懲戒の部屋 の商品レビュー
満員電車、飲み屋の現実的な世界から、じわじわと迫りくる恐怖と狂気。そしてアリ地獄のようにずるずる落ちていく不条理の世界。読み進める手が震え、目を瞑ってページをめくってしまう。 大槻ケンヂの解説で、少年時代に星新一から筒井康隆へ移行した件に同感。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
筒井康隆のホラーな作品ばかり集めた短編集。面白い。 相撲取り追っかけられたり、痴漢の冤罪(というかかなり露骨なフェミニズムに対する批判だとおもわれ。。。)だったり、前半は「理不尽な恐怖」が主題になった作品が集まる。中盤で顔面ぐちゃぐちゃ系のグロ作品を挟みつつ、小学生時代のかくれんぼの延長戦が爺さんになるまで続いちゃった物語や、風が叩く戸の音を聞きながら、夫婦で行方知れずの息子を思う作品などなど、後半は何とも言えない気分になる作品群が集まる。 いやーこれは面白かった。
Posted by
力士とバーで偶然目が合ってしまったがために、どこまでもその力士に追いかけられて死が迫る謎の恐怖小説や、切符のいざこざから、鍋の中に煮詰めていた毒々しいスープを駅員たちに飲まされる小説など、実際にはありえないが、想像すると悪寒を感じずにはいられないホラー小説集。巻末解説で大槻ケンヂ...
力士とバーで偶然目が合ってしまったがために、どこまでもその力士に追いかけられて死が迫る謎の恐怖小説や、切符のいざこざから、鍋の中に煮詰めていた毒々しいスープを駅員たちに飲まされる小説など、実際にはありえないが、想像すると悪寒を感じずにはいられないホラー小説集。巻末解説で大槻ケンヂが言っているように、筒井康隆入門には最適だ。僕自身も初めて読んだ筒井小説だった。今では半ばツツイストとなり、氏の書く小説の良き中毒者となっている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読了:2011.08.22 おそらく初めての筒井作品 最初の一冊としての印象はGOOD 筒井康隆らしさがこれなのか まだまだ読んだ数が少ないのでわからないが、こういうのもありだなと。 全10話からなる。ホラーやSFで描いているが、そこに描かれる人間の隠れた心理、裏の顔などはシュールレアリスムを具象化しているといえる 第一話「走る取的」で追い詰められる二人の心理などどうしてこれほどまでに人間の恐怖を表現できるのか不思議でならない 取的が作中一言もしゃべらず、ただただ無言の圧力を、徐々に徐々に2人に死を予感させるあの世界観にはまってしまった。 他にも素晴らしい話が多数。 是非とも他の筒井康隆作品も読んでみたい
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とにかく読んでて嫌な気分になる。不条理過ぎて怖いw 私的には「走る取的」「顔面崩壊」「近づいてくる時計」「かくれんぼをした夜」 「都市盗掘団」が好き。
Posted by
・11/1 早速恐怖の世界に足を踏み入れることにした.筒井の自選ホラー傑作集1だ. ・11/6 もう読み終わってしまった.なんかこれ読んでから、ちょっと臆病になったような気分.多分暴力ものが多いせいだろう.早速自選ホラー傑作集2も買ってしまった
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表題作『懲戒の部屋』において、電車内で少しずつ男が追い詰められていくシーンが印象的。痴漢の冤罪は男性にとって考えたくもない恐怖だなあ。 しかし表題作以外はあまり怖いとは感じ無かった。 『顔面崩壊』にはいい感じに精神を削られたけどあれはむしろグロではないだろうか。
Posted by
H×Hの冨樫さんがお勧めと言っていた「走る取的」が収録されていたので買ってみた。面白くは…なかった。
Posted by
とにかく濃い! 一番凄絶な「乗り越し駅の刑罰」は、たしか綾辻さんが挙げてたっけな。たしかに怖い。こんな目にあったら気が狂うと思う。そして私が以前から読みたかった「走る取的」。「わけもなく相撲取りに追いかけられる話」っていうので、映画「地獄の警備員」を思い出したけれど、それよりもさ...
とにかく濃い! 一番凄絶な「乗り越し駅の刑罰」は、たしか綾辻さんが挙げてたっけな。たしかに怖い。こんな目にあったら気が狂うと思う。そして私が以前から読みたかった「走る取的」。「わけもなく相撲取りに追いかけられる話」っていうので、映画「地獄の警備員」を思い出したけれど、それよりもさらに理不尽で怖い。 だけど一番「怖い」のは、「近づいてくる時計」。これは最後の一行で血の気がひいた。さらっとしているけれど、とんでもなく怖い。
Posted by
あまりに理不尽な(他の短編もそうですが)『走る取的』が好きです 相撲取りって人外っぽい怖さがあるよなあ
Posted by