アムリタ(上) の商品レビュー
ばななワールド。 この辺りの時期の作品が好み。 しかし何故だろう、この人の作品は、読み終えた時に面白かったと確かに思うのに、ストーリーをよく思い出せないw 頭や理屈というより、感情で読む感じ。 魂で読む物語。
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主人公、母、妹、母2度目の結婚で生まれた弟、いとこの女性、母の幼馴染の女性が、1つの家で暮らしている。 この、奇妙なバランスで生み出される家族というハーモニーが、 とてもおもしろい作品です。 吉本ばななが描く、恋愛感も好きです。 ------------------------------------------------------------- ほかの人にはこんなに感じないひとつひとつの感覚が 活性化される。 その振幅がそのままその人を思う心のベクトルの大きさだ。 人間は苦しい。 不完全なひとりが、 不完全なひとりを思い丸ごとを受け入れようと苦しむ様は、 なぜかそれぞれ胸のうちの嵐とは別のところで、 ときどき妙に生き生きとしたあるひとつの像を結ぶ。 人間がかろうじて日々を生きているわけみたいなもの。 いちめんに咲いた桜並木みたいに 大盤振る舞いの美しくやさしいエネルギー。 たださらさらと花びらが散り、 陽がさして風が吹き、 はるか続く木々がいっせいに揺れて舞い狂う ピンクとすきまの青空の甘い色に圧倒されて立ちつくす。 知っている。 一度しかなく、一瞬で終わる。 でも、自分がその一部に永遠に溶け込んでいる。 ワンダフル、ブラボー!そういう瞬間を、人は苦しんでも求める。 ------------------------------------------------------------- ……素敵すぎる。 天才ですねー。
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何となく自分に心もとなく生きている主人公 朔美さん。 それでもそれなりに今を受け入れながら、大きな期待も大きな絶望もしないで静かに人を想う心が語られます。 心地よい話です。 折角めぐり合えた温かな出会い、このまま続きますように。
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はじめは情景描写が多くて、展開が遅めでうーん・・・と思ってたけど、気づけば、ばななワールドにはまっていた!!朔美が頭を打ってからのストーリー展開が面白い。
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久しぶりの吉本ばなな。 もう何年かぶりに熟読。 最初は久々の"ばななワールド"に馴染めなかったけど、 だんだんこの小説の世界観に取り憑かれていった。 具体的ではないんだけど、だからといって抽象的なわけでもないような文章。 所々はっとさせられる表現があったり...
久しぶりの吉本ばなな。 もう何年かぶりに熟読。 最初は久々の"ばななワールド"に馴染めなかったけど、 だんだんこの小説の世界観に取り憑かれていった。 具体的ではないんだけど、だからといって抽象的なわけでもないような文章。 所々はっとさせられる表現があったりして。。。 共感云々とかの次元ではない小説でした。 昔は、吉本ばななの小説を読んでもこんな風に感じることはなかったなぁ。大人(でもないけど)になって感じることも多かった。 心が洗われていくっていったら大袈裟だけど、でも何かを引き出されるような、う〜ん。 次は下巻!
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やーっと読んだばなな本。 大好きな作家の本で、 見たことはあったけど気にはなったけど なんか読んでなかった本ってあるけど その代表作。 まあまあだったけど、悪くない。 別に悪くないって感じが、後からいい。 しょっぱいもので、思い出の中のしあわせって全部そんなものなのかも。
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きれいな日本語。とくに学校の描写が印象に残る。マイナスを病理と捉えたり、取り除くことがすべてではない。相手のために何かしたい=自分の無力さと向き合うことなのかも。
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何度読んでも忘れるけど、何度読んでも癒される大好きな作品。 その状況にあるときには当たり前と思い、軽んじてしまいがちな大切なことが書かれているように思う。 失って初めて切望するようなことが。 主人公のキャラクターもリアリティがある。 よしもとばななの書く作品の主人公はみな無駄...
何度読んでも忘れるけど、何度読んでも癒される大好きな作品。 その状況にあるときには当たり前と思い、軽んじてしまいがちな大切なことが書かれているように思う。 失って初めて切望するようなことが。 主人公のキャラクターもリアリティがある。 よしもとばななの書く作品の主人公はみな無駄に騒がず、理知的で、好感が持てる。 ただ、最後のさせこさんの手紙はいらなかったんじゃないかな。
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不思議なお話、ばななさんワールドだなー 散文詩みたいな素敵な言葉の宝箱 ふわふわしているようで核心 いいなぁ、読んでて心地いい。 下巻へ。
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「キッチン」を読んだだけでよしもとばなな節にハマり、一気に彼女の作品を数十冊購入してしまった…。これはその内の一冊。 やっぱりこの人の書く文章はすごい。私の感性にぴったりだ。 自分にはない考えを気付かされるというよりは、自分が常になんとなく感じている事を的確な言葉で言い当てられている。 ストーリー自体は、上巻のサマリーを説明しろと言われれば100文字くらいで事足りそうなゆるい展開なのだけれども、286ページの長編になっているのは内面的な描写の宝庫だからだ。下巻が楽しみ。
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