パリ左岸のピアノ工房 の商品レビュー
昔ながらのパリの街角に、迷い込んだら抜け出せない不思議な魅力を持つピアノ修理工房。この工房の描写が素晴らしい。差し込む光とピアノの音色とそれらの経た年月の重みが虹色になって輝くイメージで、この夢のような風景を味わうためだけに何度も再読しました。 異邦人である著者が、ピアノを中心と...
昔ながらのパリの街角に、迷い込んだら抜け出せない不思議な魅力を持つピアノ修理工房。この工房の描写が素晴らしい。差し込む光とピアノの音色とそれらの経た年月の重みが虹色になって輝くイメージで、この夢のような風景を味わうためだけに何度も再読しました。 異邦人である著者が、ピアノを中心とするパリの人々のつながりの中にゆっくりゆっくり溶け込んでいく様子が、丁寧に描かれています。
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セーヌ左岸、カルチエ・ラタンのあたりにひっそりと存在するピアノ工房。オーナーのリュックと、そこに集う人々。そして何種類ものピアノ。この小説の全体はフィクションなのだろうか、あるいは限りなく筆者の体験に忠実に描かれているのだろうか。いずれであれ、この小説にはパリに固有の空気とノスタ...
セーヌ左岸、カルチエ・ラタンのあたりにひっそりと存在するピアノ工房。オーナーのリュックと、そこに集う人々。そして何種類ものピアノ。この小説の全体はフィクションなのだろうか、あるいは限りなく筆者の体験に忠実に描かれているのだろうか。いずれであれ、この小説にはパリに固有の空気とノスタルジーが横溢する。「蜂蜜みたいな音のする」プレイエル、「鍵盤に息を吹きかけても音の出る」エラール、ベートーヴェンの弾いたかも知れないヨハン・ゴッティング、そして著者の愛器ヴィーン製のシュティングル。ため息の漏れるような物語だった。
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もう3~4年前くらいに読んだけど、今更思い出して登録。アメリカ人ジャーナリストが書いた、どことなく小説感のある長編エッセイです。 パリに暮らす人々の生活感や、職人さんの頑固さがちょっとコミカルで面白い。そして、これでもかというくらいのピアノに関するうんちく。 知りたがりの私の欲...
もう3~4年前くらいに読んだけど、今更思い出して登録。アメリカ人ジャーナリストが書いた、どことなく小説感のある長編エッセイです。 パリに暮らす人々の生活感や、職人さんの頑固さがちょっとコミカルで面白い。そして、これでもかというくらいのピアノに関するうんちく。 知りたがりの私の欲求を満たす知識量で、結構勉強になります。 とはいえ仕事と家事で時間がない私は当時も読むのに相当時間がかかったけど、現在この本はピアノ大好き音楽大好きな娘の部屋の本棚に鎮座。 娘は3回くらい読み返すほどハマったらしいです。
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パリのカルチェでピアノを通して著者のまわりにひろがる世界。 ピアノ修理師のリュックや調律師のジョス、ピアノ教師のアンナに伴奏者のジョン・ポール……ピアノを軸としてひろがる人々、そして、それぞれの音楽への姿勢や生き方。 そして、ピアノの歴史やその構造、ピアノメーカーについても語ら...
パリのカルチェでピアノを通して著者のまわりにひろがる世界。 ピアノ修理師のリュックや調律師のジョス、ピアノ教師のアンナに伴奏者のジョン・ポール……ピアノを軸としてひろがる人々、そして、それぞれの音楽への姿勢や生き方。 そして、ピアノの歴史やその構造、ピアノメーカーについても語られながら、ゆっくりと奥深く広がる世界を堪能しました。 ピアノを愛する人には、最初から最後まで著者の興味や世界を楽しむことができる本です。 (ただし、ピアノに興味がない人には全くおもしろくない本かもしれない。) 世界に数ある歴史あるピアノブランドのなかで、「スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハ」と、日本メーカーがその一角にはいるのはちょっと誇らしい。 ピアノが欲しいな、せめてベビーグランドくらい……と思わせてしまう罪な本でもあります。
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この本はピアノがテーマですが、読了すると、ピアノに限らず自分が今まで大切にしてきたものが益々愛おしくなります。愛すべき、「丁寧な」世界を堪能させて頂きました。
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アメリカ人の著者が生活の中で偶然見つけたピアノ工房で様々な人々やピアノとの出会いがやわらかなリズムで描かれている。 ピアノの発表会が大嫌いだったという著者の意見には大いに同意する。 誰に聴かせるでもなく、ひとりピアノに向かい合い、その音色にうっとりしたり、たまに上手く弾けたりし...
アメリカ人の著者が生活の中で偶然見つけたピアノ工房で様々な人々やピアノとの出会いがやわらかなリズムで描かれている。 ピアノの発表会が大嫌いだったという著者の意見には大いに同意する。 誰に聴かせるでもなく、ひとりピアノに向かい合い、その音色にうっとりしたり、たまに上手く弾けたりしたら小躍りしたくなるほど嬉しい、そんな音楽の楽しみ方だってあっていいじゃないか、と著者はいう。 まさに我が意を得たりだ。 この本には大仰なドラマや驚くようなどんでん返しはない。 フランス人が他人と親しくなっていくのと同じくらいゆったりとしたペースでお話もリズムを刻んでいく。 一度読みはじめたならきっとこの世界を離れたくなくなるだろう。 終わりがあるから尊いのは百も承知なれども。
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ピアノにはそんなに興味はないが自分の好きなモノに置き換えて読んで見ると、言いたいことが理解できるように思える。特にモノ好きな方に推奨。
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大好きな本。中古の、でも由緒あるピアノが、まるで宝石のように大事に扱われている、知る人ぞ知るピアノ工房。この工房に、行ってみたくてたまらない。私も自分にぴったりのピアノを選んでもらいたい。
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ピアノをめぐる冒険の本でした。ベヒシュタインもスタインウェイもしらない、ましてファツィオーリなんてなんのこっちゃのわたしがこんなに楽しく読めるとは!
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パリの下町に住むアメリカ人著者が、一見さん お断りのピアノ工房に何とか潜入し、繰り広げる ピアノ好きな人との交流。 グランドピアノを一人で運んできた運搬業者のくだりは 笑える。 ファツィオリの工場見学も行ったらしいが、その辺りは かなりまとまりがない。 朝礼で紹介した。
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