神様 の商品レビュー
くまと交わす抱擁。くまの匂いがする。のどの奥から聞こえて来る「ウルル」という声。ある日やってきて、故郷へ帰ってしまったくま。届いた手紙の向こうで、くまはくまの神様に祈っているのかな。まるで私がくまと同じ時間を交わしたかのような気分で想像する。この人の文章がすごく好き。透き通ってい...
くまと交わす抱擁。くまの匂いがする。のどの奥から聞こえて来る「ウルル」という声。ある日やってきて、故郷へ帰ってしまったくま。届いた手紙の向こうで、くまはくまの神様に祈っているのかな。まるで私がくまと同じ時間を交わしたかのような気分で想像する。この人の文章がすごく好き。透き通っていて切なくなる。どこか遠く、本当はすごく近い場所かもしれない、そんな、どこか遠く。そんな場所に行ってしまったような余韻が残る。
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とても、とても、温かい、短編集です。不思議なお話もたくさん入っているのに、読んでいると自然にすっと入ってくる語り口。うららかな日に公園でのんびり読むのにぴったりな本。ピクニックのお供に。
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うれしくてすこしさびしいかんじ。人魚は、怖かったな。くまさんのはなしは、あったかくて素敵だ。川上さんのお話は優しくてすごく幸せな気持にさせてくれるなあ。
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人魚の話が怖すぎる。コスミスミコはかわいい。熊と一緒にピクニック。あったかくてちょっと悲しい不思議な短編集。
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せつなさをほんのりにじませた、あたたかな話が詰まっています。特に、くまさんの話が大好き。「あ、これ、私も読んだ」母、姉、私、気付けば家族みんなが読んでたこの本です。
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くまがへんに礼儀正しくておかしい。けれど時々「あれ、襲う?」みたいにどきりとさせるところが上手いなあ。淡々、ほのぼのの中に怖さをするりと入れ込むのが。
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本当に軽々と不思議な話を書いている。 あまりに軽々書くので、リアルな世界などどうでも良く思えてくる。 読めば読むほど不思議な作家さんです。 デビュー作と言えば、普通は気負いから来る凝った言葉使いやストーリー立てが随所に見られるものなのですが、そんなものが一切感じられません。相当...
本当に軽々と不思議な話を書いている。 あまりに軽々書くので、リアルな世界などどうでも良く思えてくる。 読めば読むほど不思議な作家さんです。 デビュー作と言えば、普通は気負いから来る凝った言葉使いやストーリー立てが随所に見られるものなのですが、そんなものが一切感じられません。相当な推敲は入れられているのかもしれませんが、それさえも感じられなくて、なんだか思いつくまま言葉をつむぎだしたような感じさえします。 そのために、やや軽さのようなものもあるのですが、むしろそれが持ち味のようです。 良かったです。
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2006/11購入。読了。 当たりでした。くまが隣に引っ越してきたり、梨園でバイトしているとふわふわしたものが沸いてきたり、河童の性生活相談を受けたり、不思議なことをすとんと受け入れながら暮らしていくことの、あまりに幸せそうで、あまりに切ないことよ。『家守綺譚』と似た世界観です...
2006/11購入。読了。 当たりでした。くまが隣に引っ越してきたり、梨園でバイトしているとふわふわしたものが沸いてきたり、河童の性生活相談を受けたり、不思議なことをすとんと受け入れながら暮らしていくことの、あまりに幸せそうで、あまりに切ないことよ。『家守綺譚』と似た世界観ですが、こちらは現代寄りで、筆致も柔らかい。
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第9回ドゥマゴ文学賞・第9回紫式部文学賞受賞作。 くまにさそわれてさ散歩に出る。 と言った夢のようなおとぎ話の短編集。 ファンタジー感に溢れながら,テーマは現実的で不思議な印象。
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くま、そして不思議なものたちとの出会い、短篇集。人魚が出てくる「離さない」とデビュー作の「神様」はいい!
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