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戦略的思考の技術 の商品レビュー

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62件のお客様レビュー

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2009/10/04

エール大学式…を読めば読む必要はあまり無し。内容が文庫本感が否めない。ただ、ゲーム理論の基礎は抑えられる。

Posted byブクログ

2009/10/04

「はじめての経済学(上)」で伊藤元重氏が紹介していた本のうちの一冊。日常の様々な場面で利用する機会・利用すべき機会のある「戦略的思考」について書かれたゲーム理論の入門書。 自分の行動だけでなく他者の行動が影響して互いの利益が決まる戦略的環境において、どのような駆け引きが行わ...

「はじめての経済学(上)」で伊藤元重氏が紹介していた本のうちの一冊。日常の様々な場面で利用する機会・利用すべき機会のある「戦略的思考」について書かれたゲーム理論の入門書。 自分の行動だけでなく他者の行動が影響して互いの利益が決まる戦略的環境において、どのような駆け引きが行われているのか、どう行動するのが自分の利益を守る合理的な行動といえるのかが主な内容。そのような戦略的な意思決定を要する場面を紹介する際には「先読み」「インセンティブ」「コミットメント」「ロック・イン」「シグナリング」「スクリーニング」などなど、自分としてはあまり聞きなれない用語が多く出てきたが、日常における具体例が随所に盛り込まれているので「ああ、そのことか!わかるわかる!」と最後には誰でも納得できるはず。また、文章中で時折見かける「カジノでの失敗」「男女間での戦略的なやり取り」などの話では著者の説明的口調が一変、妙な言い回しでお茶を濁すような場面も見られ、著者の文章のセンスはなかなかのものだとの印象も受けた。入門書らしく本当に読みやすいのもそのためだろう。 一番興味を持ったのはモラル・ハザードの問題について。モラル・ハザード問題は、本文中の例を引用すると「夜出かける用事が出来たので、飼っている犬を散歩に連れて行ってくれるようにお隣さんに頼んだ。また、その見返りとしてお隣さんにはビール1本をあげることにした。」という場合、お隣さんが本当に「散歩に連れて行ってくれた」ことを確認することが難しいために起こる問題。例えば報酬をビール2本にしても結局確認はできないし、確認できない場合には報酬をあげることもためらわれるからこの問題は複雑な問題といえる。そこでどうしたらこの問題を解消できるか、本書でもいくつかの工夫があげられているが、この問題は形を様々に変えて過去自分も経験し悩んだこともあったため印象に残った。 最後に、あとがきで著者が言うようにこの本はあくまでも戦略的な考え方についての紹介が目的であるから、学問としてのゲーム理論を学びたい人にはあまり向かないかも知れない事を付しておく。それでも初心者的にはOKですが。

Posted byブクログ