アムリタ(上) の商品レビュー
実際目に見えなくても、わかってしまうことや、感覚的でうまく説明できないことなんてたくさんある。それが嫌だと思っていたけど、それでも大丈夫だよーまぁ大丈夫じゃないかもしれないけど、それでも生きていけるよって言ってくれてる作品。下巻の方が好き。
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2012.9.17読了。 なんというか、スピリチュアルなものをごくナチュラルに差し出されると、少し疲労する。
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吉本ばななを読むのが高校生ぶりで、きっとその頃と感じ方が変わっているのだろう。(正直以前は意味わからんなーと思っていた。) 小説の中の空気の色や光の加減や、湿気を感じるような言葉の選び方が特に美しかった。 ただその世界に浸かって浮かんでいたいと思わせるような、そんな小説。 文...
吉本ばななを読むのが高校生ぶりで、きっとその頃と感じ方が変わっているのだろう。(正直以前は意味わからんなーと思っていた。) 小説の中の空気の色や光の加減や、湿気を感じるような言葉の選び方が特に美しかった。 ただその世界に浸かって浮かんでいたいと思わせるような、そんな小説。 文庫内のフォント(特に「ふ」の文字)と文字間もこの本にとても合っている。
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あるはずのものがない、ないはずのものがある。 それは記憶だったり、感情だったり 霊的な何かだったり。 そんな不協和音の中を生きる、てのは怖いけど素敵だと思う。 失ってしまったのか、新しく生まれてくるのか。 半分死んでしまっている主人公の、結末が楽しみ。
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よしもとばなながまだ吉本ばななだった頃に書いた作品で、 私が彼女の作品にはまったきっかけとなった1冊。 とにかく主人公の朔ちゃんが大好きで、私の永遠の憧れの女性。 もうすぐ私も彼女と同い年になろうとしていることに今気づいて愕然とした。 私のバイブルとも言える本。 無...
よしもとばなながまだ吉本ばななだった頃に書いた作品で、 私が彼女の作品にはまったきっかけとなった1冊。 とにかく主人公の朔ちゃんが大好きで、私の永遠の憧れの女性。 もうすぐ私も彼女と同い年になろうとしていることに今気づいて愕然とした。 私のバイブルとも言える本。 無人島に持って行く1冊を選ぶんだったら迷いなくこの本を選ぶ。 辛い時にはいつもこの本を読めるように、 10代の頃は常に分厚いハードカバーを持ち歩いていた。 ばななさんの本を読むと、自分が取り戻せるふしぎ。 今も、辛くなったときは絶対彼女の本を読み返す。 時には会社にまで持って行く。 よしもとばななの作品に出会わなければ、 わたしはどうなっていたんだろうとさえ思う。 そこまでの作家は他にいない。
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好き嫌いがわかれるみたいだけど(解説の沢木耕太郎さんはたぶん駄目なクチだったのだろう)何度もこれで救われたような気がする。 本当につらかった時期に、ここで描かれている事や、描こうとしていたことに一番深く共感したような気もする。 ばななさんもアムリタを描いた頃は人生最悪の時期だった...
好き嫌いがわかれるみたいだけど(解説の沢木耕太郎さんはたぶん駄目なクチだったのだろう)何度もこれで救われたような気がする。 本当につらかった時期に、ここで描かれている事や、描こうとしていたことに一番深く共感したような気もする。 ばななさんもアムリタを描いた頃は人生最悪の時期だったらしい。 極限はつきつめれば本当に当たり前の生活の中にある、みたいなこと。 色んな読み方が出来る本だと思う。そのうちのひとつに、どこで道が分かれるのかという事がある。 主人公の朔実ちゃんも好きだけど、自殺した妹の真由のほうに感情移入してしまう。 " しかし真由と私の違いは、ささいなことですが大きかった。すごい美しい景色のところに旅行に行くと、・・・たとえばそれは奈良でしたが。三輪山の展望台から家族で夕日を眺めていました。 (中略) とにかく真由はそういうとき、あんまりにも景色がきれいだったりするとこわくなって、決して退屈してではなくて「早く帰ろう、うちに帰ろう」っていう子だったの。 私は、「この景色がもっとよく見えるところがあるはずだから、お山にのぼろう」っていう子だった。" でも結局最後には、朔実ちゃんは生命力そのものなんだなと思うようになる。そのまぶしさの分、影はとても濃いということ。それすら記憶の中に包んでやさしく書いている目線が好き。
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6年前の夏、勧められて読んだ本。 読み返して、びっくり。 好きな物語だったのに、 わたしも朔美といっしょに再生したと 思っていたのに、 「こんなだっけ!?」と。 だいじなことがぜんぶ、ここに書かれていた。
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『ある種の愛が 家庭を存続させるために必要。 愛って形や言葉ではなく ある一つの状態。 発散する力の在り方。 求める力ではなく、 与える方の力を出していないとだめ。 そうでないと、 飢えた狼の巣みたいになってしまう。 つなぎ止めるものは、 美しい力のある思い出。 その人達と居...
『ある種の愛が 家庭を存続させるために必要。 愛って形や言葉ではなく ある一つの状態。 発散する力の在り方。 求める力ではなく、 与える方の力を出していないとだめ。 そうでないと、 飢えた狼の巣みたいになってしまう。 つなぎ止めるものは、 美しい力のある思い出。 その人達と居ていい思いをした度合。 そういう空気に対する欲が 残っているうちは、まだいれる。』 口から出た言葉は2度と元に戻らないから、後悔しないように黙るんだね。-アムリタ上
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姉の記憶の欠如、妹の死、弟に生まれた不思議な力、そしてその力にとまどいながら理解し受け止めようとする弟自身と姉、複雑でも愛のある家族の関係、そして姉の恋と姉と出会っていく人々、 内容を聞くだけだと重く暗くなってしまいそうな話が実際に読むと全然違うんです、優しくて心があたたかくな...
姉の記憶の欠如、妹の死、弟に生まれた不思議な力、そしてその力にとまどいながら理解し受け止めようとする弟自身と姉、複雑でも愛のある家族の関係、そして姉の恋と姉と出会っていく人々、 内容を聞くだけだと重く暗くなってしまいそうな話が実際に読むと全然違うんです、優しくて心があたたかくなるようなとても素敵なお話になっています。 この「 アムリタ 」をキッカケにばななさんの小説へ浸かっていきました。気持ちのモチベーションが定まらないときや時間があるときは今でも無性に「 アムリタ 」を読みたくなります。ほんとうにだいすきな小説です。
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「半分死んでい」たり、声が聞こえたり、 とらえどころのない、しかし絶対に覚えのある感覚が表現されている。 登場人物ひとりひとりが、いとおしく感じる。 みんな、運命に翻弄されながらも確実に人生を歩んでいる。 生きるって、こういうことなんだ。
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