神様 の商品レビュー
この不思議な雰囲気。読後感しんみりしてしまうけど心にじわっとくる感じ。 くまと友達になりたい、本気で思ってしまいます。『花野』くたびれたセーター着てていいから会いにきてほしい。
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「神様2011」という、本書「神様」の続編の存在を知り、いつか順番に読みたいと積読リストに入れていました。 著者の作品は以前新聞小説でかろうじて読んだくらいでしたが、その時のファンタジー作品にはイマイチ溶け込めず、ノーチェックの作家さんでした。 しかも、本書は私が普段あまり...
「神様2011」という、本書「神様」の続編の存在を知り、いつか順番に読みたいと積読リストに入れていました。 著者の作品は以前新聞小説でかろうじて読んだくらいでしたが、その時のファンタジー作品にはイマイチ溶け込めず、ノーチェックの作家さんでした。 しかも、本書は私が普段あまり好まない短編。まったく期待薄で読み始めました。 ・・・が、予想外に面白かったです。 ファンタジーというよりメルヘンに近い、けれど童話のような子供っぽさははなく、さらりと読め、しかも再読に耐えるであろう夢を見たような読感。 私は図書館で借りましたが手元にあっても良いと感じる本でした。 人間の日常の中に「くま」や「人魚」や「幽霊」や「河童」などが普通に出てきてでも違和感がない、他の方のレビューで言われてましたが、ソフトバンクのCMのお父さんのような、犬だとわかっているけど、お父さんとして普通に受け入れている感じ、の世界観なのです。 しかも、細かい描写がなくても、その姿形が頭に浮かぶ。 ほのぼのしたり、切なくなったり、うっとりしたりと、いろいろ楽しめました☆
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高校の国語の教科書に掲載されていた花野をきっかけに、この本をとってみました。 不思議な生き物が、違和感なくごく自然に日常に溶け込んでます。優しい気持ちになりました。
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やわらかで、おかしくて、ちょっとこわくもあり、せつなくもあり。 一番好きな「神様」は表題作のタイトルではあるけれど、それぞれのお話に「神様」がいるよう。 どれも短くてあっという間に読める。 くまとの散歩、またのぞかせていただきたいものである。 いとおしくなった。
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くまが出てきて話が進む、現実でないとわかってるのに 大きな事件がおきるわけでもなかったのに すっとそれぞれ読めた短編。 夢もの嫌いなのに不思議。
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不思議なお話ばかりで何が何やら分からないのに、こんなにも全体は優しくてまぁるい感じ。くまに誘われ散歩に出て。河童に人魚に死んだ叔父…。理解しながら読むお話ではなく、そのままを、そのままとして受け入れたい数々の短編でした。くまはまた料理をしているのだろうか…そんなことが気になります...
不思議なお話ばかりで何が何やら分からないのに、こんなにも全体は優しくてまぁるい感じ。くまに誘われ散歩に出て。河童に人魚に死んだ叔父…。理解しながら読むお話ではなく、そのままを、そのままとして受け入れたい数々の短編でした。くまはまた料理をしているのだろうか…そんなことが気になります。
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目覚めたままで見る夢のような、はっきりした手触りのある夢を見た気分。 くまや河童や壺の中に住む女や、幻想の中の住人たちは誰もみんな魅力的で愛らしいのだけれど、どの夢にも美味しそうな食べ物が必ず登場していたのが印象的だ。 小説に限らず、マンガも映画もテレビドラマも、食べ物が美味...
目覚めたままで見る夢のような、はっきりした手触りのある夢を見た気分。 くまや河童や壺の中に住む女や、幻想の中の住人たちは誰もみんな魅力的で愛らしいのだけれど、どの夢にも美味しそうな食べ物が必ず登場していたのが印象的だ。 小説に限らず、マンガも映画もテレビドラマも、食べ物が美味しそうに描かれている作品は間違いなく面白い。 味はもちろん、食べ物の色艶や形、匂い、温かさ/冷たさ、食感、じうじうと焼ける音、ばりばりと噛み砕く音、それから卓を挟んで交わされる会話、 そういう五感の全ての表現が詰まっているからだろう。 そういう感性で世界を見たら、きっとこんなふうに見えるのかもしれない。
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久しぶりに再読。こういうのホント好きだなあ。無駄の無いそれでいて独特で的確な表現の文章も。『神様』の「くま」の「抱擁交わしていただけますか」のとこ、萌える。。 『夏休み』のあのコの「ぼくいろいろだめなの」、萌える。『春立つ』のカナエさんが「まるめられる」という表現もとても素敵。ほかの作品の登場人物も皆魅力的。コスミスミコのチジョウノモツレで・・っていうのもいいな。
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【本の内容】 くまにさそわれて散歩に出る。 川原に行くのである―四季おりおりに現れる、不思議な“生き物”たちとのふれあいと別れ。 心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。 デビュー作「神様」収録。 ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。 ...
【本の内容】 くまにさそわれて散歩に出る。 川原に行くのである―四季おりおりに現れる、不思議な“生き物”たちとのふれあいと別れ。 心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。 デビュー作「神様」収録。 ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。 四季折々に現れる不思議な生き物たちとのうららでせつなくちょっぴりおかしな九の物語。 ドゥ・マゴ賞、女流文学賞受賞。 デビュー短篇「神様」収録。 [ 目次 ] [ POP ] 好きなひととやむをえない事情で離れ離れになったことがあるならば『春立つ』を読もう。恋愛小説なんて「ケッ」と思ってしまうたちだが、これにはやられた。 飲み屋のおばあさんが冬しか一緒にいられない奇妙な恋人(?)との思い出を淡々と語る。 短いけれどしみじみといい話だ。 寒い夜にこたつでぬくぬくしながら感傷にひたるのもたまにはいいかも。 クリスマスも近いことだし。 ひとつひとつの言葉がいいので、美味しいお酒でも飲みながらじっくりとどうぞ。 他の短篇もお笑い(『河童玉』)ありホラー(『離さない』)ありで面白い。 話題になった『センセイの鞄』や他の作品も読みたくなってしまった。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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2014.8.10読了 「蛇を踏む」と「惜夜記(あたらよき)」がとても気に入ったので、手に取った。 短編集。一話完結だが、ショートショートではなく、それとなく繋がっている。 著者のデビュー作であり、出世作。 主婦になって子育てをしている最中に、ふと書きたくなって2時間ほどで...
2014.8.10読了 「蛇を踏む」と「惜夜記(あたらよき)」がとても気に入ったので、手に取った。 短編集。一話完結だが、ショートショートではなく、それとなく繋がっている。 著者のデビュー作であり、出世作。 主婦になって子育てをしている最中に、ふと書きたくなって2時間ほどで仕上げたらしい。 それが数々の賞(第1回パスカル短編文学新人賞、紫式部文学賞、Bunkamura ドゥマゴ文学賞)を獲り、作家となるきっかけとなり、2年後に芥川賞を受賞するのだから、余程才能に恵まれているのだろうと思う他ない。 実際、面白い。 登場するのは、こんなひと(もの)。 人を散歩にさそうくま、夏だけに梨園にあらわれる名前のない小さないきもの、死んだ叔父の全く怖くない幽霊、EDになった河童、壺に住む女性、ニンゲンフシンになってみる子供、幽界にたびたび迷いこむ女性、人を魅入らせる人魚。 なんともいえずのどかな、それでいてこの世界としっかり地続きである夢の世界に、しばし連れていってもらえた感じがする。 季節感もいい。自分は、読み終えたタイミングもあるとは思うが、「夏休み」が一番好み。 原発事故後に改変された「神様2011」もぜひ読み比べてみたい。 -目次- 神様 夏休み 花野 河童玉 クリスマス 星の光は昔の光 春立つ 離さない 草上の昼食 解説は、「百万回いきたねこ」の佐野洋子さん いい味出してる。この作品の良さ、川上弘美さんという作家のすごさを、平易な言葉で教えてくれる。 さすが。
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