聖の青春 の商品レビュー
不覚にも夏風邪を引いて2日間も会社を休んでしまった。 大学生くらいに読んで再読しようと本棚にあった本書を読むことに。病床の中でうんうん、病気は辛いよなと思ったり、聖とは全然違うだろと突っ込んだり。 ノンフィクション小説。病気ながらも、将棋の魅力に取りつかれ、名人を目指す主人公聖。...
不覚にも夏風邪を引いて2日間も会社を休んでしまった。 大学生くらいに読んで再読しようと本棚にあった本書を読むことに。病床の中でうんうん、病気は辛いよなと思ったり、聖とは全然違うだろと突っ込んだり。 ノンフィクション小説。病気ながらも、将棋の魅力に取りつかれ、名人を目指す主人公聖。将棋に関心がない人でも知っている羽生名人や加藤一二三氏と戦い、羽生名人とも互角の戦いをする。入退院を繰り返し病気と戦いながらも将棋会で勝ち進むスガタガ心を打つ。師弟愛、若さゆえの葛藤、切磋琢磨だけでなく聖の人柄に引かれるライバルたちとの人間模様が読みどころ。
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この夏一番の出来事は、この小説との出会い。 こんなにもノンフィクション小説に心が揺さぶられるとは。 限られた命であることは長短あれど誰もが同じである。1番のポイントは、人生に目標があるかないかで、ここまで人生の濃さは変わるということ。カッコいい。 そして、もうひとつ。貪欲...
この夏一番の出来事は、この小説との出会い。 こんなにもノンフィクション小説に心が揺さぶられるとは。 限られた命であることは長短あれど誰もが同じである。1番のポイントは、人生に目標があるかないかで、ここまで人生の濃さは変わるということ。カッコいい。 そして、もうひとつ。貪欲さ。 限られた体力と人生の時間を自覚しているからこそ、なにごとにも貪欲である。遊びも趣味も。 その姿勢はすぐにでも学ばなければいけない。 そして、魅力的な人間、村山聖さん。 ユーモラスでいることがいかに周りを幸せにするか。 好かれる、愛される。とても眩しい。 フォスター制度で支援していたことにも、感銘を受けた。 イメージが壊れては嫌だから映画はすぐには見たくないと思った。 でも、冷静に考えれば、映像で見ることでまた違う角度で村山聖さんの人生を追体験できるかもしれないので、やはり見たい気もする。
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過去にも読んだが、文庫をもらったので再読。傷ましく不器用にも突き進む純粋さに胸をつかれる。本人のことはもとより、彼を受け止める周りの人々もまた素晴らしい。
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決して文書は巧いとは思わないが、伝わるものはあった。死を傍らに感じるが故、生が強烈に浮き彫りになって、ここまで激しく濃密な将棋人生を歩めたんでしょうが、神様のされることは時に残酷です。
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小説で泣いたことは何度もあるけど、この小説は命の儚さとか、その中でもがくことへの賞賛の気持ちではなく、村山の将棋に対する情熱、泥臭さ全てに心を動かされた。切なさではなく、熱い気持ちに尊さと憧れを感じて泣いた。 良い意味で少年漫画のような印象を受けた。
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この本を読んで、自分は何のために生きているのかを考えさせられた。昨日までいたはずの同室の子供が翌朝には「いなく」なっている。それに対して何もできない大人たちの存在。それを目の当たりにしてきた聖は常に生死の境目を生きてきたのだろう。伸びる爪や髪の毛にも意味があるから切るのはかわいそ...
この本を読んで、自分は何のために生きているのかを考えさせられた。昨日までいたはずの同室の子供が翌朝には「いなく」なっている。それに対して何もできない大人たちの存在。それを目の当たりにしてきた聖は常に生死の境目を生きてきたのだろう。伸びる爪や髪の毛にも意味があるから切るのはかわいそうだと言って無精をするが、生きようとするものすべてに愛おしさを感じざるを得ない聖の気持ちこそが愛おしい。将棋も勝つか負けるかという点では生死と同じく残酷であると知っているからこそ、絶対に勝ちたい、勝たなければ意味がないと言い切る。でも自分が勝つことで負ける者、切り捨てられる者がいることに矛盾も感じる。自分は溺れて死にそうな子供がいたら泳げなくても助けるんだと母親に断言するが、自分自身が将棋では他人を切り捨てている。その自己矛盾を少しでも埋めようという思いからか、フォスターペアレントとしての寄付を欠かさない。これほど生きることに誠実に向き合って自分の命を全うした村山聖という人を私たちは忘れてはいけない。読後に、松山ケンイチがこの人をどの様に演じたのかをみてみようと思って映画を観てみた。役者魂を感じさせる素晴らしい演技だったが、2時間で村山聖という人の人生を語ることはやはり無理だと思った。羽生善治さんとの関係に繋がる描き方であったけれど、本を読んだ限りでは、谷川名人を倒したい一念で森師匠との苦節の日々を駆け上がっていった姿の方が印象に残っている。 いずれにしても将棋のわからない私には見えない世界を、想像すらできない深い世界を村山さんは生きたのだと思う。
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重い腎臓病を抱えながら、将棋の世界で名人にあと一歩まで登りつめた村山聖についてのノンフィクション。29歳で逝去するまでの、天才棋士の物語。 常に体調の不安を抱え、限られた命と知るからこそ、将棋に真剣に取り組む姿は恐ろしいほどに純粋だった。谷川名人に勝つことを目標に、羽生名人とは...
重い腎臓病を抱えながら、将棋の世界で名人にあと一歩まで登りつめた村山聖についてのノンフィクション。29歳で逝去するまでの、天才棋士の物語。 常に体調の不安を抱え、限られた命と知るからこそ、将棋に真剣に取り組む姿は恐ろしいほどに純粋だった。谷川名人に勝つことを目標に、羽生名人とは同世代だった村山棋士。一日一日を大切に、真剣に生きるということを、考えさせられた。
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東の天才7冠羽生善治に、西の怪童村山聖/ 写真など見ていてもかわいらしく良い笑顔で写っている/ 愛嬌もあり将棋も強い/ 二十歳まで生きられたことを人に言いたくなるほど喜び、三十歳目前に逝去/ ただただ泣ける/ 一生懸命生きなきゃならんのですよ、と/ ベッドの上でつぶやいたアニメの...
東の天才7冠羽生善治に、西の怪童村山聖/ 写真など見ていてもかわいらしく良い笑顔で写っている/ 愛嬌もあり将棋も強い/ 二十歳まで生きられたことを人に言いたくなるほど喜び、三十歳目前に逝去/ ただただ泣ける/ 一生懸命生きなきゃならんのですよ、と/ ベッドの上でつぶやいたアニメのセリフとはなんだったのだろうか/ 最後に諳んじた符号とはなんだったのだろうか/ 本当に小池重明に勝ったのだろうか/
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これほど、心に刺さるキャラクターってのも、めったにない。何の涙かわからないけど涙があふれて止まらなかった。
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将棋読書シリーズ、超有名本。病気との付き合いかたに関してはもっとやりようがあった気がしなくもないけれど、でもやっぱり村山聖にはこの生き方しか出来なかったんだろうなぁ。何かを成す人は根本的に継続して努力家勉強家なんだと改めて思う。
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