クロスファイア(上) の商品レビュー
宮部にしては珍しいサイコのお話。サイコは苦手だ、と思いながら読んだらはまるはまる……。さすが彼女の作品だ、と感嘆のため息を漏らしながら一気に読み終えてしまった作品。非常にお勧め。
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短編集『鳩笛草』の中の『燔祭』と言う話の続編。 続編と言ってもこの「クロスファイア」は上下刊の大作です。前編にあたる『燔祭』は読んでいなくても問題無し。 矢田亜希子主演で映画化(駄作)もされた作品。(矢田亜希子という人選はあながち外していないかも) 宮部みゆき作品の中では賛否両...
短編集『鳩笛草』の中の『燔祭』と言う話の続編。 続編と言ってもこの「クロスファイア」は上下刊の大作です。前編にあたる『燔祭』は読んでいなくても問題無し。 矢田亜希子主演で映画化(駄作)もされた作品。(矢田亜希子という人選はあながち外していないかも) 宮部みゆき作品の中では賛否両論の作品ですが、私は非常に好きです。 念力放火能力を持って生まれたヒロイン青木淳子が自分の能力を活かして法で裁かれない悪人を退治する、と書いちゃうとすっごいちゃちい三流SF小説のようですが(笑)そこは宮部みゆき。 派手なテーマでありながらこの小説の根底にある青木淳子の切なさ、やるせなさは現実味のないストーリー展開なんかどうでも良いくらい感情移入してしまいます。 本来、宮部みゆきはスティーブン・キングばりのリアリティのあるディテールの描写で読ませる人ですが、このクロスファイアに限っては現実味はさておき、とことんSF的な派手さでエンターテインメント性を出しながら根底ではいつも通りの深い人間描写と文章力で読者を宮部ワールドに引き込みます。 青木淳子は超能力を持って産まれたことで苦しむわけですが、人間誰もが多かれ少なかれ他人との違いに悩んだり苦悩する部分があると思うんですね。そのあたりの読者の心理を派手なテーマに載せて上手く描いているのではないかと。 そしてもう一つのポイント。単純ですが悪を許さない正義感。読んでいていつしか青木淳子の応援をしている自分に気づきます。
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念力放射能力をもつ主人公が、その力を凶悪な犯罪者に対して使って報復する。正義の味方のように聞こえるけど、その制裁は犯人を焼き殺すことなのですごく残忍。こんなことありえないと思いつつも、あったらこわいな〜ってゾクゾクする作品。最後は主人公の人間っぽい一面を見ることができたのでよかっ...
念力放射能力をもつ主人公が、その力を凶悪な犯罪者に対して使って報復する。正義の味方のように聞こえるけど、その制裁は犯人を焼き殺すことなのですごく残忍。こんなことありえないと思いつつも、あったらこわいな〜ってゾクゾクする作品。最後は主人公の人間っぽい一面を見ることができたのでよかったかな。
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炎を操れるというSFちっくな話なのですが、現代社会に反映していて、浮いた感じはしないです。 青木淳子は念力、放火能力(パイロキネキス)を使える女性。 ある日、4人の若者が廃工場に瀕死の若者を始末する為にやってきた。 淳子は4人の内、3人を能力で炎上させて始末したが、1人を取り逃が...
炎を操れるというSFちっくな話なのですが、現代社会に反映していて、浮いた感じはしないです。 青木淳子は念力、放火能力(パイロキネキス)を使える女性。 ある日、4人の若者が廃工場に瀕死の若者を始末する為にやってきた。 淳子は4人の内、3人を能力で炎上させて始末したが、1人を取り逃がす。 息絶えた若者に、必ず仇は取ってやるからと約束を交わし、なんと彼女まで捕らえたれてるという事実を知る。 淳子は逃げた若者と、彼女の行方を追った。 警察の代わりに、罰を下してる姿はカッコいいとは思ったが、なんだか、歯止めが利かなくなっている気がして、淳子が痛々しくも見えてきた。 若者の犯罪、淳子の能力者としての苦しみ、読んでてせつなくもあったけど、テンポのある作品で読み応えはあります。
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念力放火能力を持つ若き女性、青木淳子のお話し。 生まれながらに持つこの力を持て余し、その力を人の役にたつ事に使うべきと考えて、法律の裁きから逃れている残虐で無軌道に殺人を続ける若者を処刑する事に使っている彼女を描いているわけだけど、最初はやっぱりヒロインには共感できなかったかな。...
念力放火能力を持つ若き女性、青木淳子のお話し。 生まれながらに持つこの力を持て余し、その力を人の役にたつ事に使うべきと考えて、法律の裁きから逃れている残虐で無軌道に殺人を続ける若者を処刑する事に使っている彼女を描いているわけだけど、最初はやっぱりヒロインには共感できなかったかな。 前作の「燔祭」の時もそうだったけど、被害者の肉親の気持ちはわかるし、ちゃんと相当な罪と罰を負わない犯人への憤りの気持ちもわかるけれど、報復とか制裁とか処刑とか、そういう行為を何の関係もない彼女が正義風を吹かせて行う事には、どうにも胸糞悪いって言うか、なんと言うか・・・。 でも今回の作品では、淳子が自分のしている行為について疑問を持ち始めるようになり、最後には昇華してゆくような感じになっていくのを読んで、やっと こちらもスッキリしたような感じ。 そして、つくづく、哀れで可哀想な人生だったんだなって感慨が湧いてきた。 でも、最後に女性としての喜びを感じる事ができたのが何よりでした。 「燔祭」で描ききれなかった人間としての疑問点を、この作品で描ききったのかもしれないかな。 戦闘の部分は前半のみで、後半は話しがちょっと複雑に展開していったけれど、犯罪者にとって優しい法律の問題点を浮き彫りにして、色々な問題を投げかけていると言える。 犯罪の低年齢化と悪質化が進む現在、この問題は益々世論的にも高まっていく事と思われるけど、だからと言って、簡単にはいかないのもまた事実なんだよね。
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宮部さんの本にはまって、そのとき出てるの全部読みました。 その中でいちばん好きなのがこの作品!上下とも、気になって一晩で読みました!
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いわずもがなってカンジの名作なのですな。 コレ読むと、背筋がざわざわするー なんでだー 上下巻ですが、いっきにいけるよん
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放火能力を鞭のようにふるい、拳銃のように放ち、と自らの能力を熟知し戦う姿がかっこいい。悪を憎む孤独なヒーローのよう。
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宮部作品では、若くてカッコイイ男性とか、美人で聡明な女性ぢゃなくて、中年のおじさん、おばさんが主役(とゆーか視点)になる事が多くて、私は好きです。 愛嬌のある中年、だけどどこかで頭が切れるみたいなのは、親近感もありつつ「凄いな〜」って思えたり。 だけど、「超能力」ということを人々...
宮部作品では、若くてカッコイイ男性とか、美人で聡明な女性ぢゃなくて、中年のおじさん、おばさんが主役(とゆーか視点)になる事が多くて、私は好きです。 愛嬌のある中年、だけどどこかで頭が切れるみたいなのは、親近感もありつつ「凄いな〜」って思えたり。 だけど、「超能力」ということを人々がどうやって信用していくか…。読んでる側からすれば、「能力者が犯人だ!」ってわかるけど、超自然的能力とでも言うのでしょうか??それを人に信じさせたり、ましてや自分が信じたりはしないだろうなって思います。 …わかりにくいですが、たしかに「超自然」といわれる現象はあるかもしれませんが、「ヒト」にそういった能力が備わっているとは思えません。 。。。。。ゎかりにくいデスネ。。。
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超能力の話で、あんまり現実味がないんかなぁと思って読んだけど、全然おもしろい。 しかも悲しくて、切ないミステリーやなぁと思った。
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