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溺レる の商品レビュー

3.5

185件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    70

  4. 2つ

    18

  5. 1つ

    1

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2012/10/02

カタカナの使い方がうまいよなあ 男女の仲って、世の中にある「恋愛を表現することば」で表現できてしまうものではなくて、もっと簡単で、抽象的で、柔軟な言葉で表すものなのですね。 その時の雰囲気も時間も気持ちも行動も何もかも一語で表しちゃうなんてもったいない、そんな心情が伝わってきまし...

カタカナの使い方がうまいよなあ 男女の仲って、世の中にある「恋愛を表現することば」で表現できてしまうものではなくて、もっと簡単で、抽象的で、柔軟な言葉で表すものなのですね。 その時の雰囲気も時間も気持ちも行動も何もかも一語で表しちゃうなんてもったいない、そんな心情が伝わってきました。 短編集だったけど、ぜんぶ同じような空気が流れていました。 女性があまり変わり映えのしない感じだったんだけど、最後の「受けてたつ私もなかなか」なのは気に入った。やっぱり同族嫌悪かしら。

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2012/07/28

何と言うか、すごい短篇集である。何がすごいのか。どの作品も、女がいて男がいて、とりとめのない会話をして、食べたり歩いたりして、コトに及ぶ。彼らは逃亡中だったり、情死しようとしたり、不死になって何百年も生きていたりと、切羽詰っているはずなのに、どこかのん気だ。「アイヨクにオボレる」...

何と言うか、すごい短篇集である。何がすごいのか。どの作品も、女がいて男がいて、とりとめのない会話をして、食べたり歩いたりして、コトに及ぶ。彼らは逃亡中だったり、情死しようとしたり、不死になって何百年も生きていたりと、切羽詰っているはずなのに、どこかのん気だ。「アイヨクにオボレる」なんて、のん気じゃないと言えないセリフだ。しかしそののん気さは、切実さとか底なしの不安とかを押し殺した上ののん気さのような気がする。それを淡々とした口調で語られるものだから、読んでいて切ないことこの上ない。 ところで川上氏の性交描写はかなり際どいのに無臭なのはどういったわけだろう。 ☆女流文学賞・伊藤整文学賞

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2012/07/13
  • ネタバレ

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「溺レる」 「リフジンなものってなんだったんだろう。」読み終わった瞬間はフと夢から覚めたみたいな感じ。多分、時間も場所もよくわからないし、会話はポツポツ。登場人物の顔の特徴もわからないし、年齢もわからない。全くこっちの想像。 「逃げましょう」「アイヨクにオボレましょう」「死にましょう」 でも一体、何から逃げてたんだろう・・・・

Posted byブクログ

2012/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

溺レるってタイトルがぴったりの短編集。 ダメ男とバカ女ばっかだなって思ったけど、抜けられないんだろうなぁ。 みんな、アイヨクに溺れてる。

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2012/05/11

全部で8つの短篇集 ぱっ と見渡したときに 字面が とても やわらか。 ひらがなを使って 水彩画みたいに性を描く方だな 、という印象。 肉体が控えめ、というか。 身体の、中身。 人、てゆう入れ物の、中身。 アイヨク も セックス も それを混ぜるための、方法。 淡々とした そ...

全部で8つの短篇集 ぱっ と見渡したときに 字面が とても やわらか。 ひらがなを使って 水彩画みたいに性を描く方だな 、という印象。 肉体が控えめ、というか。 身体の、中身。 人、てゆう入れ物の、中身。 アイヨク も セックス も それを混ぜるための、方法。 淡々とした そんな温度や 空気感。 全て女性目線の話なのだけれど ベタベタしていなくて 古風な言葉使いや 独特のリズムも心地よかったです。 言葉の並べ方に すごく はっ とさせられて 久しぶりに 本の耳を幾つか折りながら 読んだ1冊でした。

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2012/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

男と女の物語。 ヌメった感じ、湿度の高い感じ、それでいて生暖かい。高めの温度の寒天の上でジワリジワリと成長する菌のようなイメージ。 名前がカタカナで表現されている。核となる個人がここには居ない。曖昧なナマエのまま、たゆたうココロの独り言。 どの作品もエロちっくだけれど、どうもピントがエロに来ていないので燃え上がらない。いや燃え上がっているのだけれど、ココロが邪魔で集中できない。文学だし。 彼女たちはうつらうつらと考える。そして聴覚が異常に鋭い。男たちには聞こえない波長を彼女たちは捉えてしまう。 決定的に自分とは異なる「感覚女史」を久しぶりに見たという思い。 99年の作品。論理的な考え方が流行るこの世紀に彼女たちが生き残る隙間は残されているのかしら。 いえいえ、彼女たちは流されているようでいて、実は自分が彼女たちに流されていくのだ。そういう意味ではラフレシアのように悪女と言えるのかも知れないし、負の女の系譜なのかも知れない。 だから「溺レる」のは男たち。 で、この作品もヌラヌラと読み進み、次を欲してしまっているのは、その湿った世界に溺れる、ひょっとすると犯されてしまったのかも知れない。

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2012/05/02

短編だったが、たくさんの話が入っているのでちょっと読みにくかった。本当に溺レていて苦しかった。おじいさんとおばあさんの話が一番好きだった。

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2012/04/07

全体的にサミシク、カワイソウな登場人物ばかりだ。 肉体が離れられず、心中をしたり、アイシテイルンデスを呟きながら快楽へ進もうとしてみたり。 現実社会に生きることが難しそうな人々なのかな?満たされていない人々が陥った世界なのかも。

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2012/03/31

好き嫌いが分かれそう。 最初はちょっとよくわかんなかった。 でも、なんか駆け落ちしようっていうんで駆け落ちしてるっていうのが、おもしろかったな。

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2012/03/19

川上弘美ワールド、とでもいおうか、彼女の描くこのふわふわと流動的でそれでいて硬さがあって、それは言葉の選び方の所為なのか何かから「逃げる」人々の所為なのかわからないけど、とにかく彼女のワールドが心地好い。 亀が鳴く、という話が好き。 それと装丁が好い。目をひく。 みたことある...

川上弘美ワールド、とでもいおうか、彼女の描くこのふわふわと流動的でそれでいて硬さがあって、それは言葉の選び方の所為なのか何かから「逃げる」人々の所為なのかわからないけど、とにかく彼女のワールドが心地好い。 亀が鳴く、という話が好き。 それと装丁が好い。目をひく。 みたことあるな~なんだっけ、あれ『乳と卵』の装丁に似てるなあ。 と思って調べたら、どちらも大久保明子さんという装丁家のものだった。いいなあ。 ただずっと同じような話が続いたのでちょっと飽きてしまった。 長編が読みたい。

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