知的複眼思考法 の商品レビュー
大学時代にあれば読みたかった。考える力のなさを知識量のなさに短絡してしまう。正解がどこかに書かれていると思い検索を今でもやってしまう。
Posted by
議論の際、今まで何となく進めていたことを少し反省したので、途中まで読んで積んでいた本書を一気に読み切った。 そのため、第3章の「問いの立て方と展開の仕方」は問いを深めるための具体的な方法を提示してくれていたので参考になった。
Posted by
今年読んだ本の中で一番のヒットですね。これまで読んできた何冊かの本の内容を集約してる感じ。これは日本のベストティーチャーと言われるだけあるなという印象です。 この本、大学時代に読みたかったな。。と言っても、学生時代では「他人の視点に立とうとすること」の機会が少なくて、複眼思考を...
今年読んだ本の中で一番のヒットですね。これまで読んできた何冊かの本の内容を集約してる感じ。これは日本のベストティーチャーと言われるだけあるなという印象です。 この本、大学時代に読みたかったな。。と言っても、学生時代では「他人の視点に立とうとすること」の機会が少なくて、複眼思考を「ほーそうなんだ」というふうにしか捉えられなかったかもしれません。 (例えば「ひとりディベートをする。いくつかの立場からの反駁を考える」という思考の方法論。上司の立場とか、外部の方の立場に立って考えることはありますもんね。 あと、「最初の問いを(例えば主語を構成要素で分割することで)複数のグループに分ける」ことも、話を深めていくために非常に大事な作業。そこから、相互作用の抽出を経て、全体の文脈への位置付けに至る。) そういう意味では、もしかしたらいい時期に読んだのかも。いい本との出会いに感謝。 余談だけど、サーチライトとか社会学的用語が出てくるのも嬉しい。 合ってるかわかんないけど早速実践してみた→「○○がめんどくさい」という人に対して、「それがめんどくさいの?」って思ったけどそれが思考停止だと気付いた。「そういう風に思ってる人もいるのね。じゃあ、こういう対策が考えられるかな」って思うようにしました。 まだ心がけだけ。笑
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私たちはついマスメディアの扇動にまんまと乗せられてしまったり、流行のキーワードがあると何となく納得してしまったりするなど「思考停止」に知らず知らずのうちに陥ってしまっていることが多い。この本はそのような状況に対して、「自分の頭で考える」力をつけるためのヒントを与えてくれる。「偏差値教育」や「いじめ」などのわかりやすい事例で説明されていて、読みやすい本である。職場もますますグローバル化していく世の中だが、このような自分の頭を鍛える訓練がますます必要ではなかろうか。 筆者の紹介する「複眼思考」において特に印象に残ったのは以下の2点である。 ・因果関係を考える際の複眼思考として、想定した原因が実際は影響していないケースを見破る方法(他の条件が同一の事例を探し出して検証するなど) ・「偏差値」のようなキーワードがでてきたときに、それ自体を実体として問題の元凶として扱ってしまいがち。思考停止してしまわずに関係論的なものの見方を意識づける方法としては「○○化」として問題をとらえ、そのプロセスを考え、関係を考えるようにすること
Posted by
「哲学思考トレーニング」と同様に,クリティカルシンキングについての丁寧な説明および具体的な例が多く挙げられており,有用な一冊であったといえる(定価で買ったし,何としても有用なところを見つけたいという心理が働いている)。また,著者(教育社会学者)が大学で実際に行っていた学生指導は私...
「哲学思考トレーニング」と同様に,クリティカルシンキングについての丁寧な説明および具体的な例が多く挙げられており,有用な一冊であったといえる(定価で買ったし,何としても有用なところを見つけたいという心理が働いている)。また,著者(教育社会学者)が大学で実際に行っていた学生指導は私にも応用できるところがあると思った。また,大学1年生がレポート作成をするときや卒業研究の先行研究をサーベイする際に応用してほしい。
Posted by
1.読書は著者との対話。受動的にではなく対等な立場で突っ込みをいれながら読む。批判的読書のポイント。 ・著者を信用しない ・著者の狙いをつかむ ・論理を丹念に追う、根拠を疑う ・前提を疑う 2.考えるために書く ひとりディベート。仮想の立場を複数設定し、反論、批判をそれぞれ書いて...
1.読書は著者との対話。受動的にではなく対等な立場で突っ込みをいれながら読む。批判的読書のポイント。 ・著者を信用しない ・著者の狙いをつかむ ・論理を丹念に追う、根拠を疑う ・前提を疑う 2.考えるために書く ひとりディベート。仮想の立場を複数設定し、反論、批判をそれぞれ書いてみる。文章にすることで論理力を鍛える。頭の中だけではだめ。書くことにより検証ができる。 3. 問いをたてる ・なぜ、という問いが考えを誘発する。問いのブレークダウン。なぜ、と、どうなっているのかでより深く。 ・概念化。個別ケースから上位への抽象化。具体化と一般化 概念化により新しい問題が見えてくる。 概念レベルの原因と結果の関係を他のケースに当てはめてみる。 4. 複眼思考 複眼的にものごとをとらえることは、”問いの展開の仕方に工夫を凝らすこと”。問いをずらす。”イッシューは何か” ・物事を多面的にとらえる為の”関係論的なものの見方” ・意外性を見つける為の”逆説の発見” ・物事の前提を疑う為の”メタを問うもののみかた”
Posted by
ここ最近で入手に一番苦労した本です。 心底手にとれてよかったと思います。 世間一般でなんとなく共有されている「常識」という固定概念。 常識という耳あたりの良い言葉にぶつかったとき、なんとなくわかった気になるのではなく、一歩踏み込んで自分自身で考える力を身につけるために何が必要な...
ここ最近で入手に一番苦労した本です。 心底手にとれてよかったと思います。 世間一般でなんとなく共有されている「常識」という固定概念。 常識という耳あたりの良い言葉にぶつかったとき、なんとなくわかった気になるのではなく、一歩踏み込んで自分自身で考える力を身につけるために何が必要なのか。 一面的な物事の見方から脱却し、多角的に視点をずらす捉え方――――知的複眼思考法のすすめを丁寧に解説した書籍です。 大学生向けに執筆した本だということですが、幅広い世代の方が読んで目からうろこの一冊だと思います。 特に、読書を用いた思考法のトレーニングを紹介した第1章は、今後読書をするうえで意識していきたいなぁと胸に落ちることが書かれていました。 他の本に手を出すとき、常に横に置いておいてパラパラページをめくれるポケットサイズがありがたいです。
Posted by
「本当のところは、知識がまったくないというより、知識をうまく使いこなせていないのですが。」 知的に物事を考えるには何を意識すればよいかについて書かれた本。 本にはたくさんの知識が詰まっており、たくさんの本を読めば答えが得られるという信仰が生まれてきている。しかし、本を読む本質...
「本当のところは、知識がまったくないというより、知識をうまく使いこなせていないのですが。」 知的に物事を考えるには何を意識すればよいかについて書かれた本。 本にはたくさんの知識が詰まっており、たくさんの本を読めば答えが得られるという信仰が生まれてきている。しかし、本を読む本質は自分で考える資源を集めることである。 書かれた文書は様々なものが削られたものだ。その文章に至るまでには、多くの悩みや選択肢があったに違いない。文章に使われている言葉を考える事で、作者の意図がわかる。 偏差値の存在が教育問題を生んでいるから偏差値をなくそう、という考え方は、お金の存在が格差を生んでいるからお金をなくそう、というように不合理である。それに気づく事ができるかできないかが大きい。別の例に変えるとわかりやすい。
Posted by
どうも最近は「疑うこと」をあたかも精神的に問題ある人格とみなしている傾向があるように思えてしかたがない。確かに、誰彼構わず疑いの眼を向けるような人は「感じのいい人」かといわれればそうではないだろう。しかし今のご時世、信頼が裏切られる要素が満載で、それが原因で被害を被ってもこれま...
どうも最近は「疑うこと」をあたかも精神的に問題ある人格とみなしている傾向があるように思えてしかたがない。確かに、誰彼構わず疑いの眼を向けるような人は「感じのいい人」かといわれればそうではないだろう。しかし今のご時世、信頼が裏切られる要素が満載で、それが原因で被害を被ってもこれまた誰が責任をとってくれるという信頼もほとんどない。そういった状況を考えると「疑いの眼を持ちつつも相手にそれを悟られない」といったスキルがとても重要なものと言えるのではないか。本書はそこまで「嫌な奴」になるためのバイブルではないが、あらゆる問題に対して思考停止に陥らないためのノウハウを豊富な事例を用いつつ、あたかも講義を聴講しているような雰囲気で論じている。考え方としては現象学に近いが、そこまで抽象的ではないのでとても理解しやすい。具体的な「問いの立て方」や「文章術」とも絡めているので実践もしやすいのが特徴。こうした思考技術が一般化すると、一部の人間にすべて任せるといった安易な考え方が少しでも減るのではないかと思うのだが、皮肉なことにそうした安易な考えを持っている人達はそもそも本書のような思想と接触する機会が少ないという逆説がある。
Posted by
手取り足取り 切れ味が鋭すぎる 苅谷剛彦"知的複眼思考法"を読む。 教育社会学者の著者が、考える方法・技術について語ったもの。 問いの立て方、ひとりディベートなどなど、実践的なガイドがならびます。 元々は大学の新入生向けに書かれたものですが、考える筋...
手取り足取り 切れ味が鋭すぎる 苅谷剛彦"知的複眼思考法"を読む。 教育社会学者の著者が、考える方法・技術について語ったもの。 問いの立て方、ひとりディベートなどなど、実践的なガイドがならびます。 元々は大学の新入生向けに書かれたものですが、考える筋道、ロジックを具体的に解説しているので大人にも有用です。"イシューからはじめよ"などのコンサル本を読む前に研究しておくとより良いように思います。 ○「自分で考えろ」というのはやさしい。「自分で考える力を身につけよう」というだけなら、誰にでも言える。そういって考える力がつくと思っている人々は、どれだけ考える力を持っているのか。考えるとはどういうことかを知っているのか。 ○そこで、このようなスタイルの批判を見つけると、私は学生たちにこういいます。 「論理の飛躍があるというのだったら、どうすれば飛躍を埋めることができるのか。その代案を考えなければ十分な批判とはいえないよ」 「心情的に疑問が残るというなら、どのような疑問なのか。またそれが分析者の示した結果と合致しないのはなぜか」 「あいまいだというのなら、どうすれば議論を厳密にできるのか。あいまいさを取り除くための代案は何だろう」
Posted by