月の裏側 の商品レビュー
恩田陸らしい、繊細で女性的な風景や心理の描写。ミステリアスストーリーでどんなクライマックスが待ち受けているかと途中期待したが ラストのカタストロフィがイマイチ。結局 「それ」ってナニ?
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SFミステリー。最後のさいごまで、あいつは、なんなんだろう。 世界はひとつ。自分だけが違う人間だなんて、思い上がりなんだと感じさせられた。
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九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは...
九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは〈人間もどき〉の存在に気づく……。 予想のつかない展開に引きずり込まれた、 という感じです。 ストーリーを読んで思うことは 人それぞれ違うだろうけど、 私は事件そのものより、 人間関係のもろさについて、考えてしまった。 強い立場にいる人と、弱い立場にいる人。 その差は、「個人」の問題ではなくて、 それらを囲む環境の問題。 人が人に対して持つイメージとは、 本人も気付かぬうちに、 周りの誰かの意思によって作り上げられている。 でも、それがどんなに儚くもろいものか。 ある出来事がキッカケとなって、 一夜で塗り替えられてしまうことだってある。 昨日まで頂点に立っていた人が、 今日には皆から押し出されることだって、 実際ある。 コワイ世の中だ・・・ なんてケチな小言を言ったところで何も変わらない。 いつの時代にも起こっていることなのだから。 周りの環境やら時代の流れに文句を言う暇があったら、 まずは自分で自分の力を信じてあげよう。 そう思った。
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《★3つですがホントは3.5ぐらい》 とっても恩田ワールド全開な一冊です。 独特な世界観ですね。 ホラーということでしたが、 ホラー慣れしてる私にはそこまで恐怖はなかったです。 ただ登場人物の一人の高安のボイスメモと思われる 記述がひたすらある12章がリアルに物事が変化していくさ...
《★3つですがホントは3.5ぐらい》 とっても恩田ワールド全開な一冊です。 独特な世界観ですね。 ホラーということでしたが、 ホラー慣れしてる私にはそこまで恐怖はなかったです。 ただ登場人物の一人の高安のボイスメモと思われる 記述がひたすらある12章がリアルに物事が変化していくさまが ドキドキしました。 また数年して再読したら、また違った印象になるかも。
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九州の水郷都市、箭納倉。そこに住んでいる教授である協一郎と、彼に呼ばれた昔の教え子で、ミュージシャンを発掘、プロデュースを行う多聞、そして、協一郎の娘は、ここで起こった失踪事件に興味を持ち調べる。不思議なことに、失踪するのは堀割沿いに住んでいる家で、失踪中の記憶がないまま戻ってく...
九州の水郷都市、箭納倉。そこに住んでいる教授である協一郎と、彼に呼ばれた昔の教え子で、ミュージシャンを発掘、プロデュースを行う多聞、そして、協一郎の娘は、ここで起こった失踪事件に興味を持ち調べる。不思議なことに、失踪するのは堀割沿いに住んでいる家で、失踪中の記憶がないまま戻ってくる。調査する間に、真実に気づいた協一郎たちは、対策を取ろうとするが・・・。 街丸ごとを巻き込んだ事件というか事象が、恩田陸独特の語り口で記述されていき、真相が徐々に明らかになる様に引き込まれて読んでしまう。面白い。
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ミステリーだけど、あまり怖いと感じなかった。 もちろんゾッとする所はあるし設定は怖いんだけど、裏表紙のあらすじからある程度話の予想がついちゃった感じ。 途中まではおもしろいと思ったんだけど、最後の方は先が見えちゃったので星みっつ。
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九州の水郷都市に大学の恩師であり友人の協一郎に呼び寄せられた多聞は、その町で起きた不可思議な老女連続失踪事件の話を聞く。近所の年齢もばらばらの老女たちは夏の夜何の痕跡もなく失踪し、その数週間後いなくなったのと同じくふらりと戻ってくる。そして三人ともその失踪の間の記憶を失っているの...
九州の水郷都市に大学の恩師であり友人の協一郎に呼び寄せられた多聞は、その町で起きた不可思議な老女連続失踪事件の話を聞く。近所の年齢もばらばらの老女たちは夏の夜何の痕跡もなく失踪し、その数週間後いなくなったのと同じくふらりと戻ってくる。そして三人ともその失踪の間の記憶を失っているのだ。はたしてこれは自発的な失踪なのか、人為的な誘拐なのか。それとも… 協一郎の娘藍子、新聞記者の高安も加わり事件は速度を上げて迫ってくる。 終わりまで何とも言えない恐怖が肌にまとわりつく、夏に読みたかった一冊。
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恩田陸のホラーはジメッと怖い。拭っても拭いきれない何かが残る感じが、実に厭だ。それは全てを説明せずに終わる展開から感じるものでもあるのだろう。 相次ぐ失踪事件、しかし失踪者はひょっこり戻って来る、記憶を喪失したまま。自分が自分でなくなるとは、どういう感覚なのだろうと考えさせられる...
恩田陸のホラーはジメッと怖い。拭っても拭いきれない何かが残る感じが、実に厭だ。それは全てを説明せずに終わる展開から感じるものでもあるのだろう。 相次ぐ失踪事件、しかし失踪者はひょっこり戻って来る、記憶を喪失したまま。自分が自分でなくなるとは、どういう感覚なのだろうと考えさせられる。スケールの大きい話のはずなのに、主人公たち周辺でのみ話が展開されるので、こぢんまりとした印象も。ラスト主人公がいうように、ここで終わりになるのだろうという場面を超えて、もう1章あるのだけど、このラストの1章があることによって、余計に怖さを感じた。物語が終わっても、物語の中の人たちは「物語の終わりの後」を生き進まなければならないんだという、物語の奥を見せられてそれが怖かった。
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「この世の中には説明できないこと、説明しなくもいいことがある」 月の裏側に想いを寄せるように。知りたいと思う欲求は、人間の宝物。とんでもないことが起こり、それを知りたいと思うそんな物語。 「オセロ・ゲームってなんだか声がしますよねー」 うんうん。声がするよね。 *****...
「この世の中には説明できないこと、説明しなくもいいことがある」 月の裏側に想いを寄せるように。知りたいと思う欲求は、人間の宝物。とんでもないことが起こり、それを知りたいと思うそんな物語。 「オセロ・ゲームってなんだか声がしますよねー」 うんうん。声がするよね。 ********** 最近はまってます。恩田陸。 柳川が舞台のこの物語。どうしてこのような物語が思いつくのだろう。一生を彼女と同じような境遇・環境で生きたとしても、きっと彼女に追いつくことなどできないのだろう。嫉妬にも近いようなこの想いが、彼女に惹かれる根となっていることは間違いないでしょう。 彼女が触れた文学にも興味を持っています。読んでみよう!
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久しぶりの恩田陸。 相変わらず、題材・引き付け方・起承転…までの面白さ(笑)がうまい。そして相変わらず結が…(笑) 今回は失踪事件を元に人の「意識」について書かれている。姿形はそのままでも、心が変わったらもうその人ではなくなるのか。 少し難しかったが、考えさせられる作品。
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