1,800円以上の注文で送料無料

パリ左岸のピアノ工房 の商品レビュー

4.3

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2026/02/16

ピアノはフルートやヴァイオリンみたいに押入にしまっておく楽器じゃない。あんたはピアノといっしょに暮らすことになるし、ピアノのほうもあんたといっしょに暮らすことになる。ピアノは大きいから、無視することはできない。家族の一員のようなものだ。だから、ふさわしいものでなければならないんだ...

ピアノはフルートやヴァイオリンみたいに押入にしまっておく楽器じゃない。あんたはピアノといっしょに暮らすことになるし、ピアノのほうもあんたといっしょに暮らすことになる。ピアノは大きいから、無視することはできない。家族の一員のようなものだ。だから、ふさわしいものでなければならないんだ!

Posted byブクログ

2025/12/27

ピアノの先生に、世界の色んなピアノの事が買いてある小説だよ、とお薦めされて。 キンボールのピアノがきっかけで海外製のピアノに興味を持ち、 世界にはどれだけ私が知らないピアノが溢れているんだろう、と軽い興味で読み進めましたが、 これからピアノと生きていく自分を想像して、豊かな気持...

ピアノの先生に、世界の色んなピアノの事が買いてある小説だよ、とお薦めされて。 キンボールのピアノがきっかけで海外製のピアノに興味を持ち、 世界にはどれだけ私が知らないピアノが溢れているんだろう、と軽い興味で読み進めましたが、 これからピアノと生きていく自分を想像して、豊かな気持ちになれる作品でした。 ピアノの音色の美しさを一度でも味わった事がある人なら、きっと、「自分ならどんなピアノを迎えようかな」と想像を巡らせるだろうと思います。 作品の流れとしては少し冗長だな、と思う場面もありましたが、ピアノの構造や作られた年代、国による違いなど繊細な表現が面白く、詳しくない人でも楽しめる作品だと思います。

Posted byブクログ

2025/12/19

ピアノ調律師が出てくる本…で、真っ先に浮かぶ珠玉の随筆本。 パリに暮らすアメリカ人が、古めかしいピアノ工房を訪れる。簡単に他所者には門を開かないそこにようやく足を踏み入れることを許されれば、待っていたのは、ピアノを愛する人間にとってまさに理想郷。 著者がそこで過ごす時間は、至...

ピアノ調律師が出てくる本…で、真っ先に浮かぶ珠玉の随筆本。 パリに暮らすアメリカ人が、古めかしいピアノ工房を訪れる。簡単に他所者には門を開かないそこにようやく足を踏み入れることを許されれば、待っていたのは、ピアノを愛する人間にとってまさに理想郷。 著者がそこで過ごす時間は、至福としかいいようがない。古い楽器が居並ぶ場に佇み、自分だけのピアノに出会い、生粋のパリジャンである工房の主と友になり、取引を終えたあとも交流がつづく。愛すべき楽器を部屋に迎え、定期的に調律し、レッスンを再開し、音楽の師に出会う。 プロのアーティストになる、という意味での「成功」を目指さない奏者にとって、ひとつの理想の楽器との付き合い方じゃないだろうか。 エラール、プレイエル、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、シュティングル、スタインウェイ、星々のように散りばめられた名門メーカーの名。そして、現代的な価値観が息づく新しいピアノ、ファツィオリまで物語は続く。 贅沢で美しい時間が、まるで果物の蜜のようにあふれるほど、たっぷりと含まれていた本。 日本では2001年の発刊。久々に読もうと本棚から取り出してみたら、すっかり紙が茶色くなってしまっていた。本の中身は古き良きものを礼賛しているのに…かなしい。 ところで、発刊から幾年か前に執筆されたであろうこの本には、インターネットが出てこない。 それがまるで夢の中のように遠く、浮世離れした空気を醸し出していることに(そして、浮世離れしていると感じる今の自分に)びっくりする。 本に出てくる調律師はジョスというけれど、彼よりも印象的なのが、主要人物のリュック。古いピアノを蘇らせる職人であると同時に、それを誰に売るかを自らの目で見極めていた工房の若い主。 今ではアンティークピアノの取引なんて、それこそネットなしでは成立しないはず。 リュック、今どうしているだろう。彼も変わってしまったかな。 もう一度読みたかったけど、美しい思い出が茶色く褪せてしまうのが惜しくて(あと普通に目が疲れるので)、なんだか手が止まっているところ。 紙質が改善されているなら買い直したいな。

Posted byブクログ

2024/12/14

タイトルに惹かれて手に取った。パリ左岸のピアノ工房。なんて素敵な響き。ジャケ買いならぬタイトル買い。しかも「〜堂」という名の街の古本屋での出会い。渋いね。たまにはこんな出会いもいい。 パリを流れるセーヌ川の左岸は、パリらしからぬ静けさをまとう、職人が集まる地域だそう。そこに越し...

タイトルに惹かれて手に取った。パリ左岸のピアノ工房。なんて素敵な響き。ジャケ買いならぬタイトル買い。しかも「〜堂」という名の街の古本屋での出会い。渋いね。たまにはこんな出会いもいい。 パリを流れるセーヌ川の左岸は、パリらしからぬ静けさをまとう、職人が集まる地域だそう。そこに越してきて暮らしているアメリカ人の男。子供の幼稚園の送り迎えの途中で見かける楽器屋の店構えに惹かれる。ある日勇気を出して店に入ると、そこは一見さんお断りのピアノ修理工房だった。 幼い頃に習っていたピアノ、大人になったいま、もう一度ピアノが身近な暮らしをしたい。古いピアノを生き返らせて世に送り出す若い職人の男と、"自分の"ピアノとの出会いを探す主人公が、徐々に仲を深めていく。アメリカ人から見たフランス文化、楽器としてのピアノの奥深さ、ビンテージのピアノを愛でる習慣、音楽がある暮らし…豊かさがにじみ出る展開。 と、100ページほど読み進めてようやく気づいた。これ、小説じゃなくてノンフィクション…!なんと。素敵だなぁ。 ピアノって、家具としての存在感もあるところが良くて。持ち運べないから、ピアノ弾きは行く先々で様々な顔のピアノに会う。行く先々でそこに鎮座するピアノがあり、家には自分のためだけのピアノがある。ピアノは、その場所の歴史を吸い込んでる。 子供の頃ピアノを習っていたのにおとなになってからご無沙汰、という人は多いと思う。かくいう私もそう。そんな人のピアノ熱に火をつけること間違いなしの描写が満載。宮下奈都の羊と鋼の森を少し彷彿とさせる。

Posted byブクログ

2024/03/24

もう10年以上前に読んだ。 ピアノ工房の本で、セジュールのピアノについて考え想像し、自分のピアノもセジュール(居間)にふさわしいものを選んだことを思い出す。 ピアノと言えば木材で、地球環境よ影響を受けた木そのもののことから、◯◯年製のピアノなら酸性雨の影響を受けていないなど考え...

もう10年以上前に読んだ。 ピアノ工房の本で、セジュールのピアノについて考え想像し、自分のピアノもセジュール(居間)にふさわしいものを選んだことを思い出す。 ピアノと言えば木材で、地球環境よ影響を受けた木そのもののことから、◯◯年製のピアノなら酸性雨の影響を受けていないなど考えたものだ。 日本のピアノ工房だって負けないものだと言いたいところだが、やはりヨーロッパの工房から学ぶことも多いしこの物語のような温かな時が流れたらと思う。

Posted byブクログ

2024/03/21

ピアノを中学生まで習い、それからも趣味で弾いている程度の自分からしたら羨ましいような、深いピアノの世界を覗かせてもらった。 ピアノを愛する人との出会い、本当に羨ましさしかないし、どんな音のピアノか文章でなんとなく伝わっても、読んでいるだけではもどかしくなる。 ファツィオーリもシュ...

ピアノを中学生まで習い、それからも趣味で弾いている程度の自分からしたら羨ましいような、深いピアノの世界を覗かせてもらった。 ピアノを愛する人との出会い、本当に羨ましさしかないし、どんな音のピアノか文章でなんとなく伝わっても、読んでいるだけではもどかしくなる。 ファツィオーリもシュティングルも、この目で見て、触ってみたい。 著者は良い師にも出会えていて、大人になってからピアノを習い直すのもいいなぁと感じた。

Posted byブクログ

2024/01/25

何かを愛するということや、身の回りの人を大切にするということ。 自分の中に主義や行動原理を持つことで、それらが叶うことがあるようにも思います。 自分の目指すものを自分が知っているということは、何かを作り続けるうえでとても大切なこと。これは私の仕事にも言えることで、最近人との会話...

何かを愛するということや、身の回りの人を大切にするということ。 自分の中に主義や行動原理を持つことで、それらが叶うことがあるようにも思います。 自分の目指すものを自分が知っているということは、何かを作り続けるうえでとても大切なこと。これは私の仕事にも言えることで、最近人との会話を通して考えていたことが腑に落ちた感覚。 大切なものを持っている人は他人の大切なものも大切にできるのだと、改めて感じられる素敵な本。

Posted byブクログ

2024/01/07

主人公のカーハートが、パリ カルチェラタンのピアノ工房に偶々立ち寄るというセレンディピティからピアノを巡る物語は展開する。外国人や一見の客を歓迎しないフランスで、紹介者を介して経営者のリュックが初めて彼をピアノを保管・修理している店の奥の部屋に入れてくれたとき、カーハートは漸く仲...

主人公のカーハートが、パリ カルチェラタンのピアノ工房に偶々立ち寄るというセレンディピティからピアノを巡る物語は展開する。外国人や一見の客を歓迎しないフランスで、紹介者を介して経営者のリュックが初めて彼をピアノを保管・修理している店の奥の部屋に入れてくれたとき、カーハートは漸く仲間に入れてもらえる。そこでピアノを愛する人々との交流を広げ、リュックや工房を訪れる人々からピアノに関する様々な専門的な知識、ピアノの構造や製作の歴史、調律師、奏者、製作者、修理人の苦心や技巧等のピアノを巡る様々なエピソードを教わる。「ベートーヴェンでさえ十六分音符と三十二分音符のあいだの音は指定できなかった。そういう記譜法はないからだ。つまり、楽譜は近似的なものにすぎないということだ。」 音楽的素養皆無の自分にとっても、ピアノの関心を抱かせる一冊でした。

Posted byブクログ

2023/09/24

ノンフィクションという名の物語。 ピアノという楽器にこれだけ特化してお話が書けることにそもそも驚く。 音楽じゃなく、曲じゃなく、作曲家でもない、楽器そのものに魅了された人々。 いろいろなピアノを聴いてみたくなるじゃないの。

Posted byブクログ

2023/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

パリに住むアメリカ人ライターである著者が、子どもを幼稚園へ送った帰り道、ふと見かけたピアの工房に心惹かれたところから始まる、ピアノを巡るノンフィクション。 静かな住宅街にピアノの部品や修理工具販売の店があって、商売になるのだろうかと思ったのがはじまり。 毎日その店を観察して、気になりすぎて「中古のピアノを買いたいのだけど…」と客を装って店に入るが、けんもほろろに扱われる。 しかし懲りずに「いいのあった?」と通ううち、当時店主のアシスタントだったリュックに、「誰か信頼できる人の紹介であれば、お客さんとして認めますよ」と言われ、知り合いを通じてついに店の奥にある、ピアノ工房に足を踏み入れることができた。 そこから広がる著者のピアノを巡る旅。 工房に運ばれるのは、修理を待つ古いピアノばかりだが、その中に名品と言われる者も多数あり、リュックはただのピアノ修理士ではなく、そのピアノと相性の良い持ち主(ピアノを弾く人)との仲を取り持つ、仲人のようなものでもある。 良い音を出すピアノというのはどういうものか、ピアノができてから西洋音楽はどう変わったのか等を、毎回リュックの工房で話しながら学んでいく著者。 そして、実際にリュックからピアノを買い、ピアノのレッスンを再開した著者は、先生による指導法の違いからも、ピアノや音楽についての考察を深めていく。 今のピアノ指導法は、間違いのない演奏を大前提として、指使いや曲の解釈なども決められたとおりに弾けることを良しとする。 だけど大切なのは正しい演奏ではなく、表現したいものを正しく表現できるかどうかなのだ。 人前で弾くだけがピアノのありかたではなく、自分の楽しみのために弾くことがあってもいい。 250キロのピアノを背負い、階段を上って運ぶ多分ピアノ専門の運送会社の配達員。 腕はいいけれどアル中のオランダ人調律師。 世界最高のピアノを作るために、ピアノの音作りを一から考え直したイタリアの会社。 それぞれのエピソードが流れるメロディーのように頭の中でイメージされる。 その心地よさのため、時間がある限り一気読みを是とする私が、意識的に休み休み余韻を楽しみながら読んだ。 読み終わった後、くらもちふさこの「いつもポケットにショパン」を読みなおしたくなった。 麻子は、きしんちゃんは、この本を読んだらどんな感想を持つだろうか。

Posted byブクログ