知的複眼思考法 の商品レビュー
論理的思考には限界が存在する。それは推論を考える際の「切り口」の限界だ。 ロジカルシンキングを行う際には「ロジックツリー」というツールを多用する。ロジックツリーは、目の前にある「問題現象」を要素分解することで根本課題を見抜いたり、あるいは「問題解決」の打ち手の選択肢を広げていく...
論理的思考には限界が存在する。それは推論を考える際の「切り口」の限界だ。 ロジカルシンキングを行う際には「ロジックツリー」というツールを多用する。ロジックツリーは、目の前にある「問題現象」を要素分解することで根本課題を見抜いたり、あるいは「問題解決」の打ち手の選択肢を広げていくときに使われることが多い。 しかし「要素分解」も「選択肢の拡大」も、その「切り口」次第で結論は変わる。そうなると、いかに「筋のよい切り口」を見出せるかが重要なカギとなるが「筋のよい切り口」は論理では導き出せない。 本書は「多面的な視点」を持ち、複眼的に様々な切り口から物事を見る重要性を説いた書籍だ。
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久しぶりによいスキル本を見つけた。批判的に複眼でものを見ることを鍛えることは、まず本の読み方を覚えること。そしてwhyとhowを繰り返しながら、問を突き詰めること。コンサルスキル向上にもつながる良書。数年ごとに読み返す価値あり。 第一章 読書法 批判的読書 ①わからない文章は...
久しぶりによいスキル本を見つけた。批判的に複眼でものを見ることを鍛えることは、まず本の読み方を覚えること。そしてwhyとhowを繰り返しながら、問を突き詰めること。コンサルスキル向上にもつながる良書。数年ごとに読み返す価値あり。 第一章 読書法 批判的読書 ①わからない文章はそのままにしない。 ②目的、種類、想定読者を見定めて、評価する ③反対意見を真っ向否定するのか、部分否定しているのかを見る ④仮説なのか事実に基づく主張なのかを見極める ⑤使われているデータを簡単に信じない。他のページの主張と辻褄が合っているかも考える。 ⑥書かれていない前提が何かを考える ⑦根拠が希薄な主張がないかどうか見る ⑧レトリックによる論への影響はないか 特に重要な教え ①筆者を簡単に信用しない ②狙いは何か ③論理を丹念に追い、根拠を疑う ④隠れた前提を探し、疑う 鍛え方 ①論争を読む。 ②少し読んで先の展開を仮説する。 第二章 作文 文章を書くとき、読むときは1人ディベートをやってみる。自分以外の人を想定し、彼らがどういう反論をするかを文章にしてみる。文章にすることで論理的整合性を点検できる。 第三章 問いの立て方 原因と結果の三原則 ①原因は結果より時間的には前 ②原因も結果もある一定時間から変化している(これは本当か?) ③原因と思われること以外が結果に影響を与えていない →これが本当にないかどうかを確認するのが複眼思考 →要因を因数分解して、比較実験をする →なぜ、に含まれる主語を下位分解することで、要因を分解できる。分解したら『主語はどうなっているのか』『なぜ主語は○○なのか』と、How(実態を問う質問)を間に挟みながらWhyを掘り下げる 概念はサーチライト ある抽象化された言葉(家族、個性、創造性など)は定義を明確にする。個別で考えず、ざっくり考えることで視野を広げる。概念は前提に置かれることが多く、疑ってかかるべき。疑ってかからないと、思考を止めるマジックワードになってしまう。 概念は一般化すること。 ①複数ケースの共通点を探す ②共通点を表す概念を探す ③概念の定義を定める
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読みながら、すごい盛沢山な本だなという印象を持った。単純に物事を考えない。複眼、つまりいろいろな視点から考える方法について、例を交えて論じられているんだけどさ。その例自体についても、それだけで本のテーマになるんじゃないか、というくらい大きなものが据えられている。面白かったし、大き...
読みながら、すごい盛沢山な本だなという印象を持った。単純に物事を考えない。複眼、つまりいろいろな視点から考える方法について、例を交えて論じられているんだけどさ。その例自体についても、それだけで本のテーマになるんじゃないか、というくらい大きなものが据えられている。面白かったし、大きな刺激を受けた。ただ、けっこうややこしくて、難しくもある。複眼的に考える、とはまさに、わかりやすく進むものではなく、じっくり一歩一歩考えながら進むということなのだろう。 本書の最後の方であった。 「ステレオタイプ的な回答に出会ったら、「ああ、そうか」とやり過ごさずに、ちょっと立ち止まって自分のことばで考え直してみる」 やり過ごさないで進むとは、負荷のかかることなのだ。でも、必要な負荷だと思う。 ふと思いついて奥付を見た。 1996年に出た本が2002年に文庫化されて現在までに45刷となっている。こういう負荷のかかる本が埋もれずに売れ続けていることに、ちょっとほっとした。
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とてもいい本。20年以上のロングセラーというのも頷ける。 論理的思考の方法を書いた本は色々あるが、この本は更にその実践についても具体例を豊富に挙げて丁寧に説明している点がとても良かった。 著者は、常識に囚われず多角的に物事を捉える方法論として知的複眼思考法を提案し、それを以下の...
とてもいい本。20年以上のロングセラーというのも頷ける。 論理的思考の方法を書いた本は色々あるが、この本は更にその実践についても具体例を豊富に挙げて丁寧に説明している点がとても良かった。 著者は、常識に囚われず多角的に物事を捉える方法論として知的複眼思考法を提案し、それを以下のようないくつかの段階に分けて解説している。 論理的・批判的な読書の方法→ そこから得た疑問からの「問い」の建て方→ 複雑な「問い」をいくつかの簡単な「問い」へ分割し、考えやすくする方法→ 得られた簡単な「問い」を角度を変えて眺める方法→ そして新たな視点からまた「問い」を建てる方法 それぞれのステップが過去の新聞や評論文などの具体例を用いて易しく説明されている。 特に最後の章では、あらゆる角度から「問い」を見つめ直す複眼思考の方法論が具体的に示されていて特に良かった。 大学生必読の書として大学入学時に買った本だが、この本の思考法・方法論は職種や時代を問わず普遍的に役立つものだと思う。
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論理思考を勉強中に読んだ一冊で、ここ最近で1番のヒット。 本書の貢献は次の2点である。 1. 読書の意義を問い直す機会を与えること 2. 自分の頭で考える基礎を与えること ここ2年読書に多くの時間を費やしてきたが、意義や効果を実感できず随分と悩まされた。それは知識を得るための...
論理思考を勉強中に読んだ一冊で、ここ最近で1番のヒット。 本書の貢献は次の2点である。 1. 読書の意義を問い直す機会を与えること 2. 自分の頭で考える基礎を与えること ここ2年読書に多くの時間を費やしてきたが、意義や効果を実感できず随分と悩まされた。それは知識を得るための読書だったからだ。自分の論理を持たない、受け身の読書では「そーなんだ」止まりであり、知識以上の効果を得られない。本書では、本の著者と同じかそれ以上の視座で読むことを求める。「自分ならこの問いに対してどのような答えを持つか」また「どの点が論理的におかしく、それをどう正すか」のように、同じ問いに対して自分の論理・意見を持つことを勧めている。 本書の大部分で、ありきたりの常識に飲み込まれないための複眼思考を身につける格好のトレーニングの場を提供している。 ーフレーズー ・情報を正確に読み取る力、物事の論理の筋道を追う力、受け取った情報をもとに、自分の論理をきちんと組み立てられる力。これらを基礎に、常識にとらわれることなく、自分の頭で考えていくこと、つまりは知的複眼思考ができる。 ・知識も大切だが、正解がどこかにあるという発想からは複眼思考な生まれない。 ・書き手の言い分を鵜呑みにしない読書のすすめ。批判的な読書を通じて、ものごとに疑問を感じ、ものごとを簡単に納得しないこと、常識に飲み込まれないこと、つまり、自分で考えるという姿勢ができる。 ・活字メディアをとらえ直してみると、読むという行為の意味が変わってくる。ざっと読み流して、簡単に納得してしまうのではない読書。次に何が書かれる可能性があったのかを、探りながら文字を追っていく読書。書き手が行きつ戻りつしたように、自分の理解のペースで情報を獲得していく読書。これは活字メディアならでは。 ・本を読まなくなることで失われるものはなにか?本を通じて得られるもの、本でなければ得られないものを考えてみる。例えば、それは知識や情報、教養、楽しみ、興奮など。このうち、本でなければ得られないものは、、、。知識獲得の過程でじっくり考える機会を持つこと。考える力を養うための時間を与えてくれる。
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不定期にでも再読して、その時のものの味方を省みることが必要だと感じた。複眼思考法として、常識に潜在するステレオタイプな考え方からの脱却や、第4章の関係論、逆説の活用はとても参考になる。20年前の出版物にも関わらず、色褪せていない内容だった。
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あとがきの自問が一番響いた。あとは想像に難くない。教育の現場でありえそうな描写が多かったので思うところが多い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本を鵜呑みにするな!!!!! 本の内容を鵜呑みにするのは、単眼思考の人。複眼思考が出来る人は、本当にそうか?と疑いの目も向けてみる。 複眼思考のコツとしては、誰々の視点からと、また別の誰々の視点からというように視点を変えてみること。これにより誰が利益を得ているか、などを考えるのも一つのテクニック。 確かに評価が高いからとか、権威ある人の本だからといって鵜呑みにするのは間違っているが、それは読者のレベルにもよると思う。知識ゼロの状態で疑ってかかるのは、効率が悪すぎる。最初は基本的な知識はサクッとパクったほうが早い。 ある程度のレベルに達したら、疑ってかかる読書法はいいだろう。
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【由来】 ・読書猿と札幌の紀ノ国屋書店で、かつての「思考の整理学」みたいな扱いで山積みだったので。 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ ...
【由来】 ・読書猿と札幌の紀ノ国屋書店で、かつての「思考の整理学」みたいな扱いで山積みだったので。 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・今まで知らなかったんだけど、なかなかの名著。外山滋比古さんの「思考の整理学」と並ぶほど?知り合いの大学の先生達にも、僭越ながら絶賛おススメ中です。
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大学の先生の授業を聞いている気持ちになった。本当の理解をするにはあと何回か読まなければ分からないと思う。それでも刺激と示唆に満ちた本で大変面白かった。またいつか挑戦したい。、
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