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父と暮せば の商品レビュー

4.4

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2015/08/08

戯曲形式は久しぶりで、広島弁の台詞が最初は少し読みにくかったが、最後は涙無くして読み進められなかった。劇場の機知は本の中にも残っているようだ。父竹造はユーモアに溢れ、娘美津江とのテンポ良いやりとりの中にも当時の様子や心情が巧みに織り込まれている。せっかく図書館にいるので、戦後70...

戯曲形式は久しぶりで、広島弁の台詞が最初は少し読みにくかったが、最後は涙無くして読み進められなかった。劇場の機知は本の中にも残っているようだ。父竹造はユーモアに溢れ、娘美津江とのテンポ良いやりとりの中にも当時の様子や心情が巧みに織り込まれている。せっかく図書館にいるので、戦後70年の特集コーナーを利用してみよう。

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2013/10/01
  • ネタバレ

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演劇は見たことがあるのだが、今回あらためて原作の戯曲を読んだ。読了した今、しみじみとした感動と余韻に浸ることになった。舞台には2人しか登場しないし派手さもないのだが、この2人の内面の葛藤が見事に演劇空間を作り上げていくのである。作者自身の「あとがき」によれば、主人公の美津江が「いましめる娘」を、そして父の竹造が「願う娘」を表象するというのだが、そうとばかりも言えないように思う。なぜなら、娘の美津江自身の中に大きな葛藤があることこそが、この劇のドラマトゥルギーを構成しているからだ。ほんとうに素晴らしい戯曲。

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2013/02/05

井上ひさしの言う「一人二役」に感心させられた。 広島の爆弾がいかに凄かったか文章から伝わってきた。ただ、2人のやり取りがコミカルで、全体として重くならず読みやすく面白かった。

Posted byブクログ

2013/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2013.1.26~2.2 読了 原爆から生き残った罪悪感と人間本来の生きようとする本能がせめぎあって父親の亡霊を作り出す・・・か。人間、早々割り切っては生きられない、特に苛酷な人生体験の後では、ということかな。戦争の罪深さがしみわたる。

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2013/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろい。りくつぬきに、おもしろい。何なんだろう。すべての登場人物がすべてやさしいからだ。美津江さん、おしあわせに。明日は私の娘の彼があいさつに来る。どうやっていじめたろうか?!

Posted byブクログ

2012/12/08

広島原爆についての戯曲だと思っていたので、もしあんまり悲惨なものだったら通読できないかも。。。と思っていましたが、知人に薦められたので読んでみました。 想像を良い意味で裏切られ、そして号泣してしまいました。ある程度年齢を重ねた方だったら、誰もが感動できる傑作だと思います。 今まで...

広島原爆についての戯曲だと思っていたので、もしあんまり悲惨なものだったら通読できないかも。。。と思っていましたが、知人に薦められたので読んでみました。 想像を良い意味で裏切られ、そして号泣してしまいました。ある程度年齢を重ねた方だったら、誰もが感動できる傑作だと思います。 今まで戯曲に苦手意識があったのですが、これを機会に戯曲を読んでみようかな、と思います。

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2012/10/06

昭和23年の広島を舞台とした劇脚本。映画も舞台も観ていないため、字面だけで筋だけを追ったということになる。しかし、それだけでもテーマの重さと筋の上手さが伝わってきた。亡き人との対話という奇跡を扱っているが、不自然さは皆無。幸せになることを止めてしまった娘が、一瞬に覚えた「ときめき...

昭和23年の広島を舞台とした劇脚本。映画も舞台も観ていないため、字面だけで筋だけを追ったということになる。しかし、それだけでもテーマの重さと筋の上手さが伝わってきた。亡き人との対話という奇跡を扱っているが、不自然さは皆無。幸せになることを止めてしまった娘が、一瞬に覚えた「ときめき」「ためいき」「願い」から父親の幽霊が「恋の応援団長」として登場。この登場の理由と、ラストシーンが同期しているような気がして、印象的。。字面だけだが、日本語、広島弁の響きが良い。読み終わってから、グーグルで映画版の配役を知った。観たくなった。

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2020/12/06

被爆した美津江がかかった、自分だけが生き残って「うしろめたうて申し訳なー病」。 戦争や大事故、大災害で生き残った人の多くに見られる心理とも聞く。 死んだ者の思いを伝えるために、命を繋いで欲しい。 死者が生き残った者を「生かしている」のだ。 死んだ「おとったん」は、娘の美津江にそう...

被爆した美津江がかかった、自分だけが生き残って「うしろめたうて申し訳なー病」。 戦争や大事故、大災害で生き残った人の多くに見られる心理とも聞く。 死んだ者の思いを伝えるために、命を繋いで欲しい。 死者が生き残った者を「生かしている」のだ。 死んだ「おとったん」は、娘の美津江にそう言って聞かせ、娘の恋愛を応援する。 この作品では、そうやって美津江は自分の人生を歩み始める。 約二十年前の作品だが、今読んでも、いや、今読むからこそ、重く心に響く。 自分が同じ立場だとしたら、どうやって立ち直っていくのだろうか、と。

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2012/02/21

何の前情報も無く、図書館の朗読CDで聴いた。 原爆投下後3年の広島が舞台。 原爆資料館で様々な遺品を見たり、当時の状況を再現した蝋人形を見たりし、悲惨さはわかっているつもりになっていたが、

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2012/01/29

恥ずかしながら初・井上ひさし先生です。この作品が戯曲であることも、本を開いて初めて知りました。その上舞台設定のト書きを読んで想像したのはドリフのコントにでてくるようなセットだったという…。それくらい想像力の乏しい自分でも、不謹慎だという戒めも感じずに笑いながら、一方で歯を食いしば...

恥ずかしながら初・井上ひさし先生です。この作品が戯曲であることも、本を開いて初めて知りました。その上舞台設定のト書きを読んで想像したのはドリフのコントにでてくるようなセットだったという…。それくらい想像力の乏しい自分でも、不謹慎だという戒めも感じずに笑いながら、一方で歯を食いしばって涙をこらえながら読みました。原爆のひどさをただ訴えるのではなく、残された人の救済を描いたこの作品を今必要としている人はたくさんいると思います。舞台、見てみたいです。

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