聖の青春 の商品レビュー
以前テレビで訃報を聞いた。その時は、若いのになぁ、くらいに思ってました。 こんな壮絶な人生だったなんて…。彼の人の人生に感動しました。読み終わって泣けました。
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羽生善治という稀代のスーパースターの存在に加えて将棋にのめりこむきっかけとなった一冊。重い腎臓病:ネフローゼを抱えながら、命がけで将棋を指し人生を全うした村山聖(さとし)。享年29歳、将棋界の最高峰A級在籍のままの逝去だった。名人に憧れ、天才羽生善治に互角の勝負をした“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。第13回新潮学芸賞受賞作(講談社文庫)
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映画を見たので読んでみる。映画を見たときは、一人暮らしさせちゃだめじゃんと思ったけど、そんな単純な話ではなかった。摂生して長生きしてほしかったけど、生ききったなあ。
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これは...小説に軍配が上がるのは仕方がないです。 (当方昨日、映画版を視聴したばかり) 読んでみてわかりましたが小説は「本人を含む家族の手記を基にしたノンフィクション」で映画は「小説を基に再構成したフィクション(?)」という感じでしょうか。 色々と内容が組替え直されているの...
これは...小説に軍配が上がるのは仕方がないです。 (当方昨日、映画版を視聴したばかり) 読んでみてわかりましたが小説は「本人を含む家族の手記を基にしたノンフィクション」で映画は「小説を基に再構成したフィクション(?)」という感じでしょうか。 色々と内容が組替え直されているので小説のファンの方が映画を好ましく思えないというのも納得です。 (まぁ確かに映画は色々と説明不足でしたね) ただ2時間に収めるには....仕方がないかなぁ.... 何にしても涙なしには読めない素晴らしい小説でした。 (将棋に詳しい方なら尚、楽しめることでしょう)
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映画を見た後なのでどうかと思っていましたがまさに杞憂。 周りの人は何回かは腹を立てることもあったと思うんだけれども、正直さ・素直さが頑固なまでにぶれないから、結局皆受け入れることが出来たんだろう。 死を見つめつつ、いやだからこそ真剣に将棋に打ち込み、遊んだ主人公、その周りを取り巻...
映画を見た後なのでどうかと思っていましたがまさに杞憂。 周りの人は何回かは腹を立てることもあったと思うんだけれども、正直さ・素直さが頑固なまでにぶれないから、結局皆受け入れることが出来たんだろう。 死を見つめつつ、いやだからこそ真剣に将棋に打ち込み、遊んだ主人公、その周りを取り巻く人々(特にお父さんと森さんが良い。いややっぱお母さんが一番凄いのかな。)全てが愛に満ちていて、陳腐な言葉ですが感動です。 いやいや必読の書です、これは、本当に。
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私は、将棋の駒の動かし方がやっとわかる程度なのだが、村上聖さんの死の報道の記憶がほんの少し残っている。 多くの人があまりに早い彼の死を惜しんでいた記憶がある。 この本を読んで、大きな美しい彗星がまばゆい光を残して飛び去って行くのを地面に立って眺めていたような感じがした。 う...
私は、将棋の駒の動かし方がやっとわかる程度なのだが、村上聖さんの死の報道の記憶がほんの少し残っている。 多くの人があまりに早い彼の死を惜しんでいた記憶がある。 この本を読んで、大きな美しい彗星がまばゆい光を残して飛び去って行くのを地面に立って眺めていたような感じがした。 うらぶれた食堂で、羽生とふたり、焼き魚をつつくところ 雪を見て、何もかも真っ白に消し去ってしまうのがすごいと感じるところ 髪の毛やつめや、部屋のダニにまで、命を思うところ 少女漫画や推理小説を愛し、古本屋めぐりを楽しむところ 安アパートで、本に埋もれ、穴蔵のように暮らすところ すべてが鮮やかでした。
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圧倒的な現実の前になにも言うことはない、という感じ。彼が健康だったなら、と思わずにはいられないけれど、健康だったなら将棋とは出会わなかったかもしれないし、これほど打ちこむこともなかっただろう。将棋ファンですらない一読者が言っても仕方ないけれど、アルコールを控えて、外食ばかりしない...
圧倒的な現実の前になにも言うことはない、という感じ。彼が健康だったなら、と思わずにはいられないけれど、健康だったなら将棋とは出会わなかったかもしれないし、これほど打ちこむこともなかっただろう。将棋ファンですらない一読者が言っても仕方ないけれど、アルコールを控えて、外食ばかりしないで、彼を愛した人たちと彼の将棋のためにもっと生きて欲しかった。
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大崎善生のデビュー作、第13回新潮学芸賞、第12回将棋ペンクラブ大賞受賞、2001年1月6日/新春スペシャルドラマとしてTBS系列で全国放送、2016年11月19日/映画公開(wki調べ) 昭和57年/中学生名人戦に参加するが聖はベスト8で敗退する。自信を失いかけた聖が新幹線の時間までの間、西日暮里将棋センターで強者相手に全勝するのだが、その中に真剣師小池重明がいた。その彼を負かし「僕、強いなあ」「がんばれよ」と励まされ聖はご機嫌に広島の帰路につくのだった。 真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫) 団鬼六著 2014年8月22日 レビュー プロ棋士になるには厳しいルールがある。プロ棋士になれなかった真剣師の小池重明は、将棋ではアマはもちろん、プロにも負け知らずの生活破綻者なのである。将棋は確かに強いのだが、飲む打つ買うのデタラメな生活を続ける。結局、そんな生活にも終止符が打たれることになる。生涯、大好きな将棋との縁が切れない、彼の将棋を愛しつづける姿に感動を覚えた。
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この本は29歳でこの世を去った棋士、村山聖(むらやまさとし)さんの将棋に懸ける人生が綴られたノンフィクション小説です。 ネフローゼという重い腎臓の病の為に、幼い頃に多くの時間をベットで過ごさなければいけませんでした。その時に父親がトランプや花札などの遊べるものを持ってきたのですが、その中で将棋に興味を持ちどんどんのめり込んでいきます。 そして、自分は将棋の世界に入って名人になるんだという意気込むのですが、親は身体の弱い息子が将棋という厳しい勝負の世界でやっていけないと反対します。しかし、そんな親の反対をきいても棋士になりたいと言って頑として譲りません。そこで親は最終手段として親戚一同(学校の校長など教育関係の方々)を集めて親族会議を開いて、棋士になるのをあきらめるように説得しました。しかし、それでも村山さんは将棋をやらせてくださいと頭を下げ、逆に 親族一同を説得してしまいます。世界に入って名人になるという決意の強さが伝わってとてもカッコいいと思いました。 また、村山さんの病気はかなり重く、死と隣り合わせな生活をしているため、生きているものを慈しみ大切にしています。しかし、自分が将棋で勝ち上がって行くということは誰かを蹴落とすということで、自分のやっていることは誰かを殺しているのではないかと疑問を抱く場面がでてきます。それは、私が昔抱えていた痛みに似ているところがあってすごく共感できました。 それと、この小説を読んで大好きになった人物がいます。それは村山さんの師匠である、森信雄さんです。村山さんの師匠なんですが、弟子に対してあれをしろ、これをしろということはなく、むしろ病気で伏せがちな村山さんのために西へ東へ奔走するような、そんなおっちゃんです。本当はもっといろいろあるのですがうまく書き表せません。 実はこの小説は映画化されていて、友人が試写会のチケットがあたったということで一緒に観に行きました。その時に、開演前に壇上に上がってお話をされたのがこの森信雄さんでした。それだけで嬉しかったのですが、実際の声をきいて「村山くん」と関西訛りでしゃべられているのをきいたときに思わず泣いていました。そんな感じで呼んでたんだなぁって・・・とにかくそれくらい好きになりました。 私は将棋の知識は駒の動かし方くらいで、戦術なんかは全然わかりませんし、知っている人も羽生善治さんくらいで将棋を全然知りませんが楽しく読むことが出来ました。漫画「3月のライオン」には村山さんがモデルとなったキャラクターが登場しています。それくらい魅力のある人物です。この本で村山聖の人生に、生き様にふれてみませんか。
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あまりに壮絶。これがフィクションなら、ちょっとやり過ぎでしょ、とツッコミを入れたくなるくらい、残酷な運命。それでも最後まで読み切れたのは、聖を取り巻く人々の、決して哀れみではない愛情と、そしてそれを引き出す聖の力強い生き方に背中を押されたからか。名人村山を見てみたかった。
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