父と暮せば の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
広島の原子力爆弾で、父を亡くした娘。 生きているのが申し訳ない、幸せになるのが申し訳ないと言って生きていく。 自分を戒める娘と幸せを願う娘の一人二役で話は進むが、幸せを願う娘の役を亡くなった父に置き換えている。 現実にこんなことがあったのかと疑うほど、原子力爆弾はむごい。
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最近、夢中になっている井上ひさし。 悲しいが、優しい救済の物語。こうでないと救えない心がたくさんある。
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買いだめしておいた何冊もの本の中から、今日偶然に手に取った。 8月は鎮魂の月である。 祖母は被爆者。自分が幼い時に話は聞いたことがある。原爆資料館にも連れて行ってもらった。 それから30年以上たち、日本は戦争していないが、世界中で悲惨な戦いは繰り返されている。 日本は核兵器禁止条...
買いだめしておいた何冊もの本の中から、今日偶然に手に取った。 8月は鎮魂の月である。 祖母は被爆者。自分が幼い時に話は聞いたことがある。原爆資料館にも連れて行ってもらった。 それから30年以上たち、日本は戦争していないが、世界中で悲惨な戦いは繰り返されている。 日本は核兵器禁止条約に批准しないという。 日本の国としての限界がそこにある。 ただ政治家も一般国民も皆戦争はしてはいけないものだ、と共通に願っていてほしい。 父と暮らせばを読み、それも8月に読み、戦争はいかに人を傷つけるか、改めて考えさせられた。
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短いので軽く読めるけれど、深い重い。でも前を向ける。 世界は残酷だ。でも、生きている人は前を向いて生きていかなくちゃいけない。それが生きられなかった人に対する努めで、次に生きる人への義務だ。死んだように生きていてはいけない。
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母に勧められて読みました。 本の内容も面白かったですし、色々と考えさせられる内容だったので読んで良かったと思います。 僕は井上ひさしさんの本を読むのは初めてだったのですが、井上ひさしさんの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをま...
母に勧められて読みました。 本の内容も面白かったですし、色々と考えさせられる内容だったので読んで良かったと思います。 僕は井上ひさしさんの本を読むのは初めてだったのですが、井上ひさしさんの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」という言葉を感じた本でした。
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こまつ座で舞台になっている他、宮沢りえ主演で映画化されたり、人形劇団むすび座で人形劇化されている。 戯曲は読みづらいというイメージがあったけれど、映画を見てから読んだということもあってかとても読みやすかったし、おとったんと美津江の身に起こったことや、二人の思い、美津江が心を揺らし...
こまつ座で舞台になっている他、宮沢りえ主演で映画化されたり、人形劇団むすび座で人形劇化されている。 戯曲は読みづらいというイメージがあったけれど、映画を見てから読んだということもあってかとても読みやすかったし、おとったんと美津江の身に起こったことや、二人の思い、美津江が心を揺らしながらも一歩一歩前に進んでいく様子が、映像を見たとき以上に理解できた。 一発の原爆は、たくさんの人の大事なものを失わせ、人生を変えてしまう。生き残った人は、亡くなった人の思いを背負って生きていくことになる。原爆を落とすことはとても大きな罪だと思う。
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舞台は昭和23年の広島。 自分だけ生き残った女性が、自分だけ幸せにはなれないと思えいるところ、父親が幽霊になって励ましていく。 シナリオ。
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とても短いので、戯曲を初めて読む人にも薦めやすいのではないかと思う。 ちょっと甘い感じもするが、声高に戦争の惨禍や悲劇を訴えるのではなく、普通の人間のささやかな日常を破壊する恐ろしさを通奏低音のように流し続ける。幽霊の父は、実際には父を見殺しにしたと思っている娘の妄想かもしれない...
とても短いので、戯曲を初めて読む人にも薦めやすいのではないかと思う。 ちょっと甘い感じもするが、声高に戦争の惨禍や悲劇を訴えるのではなく、普通の人間のささやかな日常を破壊する恐ろしさを通奏低音のように流し続ける。幽霊の父は、実際には父を見殺しにしたと思っている娘の妄想かもしれない。妄想が死にそうな人間を支えることってあるものね。 しかし映画では宮沢りえが娘。美人すぎて違和感あり。もっと普通っぽい人が良かった。本には美人でないが愛嬌があるって書いてあるんだから。
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同名演劇の脚本。 広島の原爆から生き延びた美津子は、自らを幸せになってはいけない、と戒め、好きなひとができても、恋することを禁じていた。 しかし、自称・美津子の恋の応援団長である父の竹造は、そんな美津子の恋が実るよう、影に日向に、美津子を説得する。 竹造のコミカルな振る舞いと、...
同名演劇の脚本。 広島の原爆から生き延びた美津子は、自らを幸せになってはいけない、と戒め、好きなひとができても、恋することを禁じていた。 しかし、自称・美津子の恋の応援団長である父の竹造は、そんな美津子の恋が実るよう、影に日向に、美津子を説得する。 竹造のコミカルな振る舞いと、美津子を脅かす被爆体験の恐ろしさの両方が伝わってきて、妙に迫力のある話。 文章でも伝わってくるのだから、舞台で見ると本当に心揺さぶられるものがあるのだろうと思う。 広島ことばは難しかったけど、その分リアリティがあった。
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演劇の情景がありありと浮かんだ。それにしてもこの話のモチーフは切ない。戦争は二度と起こしてはいけないと思う。なのに安保成立する世の中だよ。どうして国が異なるだけで戦争を念頭に置かないといけないんだろう。隣の県と戦争するなんて思わないのと同じように、隣国と戦争することなんて想定しな...
演劇の情景がありありと浮かんだ。それにしてもこの話のモチーフは切ない。戦争は二度と起こしてはいけないと思う。なのに安保成立する世の中だよ。どうして国が異なるだけで戦争を念頭に置かないといけないんだろう。隣の県と戦争するなんて思わないのと同じように、隣国と戦争することなんて想定しない世界がくればいい。
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