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神様 の商品レビュー

4.2

274件のお客様レビュー

  1. 5つ

    102

  2. 4つ

    96

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    4

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2021/02/27

「くまに誘われて散歩に出る」から始まり、何か不器用な、周囲になじめないでいる存在である「くま」や、それに続く連作短編集。「くま」が何を指すのか、真っ先に思い浮かんだのはマイノリティの比喩としての受け止めだったが皮相な見方だろうか。あまりそのようなことを考えなくともするすると読める...

「くまに誘われて散歩に出る」から始まり、何か不器用な、周囲になじめないでいる存在である「くま」や、それに続く連作短編集。「くま」が何を指すのか、真っ先に思い浮かんだのはマイノリティの比喩としての受け止めだったが皮相な見方だろうか。あまりそのようなことを考えなくともするすると読める短編だし、不思議な世界を味わえる。なおこのくまは語り手の部屋の3つとなりに越してきたという設定で、その他の登場人物たちもその集合住宅に住んでいる人が多く出てくるという意味では、この短編集はアパートものとしてもとらえられる。

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2021/02/21

様々な動物や生き物、亡くなった人、等との不思議な交流のお話。短編集ですが、読んでいるといくつかは話がつながっている連作であると気付いたり、主人公は同じ人物なのか?等、疑問もありながらも、世界観に惹き込まれ、どの話も一気に読んでしまった。 温かな交流の中でも、それぞれが送ってきた人...

様々な動物や生き物、亡くなった人、等との不思議な交流のお話。短編集ですが、読んでいるといくつかは話がつながっている連作であると気付いたり、主人公は同じ人物なのか?等、疑問もありながらも、世界観に惹き込まれ、どの話も一気に読んでしまった。 温かな交流の中でも、それぞれが送ってきた人生や抱えているものにせつない気持ちになったり、不思議な読後感がありました。 理解しきれずぼんやりとした部分もあるので、また時期をみて再読したいです!

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2021/02/17

こんな現実味をおびた夢、夢のような現実?ハマりました。人魚の話『話さない』はファンタジーでありホラーであり。どの話も一気読みです。

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2021/02/02

初めて読んだ川上弘美さんの本。くまが日常に出てくるが、変なのに違和感を感じされなくて、不思議な世界に引き込まれていく。 かなり昔に読んだけど、印象に残っている本。

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2021/01/27

神様2011を読むために読んだ。 川上弘美さん、こんなに軽やかに書く人なのだと知らず、また、この「神様」なんていうタイトルがいけなくて、ずっとスルーしてきてしまった。 なんてもったいなかったのだろう。 すごく好き。この人の書くもの。 くまと、川原まで散歩だなんて。 くまが、...

神様2011を読むために読んだ。 川上弘美さん、こんなに軽やかに書く人なのだと知らず、また、この「神様」なんていうタイトルがいけなくて、ずっとスルーしてきてしまった。 なんてもったいなかったのだろう。 すごく好き。この人の書くもの。 くまと、川原まで散歩だなんて。 くまが、食べてたサンドイッチが、あんなに美味しそうだなんて。。 その優しげで、荒々しげなくまに包まれる感じに、 憧れてしまった。 他の作品にも 梨園にいる、よく分からない生き物、 ウテナさんがくれた壺のコスミスコ。 人魚らしきもの。。 どれもこれも不思議なのに、あたかもそこに 自然に現れる。 ずっと読んでいたくて、この本がまるで人魚みたいだったの。 だめ。やめてよ。だめよ。 と言いながら、この本を取り上げられそうになってる自分を想像してしまった。 遅れてきた川上弘美ファンに、なりそうです。

Posted byブクログ

2020/12/29

「大きな鳥にさらわれないよう」が、面白かったので読んでみましたが、今一つでした。 なんなの?っていう言葉が浮かびまくります。

Posted byブクログ

2020/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ちょっと不思議な小噺が9編収録されています。 くまが人間と同じに生活していたり、白いふわふわが現れたり、死んだ叔父に出逢ったり、河童の世界で恋愛について考えたり、アラジンよろしく壺の女の子と飲んだり、お隣の男の子の好物を用意して待ったり、バー店主の若い頃に体験した冬の間だけの恋模様を聞いたり、人魚の虜になったり‥。  わたしが1番すきだったのは、『星の光は昔の光』です。ほんとうはかりりとする薄いハンバーグがすきなえび男くん。 ことばを区切って話し、みかんをすじまで丁寧にとってちゅうと吸ってたべ、かたちをとるのに苦労した牛のいる箱庭をプレゼントし、ありがとうとなんともいえない感じに言うえび男くん。星の光は昔の光で、昔の光はあったかいけど今はもうないものの光。いくら昔の光が届いてもその光は終わった光だから、だからと少し泣いたえび男くん。いいなあ、えび男くんのように自分の世界を守れる人って。しみじみと思いました。わたしもえび男くんに柔らかく2回チャイムを押して訪ねてほしいです。  私ならきっと面白そうなものと出会っても連れて帰るのは怖くて躊躇してしまいそうですが、一歩ふみこんでみればこんなゆるゆるした不思議な生活が待っているのかなあと羨ましく思いました。

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2020/09/27

積読してあったのをようやく読了。こんなに面白かったのか!瑞々しい感受性溢れるどこか切ない物語。余計なこと考えずにそのまま読むべき短編集。

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2020/06/19

川上弘美さんのあの感じが読みたくなって読んでみた。 でも、今まで読んだのとちょっと違うイメージの作品だった。 でも構成がおもしろくって、 語り手が主人公だからかわからないけど、 主人公の会話にか「」が付いてなかった。 これってマンションの住人の話なのかな? 私達の日...

川上弘美さんのあの感じが読みたくなって読んでみた。 でも、今まで読んだのとちょっと違うイメージの作品だった。 でも構成がおもしろくって、 語り手が主人公だからかわからないけど、 主人公の会話にか「」が付いてなかった。 これってマンションの住人の話なのかな? 私達の日常にプラス?されたことがこの世界では起こってて、面白かった。 そのプラスっていうのは、とっても不思議なこと。 でも、ちょっとポニョの世界に似てるかも!と思った。 今、私達の日常に魚人が仲間に入ってきても、 なんの変わりもなく受け入れるこの世界。 神様 あれ!?くまが、くまが人間と共に生活してる。言葉しゃべってる。 夏休み 梨の木の白い瘤=三匹 この不思議な妖精?たちを ムーミンに出てくるトフスランとビフスランみたいと想像しながら読んだよ。 花野 亡くなってしまった叔父さんと何かのタイミングで会う話。 河童玉 小学校の頃「かっぱ先生」っていて、かっぱを探している先生で、自分もかっぱに似てる って来たときに話した自己紹介、思い出した。 そしたら、私達、城山にかっぱの手を触ったら、みずが出てくる水飲み場あるよっとか必死に教えた。 昔、お母さんは、「早く帰らんと、かっぱに連れて行かれるよ」って大人たちに脅されてたらしい。 でも、この河童の物語読んだら、河童のイメージに変なイメージついちゃうよ。 これは本当のお話?それとも面白おかしく作った河童の事情なのかしら? クリスマス 壷をさするとコスミスミコが出てくる。 星の光は昔の光 ロマンティックな話で、出てくる言葉もロマンテッィックな気がした。 星はあったかい。 春立つ 「猫屋」っていう居酒屋をしているカナエさんの不思議な恋のお話。 「しあわせはいいね、しあわせだけでじゅんぶんだから」 って思えるぐらい、こころが自由自在であればいいのに。 カナエさんの決意の貼り紙に残した言葉が好きです。 離さない 人魚がいかに人を惹き付けて離さない話。 印象的な話だった。読んでてだんだん怖くなったから。 でも、人間関係にも重なるようなことがある気がする部分があった。 草上の昼食 熊と人間はやっぱり違うのですね、と・・・故郷へ帰る 不思議な不思議な話がいっぱい。 また読みたい。今度読むときは、この物語たちがなんかぴたっと当てはまるときかもっと思った。

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2020/06/11

くまにさそわれて散歩にでる。くまにですか・・そのうち私はこの独特の世界に引き込まれてゆく。夢の話というひともいるが、わたしにはどちらかというと、空想の遊び。口には出さないけど、こんなことがあったら、例えば動物が話したら、話せたら、とか。壺からコスミスミコさんが出てくるんです。笑っ...

くまにさそわれて散歩にでる。くまにですか・・そのうち私はこの独特の世界に引き込まれてゆく。夢の話というひともいるが、わたしにはどちらかというと、空想の遊び。口には出さないけど、こんなことがあったら、例えば動物が話したら、話せたら、とか。壺からコスミスミコさんが出てくるんです。笑ってしまいました。たのしいだろうな、家に帰ってコスミさんが居たら(笑)。 「花野」はなくなったおじさんが出てくる話。これはきっと夢だろう。「私」はおじさんと久しぶりの会話をしている。最近どう?というふうに。 やがて、叔父のまわりの空気がゆらゆらしたかと思うと、かき消すように叔父はいなくなった。叔父の立っていたあたりを見おろすと、小さな草の花が群れ咲いていた。この感じがすき。なんて素敵な・・ゆらゆらして楽しいのに最後には、切ないーと気持ちをもってゆかれる。 「離さない」が心を付いた。手放さなきゃならないものってあるじゃないですか。 一気に一気に放り投げたんです。「私」とエノモトさんで。人魚が言うんですよ。離さない、と。怖い。でもファンたジーのようであいまいでよい。 最後、くまは故郷へ帰ってゆくのです。くまから手紙が届きます。「私」は三回読んで泣きそうになったらしい。わたしも泣きそうになった。良いお話をありがとうと。

Posted byブクログ