1,800円以上の注文で送料無料

神様 の商品レビュー

4.1

280件のお客様レビュー

  1. 5つ

    104

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    4

レビューを投稿

2018/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

くまに誘われて散歩に出たり、バイト先で不思議な生き物に出逢ったり、五年前に亡くなった叔父が逢いに来たり、友人のウテナさんと一緒に河童の恋愛相談にのったり、ウテナさんがくれた壺の中から出てきた可愛らしい少女・コスミスミコに振り回されたり、ご近所さんから人魚を預かったり、と摩訶不思議な体験を次々にする「わたし」の連作短編。 この「うそばなし」ワールド全開のデビュー作を書くことにより、川上さんは物語を書くことの楽しさを痛感したそうだ。 くまや河童達と普通にやり取りする「わたし」はひょっとしたら川上さんご自身なのかもしれない。 川上さんの夢の世界はふわふわ優しくて温かくて可愛らしい。 私もこのくまになら誘われてピクニックに行きたい。 くまお手製のアップルパイが食べたい。

Posted byブクログ

2018/01/06

「神様」は彼女のデビュー作。  あの「神様2011」の元になった作品。  高橋源一郎氏ではないけれど、「あのこと」が起こった前と後では、見る景色も感じる風情も全く変わってしまった印象があります。 「あのこと」以前の「神様」はもっともっと幸せな存在だっただろうに。  あり...

「神様」は彼女のデビュー作。  あの「神様2011」の元になった作品。  高橋源一郎氏ではないけれど、「あのこと」が起こった前と後では、見る景色も感じる風情も全く変わってしまった印象があります。 「あのこと」以前の「神様」はもっともっと幸せな存在だっただろうに。  ありえない事象がありふれた日常の中に、当たり前のように起こります。  愛おしくて、切なくて、おかしくて、でもどれも極端ではなくて、クスっと笑えたり、ホロリと涙したりする程度。  その距離感、そしてそんな距離感を醸し出す彼女の文体は唯一無二。  出来ることならコスミスミコやえび男くんとあってみたいものです。   カナエさんの「猫屋」でウテナさんと一杯、ってのもいいかな。

Posted byブクログ

2017/11/14

たとえばくまとか、壺の中に住む女性とか、くっきりした形を持つ非日常が日常のような顔をしてさりげなく生活に入ってくる。 うちの近所にも料理の上手なくまさんが普通に暮らしているんじゃないか、という気がしてきて、それがなんだかじんわりと心地いいのだ。 http://matsuri7.b...

たとえばくまとか、壺の中に住む女性とか、くっきりした形を持つ非日常が日常のような顔をしてさりげなく生活に入ってくる。 うちの近所にも料理の上手なくまさんが普通に暮らしているんじゃないか、という気がしてきて、それがなんだかじんわりと心地いいのだ。 http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-204.html

Posted byブクログ

2017/10/30

再読ですが、この世界がとても好きです。不思議であたたかくて、ちょっと寂しくて。「夏休み」「春立つ」は今回も好きでした。再読では、くまとのひとときを描いた「神様」「草上の昼食」も好きでした。くまとの暮らしがずっと続いたらいいなぁとふわふわ思いました。くまとピクニックへ行って、穏やか...

再読ですが、この世界がとても好きです。不思議であたたかくて、ちょっと寂しくて。「夏休み」「春立つ」は今回も好きでした。再読では、くまとのひとときを描いた「神様」「草上の昼食」も好きでした。くまとの暮らしがずっと続いたらいいなぁとふわふわ思いました。くまとピクニックへ行って、穏やかな時間を過ごしたいです。

Posted byブクログ

2017/10/27

読みながら、一つ一つの作品が繋がっていることに気づいた。 大人の寓話というような感じでしょうか。 花野は、泣いた。

Posted byブクログ

2017/10/13

おとぎ話のような夢のようなふわふわした空気感だけど、そこにある感情はとてもリアルで 切なかったりする。 死んでも切ない想いを抱えて生きてる?コスミスミコが出てくる「クリスマス」がキュートで印象的。

Posted byブクログ

2017/08/27

【次男蔵書】表題から想像していたのとは違ったファンタジーだった。くま、叔父さんの幽霊、河童など〝わたし〟の周りは人間も含めて摩訶不思議だ。中でも「クリスマス」に登場する壺の精(?)コスミスミコは印象深い。あとがきが簡潔で良かったのに、解説が冗長で独り相撲の感があり残念だった。

Posted byブクログ

2017/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

役名:エノモトさん『離さない』 コーヒーを入れるシーンあるし、最後の方の「魅入られたね」というセリフを言ってもらいたい。

Posted byブクログ

2017/06/27

人外のモノについて考えることがあって、急に昨日この本を買ってきて読み終えた。くま、毛玉、死んだ叔父、河童、壷に住む女、えびの好きな男の子、神隠しにあう女、人魚、そしてくま。人ではないものになったとしたら、こんな風に生きていくのかと思う。人はひとでしかなくて、だから、想像力を持ち、...

人外のモノについて考えることがあって、急に昨日この本を買ってきて読み終えた。くま、毛玉、死んだ叔父、河童、壷に住む女、えびの好きな男の子、神隠しにあう女、人魚、そしてくま。人ではないものになったとしたら、こんな風に生きていくのかと思う。人はひとでしかなくて、だから、想像力を持ち、明日を思う。誰かを求めてもきっとひっそりとひとりなんだと、なぜか強く思った。

Posted byブクログ

2017/06/13

ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短編集。 高校の国語の教科書に載っていた「離さない」に衝撃を受けて以来、折に触れ何度もあの人魚を思い出していた。どうしてもまた読みたくなって探して、行き着いた本。 「離さない」は勿論良かった。魅せられる静かな狂気。ぞっとするんだけど、最初に読ん...

ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短編集。 高校の国語の教科書に載っていた「離さない」に衝撃を受けて以来、折に触れ何度もあの人魚を思い出していた。どうしてもまた読みたくなって探して、行き着いた本。 「離さない」は勿論良かった。魅せられる静かな狂気。ぞっとするんだけど、最初に読んだ日以来私の心を「離さない」物語。 人魚が人魚姫みたいな美少女じゃないのに魅せられるっているのがいい。狂気の描写が心情描写を延々書き連ねる、という風じゃないのがいい。あっさり描かれていて、だからぞっとする。 人魚のお話は数多くあれど、私の中でのナンバーワン人魚。 で、今回他の収録作も初めて読んだ。知らなかった、「神様」が川上弘美のデビュー作だったんですね。 このお話含め、どれもこれものんびりぽかぽかしてでもどこか切なさを感じる。寂しさとかも。この小説を読み終わった今も、とても寂しい。 いいな、私もそんなくまに会いたいなあ。熊、じゃないのがいいね。 それから「花野」はもうドストレートに泣ける。人に勧めるならまずこのお話からにすると思う。でも変に泣かせようと肩肘張ってない、あっさりとした文章なんだよね。 そら豆嫌いなのに、食べたくなった。 あとがきも面白かった。オチが(笑)。

Posted byブクログ