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哲学の教科書 の商品レビュー

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57件のお客様レビュー

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2010/08/09

「教科書」と銘打ってあるが、1ページ目にして「哲学には「教科書」などあるはずがない」と豪語し始める、一見矛盾に満ちた本。しかし、読み進めるにつれ「これは教科書であり、教科書でない」ことが段々わかってくる。哲学の体系的な知識が一冊で学べる本ではないが、哲学に取り組むにあたっての「姿...

「教科書」と銘打ってあるが、1ページ目にして「哲学には「教科書」などあるはずがない」と豪語し始める、一見矛盾に満ちた本。しかし、読み進めるにつれ「これは教科書であり、教科書でない」ことが段々わかってくる。哲学の体系的な知識が一冊で学べる本ではないが、哲学に取り組むにあたっての「姿勢」が学べる本。哲学って知識ではなく、人がどう考えるか、という学問。哲学を学びたいと思う人は、まずその考える姿勢そのものを学ばなくてはならない。そういうことなんだと思う。 面白いと思ったのは、日本における哲学について述べた箇所。 「すべての芸術や学問の分野で今や日本は西洋に遜色がないと言ってもよいでしょう。しかし、今なお絶対的に遅れを取っているものがただ一つだけある。それが「哲学」なのです」 筆者によればその理由は、日本には、哲学を深める上で不可欠である「議論」や「言語」を信じる風潮がないから、だそう。 似たようなことを最近考えていたのですごく納得した。 政治でも学問でも、「それで結局何を究めたいのか」という美学、あるいは哲学が日本では不足しているなあと考えていた私の仮説は、あながち間違っていない、と思わせてくれた。

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2010/06/06

哲学を学びはじめてみてようやく中島先生の哲学的偉大さがわかった。人間的な問題はあるけれど、少しの間交われたことは幸運だったと思う。この本を読んで初心に戻ることができました。ありがとうございます。

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2009/10/23

哲学というのは、純粋には学問とは言えない。そこに執筆者の個人的世界への実感が書き込まれなければならない。客観的な自分の体験に沿ってごまかしなくかたることが、不可欠の要素。 カント本を時間をかけて解読する。=哲学研究者 あいまいにされている物事を考えていく(答えを必ずしも出すわ...

哲学というのは、純粋には学問とは言えない。そこに執筆者の個人的世界への実感が書き込まれなければならない。客観的な自分の体験に沿ってごまかしなくかたることが、不可欠の要素。 カント本を時間をかけて解読する。=哲学研究者 あいまいにされている物事を考えていく(答えを必ずしも出すわけではない。)=哲学者 「緑の地球を守ろう!!」というスローガン自体はおかしいとは思わないが、このことは「自分が死ぬ」というような大きな問題を隠すような麻酔作用がある。 なぜそこが沖縄としてあるのか?=文化としての産物でしかない。 「ある」という言葉には、多様な意味がある。 だいたい「ある」を妥当化しているのは、「数学的・論学的記号ありかた」、「観測可能な物理的なありかた」、「時間や空間や因果関係や自然法則などこうした物理的対象に直結したもののありかた」の単独的、複合的なものである。何を「ある」という言葉の定義としているのか。

Posted byブクログ

2013/01/29

高校2年くらいまでは哲学科に行こうかなあと考えていたくせに、哲学に関する本を読むのは多分初めて。ちょびちょびと、例えば哲学者であるうちの学長の本とかは読んでいるのですが、この本ほど真剣に、楽しく読めた本はないです。この本は予備校の先生のブックリスト(僕の読書の指針となっている)に...

高校2年くらいまでは哲学科に行こうかなあと考えていたくせに、哲学に関する本を読むのは多分初めて。ちょびちょびと、例えば哲学者であるうちの学長の本とかは読んでいるのですが、この本ほど真剣に、楽しく読めた本はないです。この本は予備校の先生のブックリスト(僕の読書の指針となっている)に、「まず、これ!」と書かれていたもの。うちの大学の図書館には講談社学術文庫がほとんどそろっていますが、この本だけ猛烈にボロい。中島氏に見せたら喜ぶんじゃないでしょうか。いや、買ってくれた方が嬉しいのか。 この本の第1章のように、死について真剣に向き合う文章を読むのも初めて。我が意を得たりという感じで、中島義道の文章は受験生として格闘したことしかなくて、嫌いだと思っていたのですが、実は(哲学者として)真面目な人だと分かって好きになりました。第1章と第3章が哲学の話だと思います。そのほかの章はどちらかというと、哲学とは何かとか、メタ哲学っぽい感じ。第2章では哲学と混同されがちなものと、哲学との差異を明らかにし、「哲学とは何でないか」を示します。僕は今学期ハイデガーに関する教養科目に何回か出席しましたが、あれは今思えば哲学の授業ではなかったのだ、そして教官も哲学者ではなく、ハイデガー研究家に過ぎなかったんだと思う。第4章は「哲学は何の役に立つか」、第5章は面白いけど、どうでもいい「哲学者とはどのような種族か」、第6章は文化論的になって「なぜ西洋哲学を学ぶのか」。加藤尚武による解説によれば、「本書の最大の魅力は、「なぜ哲学書は難しいのか」(第7章第1節)のカントの『純粋理性批判』の解釈である」らしい。「本書の叙述ほど文学的に見事なカント解釈はないのではないかと思う」と言うけれど、僕にはカントの文章はもちろん、中島さんによる解説も全っ然分からなかったです! なぜ哲学書が難しいのかはわかったけど、やっぱり難しくて僕にはどうしようもなさげ。第7章の最後には「「哲学入門」入門」と題して入門書が紹介されてます。引用文が多いのがこの本の特徴の1つですが、巻末に引用文献一覧もちゃんとついてます。引用と言っても、哲学者の文章ばっかりというわけではないのです。色んな文学作品が引用されていて面白いです。さて、例のブックリストには、「まず。これ!」の隣に「次にこれ」とあります。ちくま新書の、同じ著者による『哲学の道場』。そのうち読もう。

Posted byブクログ

2009/10/04

この作者に出合ったのはこの本が初めてでした。 わかりやすく書かれていてそして自分が体験したことと同じことがところどころにあり哲学を身近に感じられるものでした。 呼んでよかったと思います。

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2009/10/04

2,3年前に何冊も読んだ著者。 久しぶりに読みたくなって、以前読んだ本をいくつか再読したところやはり面白い。 そこで、まだ読んだことのない著者の本を何冊か購入したうちの一冊。 とても面白かった。この先折にふれ読みたい本。 【2008年6月4日読了】

Posted byブクログ

2009/10/04

決して易しくはない。 しかし、そもそも哲学とは難しいものであるのだから、その事を鑑みれば哲学に初めて触れるにはこれ程適した書物もないかも知れない。何年も哲学を学んだ人も、一度立ち返る意味で重要な書物だろう。

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