溺レる の商品レビュー
短編集。 へたれな男性と、馬鹿な女性がよく出てくる。 人生に対して感じる遣る瀬無さ、恐ろしさ、そして取り返しのつかなさ。
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☆溺レる 大人の現実逃避だ。 川上さんの書く女性は巻き込まれ体質。 結局、一人で逃げることも立ち向かうことも できなかった男についててあげただけじゃないかな。 逃避行を演じ続けてる二人。 ☆亀が鳴く うわあ、こわい女の人。 こういう人は一人でいた方がいい。 ☆七面鳥が 特別悲しいわけじゃない。 限りなく+に近い-。 もしくはその逆。 男の人、やんわりずるいなあ。 ☆無明 お気に入りのお話。 許されない恋に落ちた二人は、不死身になりました。 これからもずっと二人で生きていくらしい。 これはやっぱり罰なのでしょうか。 そんなに好きなら、永遠に一緒にいろっていう。 他の人とはいられなくなるもんね。 他の人は死んでしまうから。 そしたらやっぱり、二人でいるしかない。 もう500年もそうしているのならば、 後悔とか絶望とか、そういった、心にぎゅうぎゅう ぐさぐさくる類の感情は、とっくの前に過ぎ去って いってしまっただろうか。 今はもう、嵐のあとの静けさのような思いだろうか。 ただただ、時間が流れていくだけ。 明けることは、無い。
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いわゆる一般社会と分離して、 自分たちだけの世界に埋もれることができること。 平静に、平凡に、平常どおり過ごす私は、 一度だけでもいいから、 アイヨクに溺れてみたい、と思ってしまう。
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恋愛短編集。ニシノユキヒコではないけれども、歪んでいるけどかっこいい、どこか素敵だなと思わせるような関係性が多かった印象。無駄というか、それ書かなくてもよくない?というような箇所がすごく色々なところに見受けられるのに、それがこのひとの文章の魅力的な部分なのが痛いところ。 軽く、フ...
恋愛短編集。ニシノユキヒコではないけれども、歪んでいるけどかっこいい、どこか素敵だなと思わせるような関係性が多かった印象。無駄というか、それ書かなくてもよくない?というような箇所がすごく色々なところに見受けられるのに、それがこのひとの文章の魅力的な部分なのが痛いところ。 軽く、フラりと開いてはその世界観に溺れるためにはまさにぴったりの本だとおもいます。
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何かから逃げている、もしくは何かから逃げてしまった男女ばかりが描かれていて、現実と非現実の境界線をゆらゆらと行き来してます。 ギリギリ狂気じゃなくて人間らしいとか、ギリギリ有り得なくもない気がするとか、そんな感じ。
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なんで。なんで、なんで・・・と一話一話の主人公に問いかけ続けてしまう。 私には理解できないまさに溺レる恋の数々。 美しい言葉で綴られた非現実的な物語です。
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こういう官能表現の強い恋愛小説は自分には上手く理解できないなぁ…。残念だ。ふわふわした言葉の感じは慣れると結構クセになるかも。
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やはり恋についての短編集 だが内容は重く死に繋がるような恋の話 わたしが好きなのは *溺レル *百年 *無名 がとくに好きです 好きになりすぎて溺れてしまうこと アイヨクにオボレル 恋愛体質な自分には苦しくなるような話が多かったです ざらざらと違って感...
やはり恋についての短編集 だが内容は重く死に繋がるような恋の話 わたしが好きなのは *溺レル *百年 *無名 がとくに好きです 好きになりすぎて溺れてしまうこと アイヨクにオボレル 恋愛体質な自分には苦しくなるような話が多かったです ざらざらと違って感情移入しやすかったのかすぐに読み切れました
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一番最後の短編、500年以上も生き永らえている二人の話が一番好き。 川上弘美の創り出す世界はどこか生と死の境界があいまいなものが多い。ついでにいうと人間かそうでないかということまで曖昧模糊としている登場人物も多い。 そして舞台も日本であるのかそうでないのかあいまいで日本らしい場...
一番最後の短編、500年以上も生き永らえている二人の話が一番好き。 川上弘美の創り出す世界はどこか生と死の境界があいまいなものが多い。ついでにいうと人間かそうでないかということまで曖昧模糊としている登場人物も多い。 そして舞台も日本であるのかそうでないのかあいまいで日本らしい場所のような気はするが、はっきり日本の地名が出て来るものもありそれでもここがどこかというのがはっきりしない印象がある。 さまざまなものの境界が曖昧なので自己と他者の境界もあいまいかというとそうではない。主人公は他者との境界さえも曖昧にしたいとどこか望んでいるようである。自分が掴みきれていないふわふわとした自己はだが決して他者と相入れる事はなくやんわり拒絶されていたり、孤立している。 曖昧な世界の中にある、自身はこの世界と同じように曖昧だと思っている自己ははたして曖昧ではないと私は感じる。他者の認識と自己の認識のズレは川上さんのテーマの一つではないかと密かに思っている。
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川上弘美は解体する。 食べること、男女が交わること、その際の感情すらも解体して、生気を消し去り、結果、肉迫する。 男と女が色情にまみれていくその破滅的な背徳感と非持続的な美しさ、溺レる二人を間近にみるお話。 という、カッコつけすぎな感想。 エロスなのかエロスではないのかは、よ...
川上弘美は解体する。 食べること、男女が交わること、その際の感情すらも解体して、生気を消し去り、結果、肉迫する。 男と女が色情にまみれていくその破滅的な背徳感と非持続的な美しさ、溺レる二人を間近にみるお話。 という、カッコつけすぎな感想。 エロスなのかエロスではないのかは、よくわからない。
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