべきことに本作は私小説の出発点と呼ばれており、つまり作中の内容は田山花袋の体験を元にした話となっています。 時雄は田山花袋、芳子も田中もモデルがいて、本作発表時はその赤裸々すぎる内容に一大センセーションを巻き起こし、芳子と田中のモデルとなった人物の私生活にも影響を及ぼしたということです。 田山花袋の奥さんも不憫。 その後、島崎藤村は、本作に対抗して姪との情事を書いた私小説を発表するという訳のわからない戦いがあるのですがそちらは別の機会に読む予定。 本来は、本にして発表するなんてことしなければ、そのまま墓の中まで持っていけそうな秘匿するべき内面をあえて描き、内にある激しい思いと、外から見たときの一見尤も対応をしている様子の対比の描写が素晴らしい作品だと思います。 時雄は邪な気持ちを持っているが、それは表に出すことができない、妻子も世間体もある身で、想いを打ち明けるわけにもいかない、今ここで情熱のままに行動すればどうなるか想像ができないわけもない、そうした中で怒り悲しみながらも結局は思いは届かないという、自然主義文学として見ても正しい作品だと思いました。 ストーリーはあれですが、大変実験的で、そして成功した作品だと思います。 ラストは衝撃的です。あまりいい意味ではなく。 「一兵卒」は日露戦争の一兵卒が病院から逃げるように退院し、苦しみながら死んでいくという作品。 物語そのものより、地獄のような戦時中の風景と主人公の望郷の念、惨めな最期の描写を読む作品だと思います。

Posted byブクログ