神様 の商品レビュー
ひどく現実味のない小説を書く人だな、と思い続けて、いつのまにか落ちてしまった。 有り得ない、こんな展開、と思いつつもハマってしまう自分が気持ちよかった。 クマは、人間の環境には馴染めない。 どんなに上手に人と同じことをしていても。 その姿が環境になじめない人間そのもののように思...
ひどく現実味のない小説を書く人だな、と思い続けて、いつのまにか落ちてしまった。 有り得ない、こんな展開、と思いつつもハマってしまう自分が気持ちよかった。 クマは、人間の環境には馴染めない。 どんなに上手に人と同じことをしていても。 その姿が環境になじめない人間そのもののように思えて、鼻がツンとした。 潔く故郷にかえるクマ、とても上手な手紙を寄越したクマ、次第に人の習慣を忘れて行くクマ。。。 彼は彼にとって一番ふさわしいところへ行けたのですよね? 彼は幸せにくらしていけますよね? クマの神様に、私もお祈りしておこう。
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わたしのアパートのとなりには、くまが住んでいる。 異なる存在をするりと受け止める主人公のやわらかさに背筋を正された。
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昔かたぎの熊。白い毛の小さなもの。そら豆。河童のあちらの方。コスミスミコ(チゾーノモチレ)。えび男くん。違うように、できるような気になりましたので。うわあ。赤ピーマンのロースト。
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そこらの人間より礼儀正しいくま。いったいどこからきたのか。川上さんの物語は本当に不思議で妖艶だ。それでも違和感なくすらすら読めるから好き。
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漂ってる世界。掠りそうで掠らない。「わたし」を見ていると私のことなどどうでもよくなる。 人から借りて手元にあるのに、どうしても湯船に浸かって読みたくて買いに行ってしまいました。
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なんだかよく分からないものがでてきて、 なんだかよく分からないままに感動する。 ちょっとアホな展開に思わずクスリときたくせに、 その8ページ後には感動の波が押し寄せる。 こんな短編集、そうそう見つかりません。
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川上弘美のデビュー作「神様」を含む連作短編集。 10冊くらい読んだ彼女の本の中でも この作品集は一番好きかも知れない。 「神様」は熊と散歩するお話。熊は料理がうまい。 「離さない」という人魚の話が一番良かった。 この小説は、なんというか、 むしゃっと...
川上弘美のデビュー作「神様」を含む連作短編集。 10冊くらい読んだ彼女の本の中でも この作品集は一番好きかも知れない。 「神様」は熊と散歩するお話。熊は料理がうまい。 「離さない」という人魚の話が一番良かった。 この小説は、なんというか、 むしゃっとした気分のときでも物語の中に入っていくと すーっと忘れてしまう感じ。 読み終えたあとに また何度も読み返すだろうなという予感にとらわれる作品は あまり無いのだけれど そういう意味でもこの本は稀有。
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200805読了! ★★★★ ここ数日で、わたしの考え方感じ方がかわってきたので、もしかして、と思ってこの本を手に取る。 とりあえず、何年もかかってようやく理解できた。はじめて読めたのだ。 世界だ、世界。こういう世界だ。世界にふさわしいことばづかいでつづられる文章は、一枚の絵...
200805読了! ★★★★ ここ数日で、わたしの考え方感じ方がかわってきたので、もしかして、と思ってこの本を手に取る。 とりあえず、何年もかかってようやく理解できた。はじめて読めたのだ。 世界だ、世界。こういう世界だ。世界にふさわしいことばづかいでつづられる文章は、一枚の絵のようにうつくしいのだ。 神様、というのはわたしのくちぐせでもあって、 神様、の概念は、その人のこころにやどるもの。 くまにはくまの。 わたしには、わたしの。
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さっそく川上氏の「神様」借りてきました。 西加奈子の黄色いゾウのような、日々の生活のほっこり感が読んでてすがすがしい。 ただ「人魚」にはぞっとさせられた。 自分の家の近所にも、猫屋みたいないきつけの居酒屋が欲しい。 くまさんにも会ってみたいな。
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くまにさそわれて散歩に出る,という冒頭の一文が何とも印象的な短編『神様』は川上弘美さんのデビュー作である。くまはわたしのアパートの三軒隣に住んでいる。そんなくまと川原へ散歩へ。くまのお弁当はフランスパンにパテとラディッシュをはさんだもの,わたしのお弁当は梅干しのおむすび。食後にオ...
くまにさそわれて散歩に出る,という冒頭の一文が何とも印象的な短編『神様』は川上弘美さんのデビュー作である。くまはわたしのアパートの三軒隣に住んでいる。そんなくまと川原へ散歩へ。くまのお弁当はフランスパンにパテとラディッシュをはさんだもの,わたしのお弁当は梅干しのおむすび。食後にオレンジを一個ずつ。そして,くまにさそわれてひさしぶりに散歩に出る,という冒頭の一文から始まる『神様』の続編『草上の昼食』が最後に収録されているが,この短編は後にベストセラーとなる『センセイの鞄』を彷彿とさせる。
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