有限と微小のパン の商品レビュー
圧倒的なボリウムがあるのだけど、一気に読める。動機ではなく、人の命を奪うという行為の表象をえがくとこうなるのだと。Fになるからここまできちんと軸が通っている。ラストも爽快感がある。
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現実と虚構をテーマにしたのは面白かったが、ミステリーとしての面白さとは違うかな。 「人間の能力とは、現象を把握することだ。現象と現象の関係を結ぶことだよ。それはつまり、問題を組み立てる、何が問題なのかを明らかにすることだ。」(459頁)
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【あらすじ】 日本最大のソフトウェアメーカー「ナノクラフト」。長崎県に本社を構え、その傍で大規模なテーマパークを経営していた。社長の塙理生哉は事業の中心となる非常に優秀なプログラマであり、また萌絵が幼い頃の許婚でもあった。研究室のゼミ旅行の先乗りで長崎を訪れた、萌絵と2人の友人。しかし、彼女らを待ち構えていたかのように続発する奇妙な事件。意味深なメッセージ。一方犀川はナノクラフト製のゲームに現れる不可思議な演出の話を聞き、予定を変更して即座に長崎に向かう。現実離れした出来事、質感の伴わない相手との対話。一連の出来事の背後に見え隠れするある存在。すべては、あの天才によるものなのか、それとも……。 【感想】 これで、犀川先生と西之園萌絵のコンビの物語が終わってしまうんだ…そう思うと読むのがすごく惜しいという反面、この分厚い本の中にどんな世界が広がっているのだろうという好奇心が相まって、なかなか読めずにいた。でもいざ読み始めるともう止まらなかった。一気に読んでしまった。ここに来てやっと、真賀田四季が姿を現す。そしてみんなを弄び、操り、あり得ないような事件を次々と起こしていく。ナノクラフトというハイテクな研究や仕事が行われている会社が経営するテーマパークに来た、反町愛と牧野洋子と萌絵、この3人組がわたしはみんな全然違うタイプだけどこのトリオは大好きだ。そんな3人や犀川先生それらを取り巻くみんなを、いろんな危険がどんどん襲う。それが、これでもかというほどで、よくこんなにもまあ思いつくなと思った。でも、それほどの恐怖を与えられるのは逆にすごいなとも思った。真賀田四季は何者なのか。結局のところ、わたしにはわからなかった。これは、四季シリーズを読むことで少し何かわかることがあるのだろうか。とにもかくにも、S&Mシリーズは本当に楽しむことができた。わたしに森博嗣の楽しさを教えてくれた、大切なシリーズだった。
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3 S&M最終作。長崎のソフトメーカーナノクラフトで起こるVRを扱った殺人事件の話。真賀田四季が登場。株主の萌絵のための狂言に絡めた話への導入があっさりだし事件の動機とかは詳細に語られず事件の話よりも真賀田四季と犀川、萌絵との絡みが主題な感じ。 君が親の夢は子供に嫌われる。道具等の比較で人間の価値は研ぎ澄まされた思考。生と死、現実と虚構の境界は、煙草が吸えるか否か程度らしい。VRとの絡みで現実との境の曖昧さやAI社会への導入が感じられる。四季との話はまだまだ続きそうな感じ。
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こ、これで終わり?と思わず残念に思いました。 舞台は長崎のテーマパーク。 ゼミの旅行のため、株主特権で優待旅行をそこに決めたのは萌絵でしたが、萌絵の行くところ当然のように次々と事件が。 真賀田四季で始まったシリーズでしたが、締めも真賀田四季。 何だかいいようにけむに巻かれ、全く予...
こ、これで終わり?と思わず残念に思いました。 舞台は長崎のテーマパーク。 ゼミの旅行のため、株主特権で優待旅行をそこに決めたのは萌絵でしたが、萌絵の行くところ当然のように次々と事件が。 真賀田四季で始まったシリーズでしたが、締めも真賀田四季。 何だかいいようにけむに巻かれ、全く予想もできないままに終了。 その最後はずるいです。 そのせいで二人がくっつくかくっつかないか、もうどうでもよくなったところが不思議。 天才と秀才の思考回路はわかりません。
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読了。 有限と微小のパン / 森博嗣 「すべてがFになる」から始まるS&Mシリーズ最終巻 満を持して真賀田四季登場。 ネタバレになるのかしら... って序盤から存在が早く出てくるけど。 哲学的で相変わらず難しい、そして分厚い。 普通に犀川先生とかと接してたらたぶんついてい...
読了。 有限と微小のパン / 森博嗣 「すべてがFになる」から始まるS&Mシリーズ最終巻 満を持して真賀田四季登場。 ネタバレになるのかしら... って序盤から存在が早く出てくるけど。 哲学的で相変わらず難しい、そして分厚い。 普通に犀川先生とかと接してたらたぶんついていけない。 常人には理解できない境地にいる感じですかね。 萌絵と犀川の今後はどうなるのか 続けていこうと思えばいける終わり方でしょうかね。 真賀田四季の題材にした 四季シリーズ春夏秋冬でも今度見てみるかな。 真賀田四季で始まり真賀田四季で終わる。良いと思います。 面白かったです。
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これでS&Mシリーズ完結。冒頭からいきなり登場で内心「おおっ」と思いました。そこからの、流れは緊張感抜群で800ページ超えの分量は気になりませんでした(かなり、重いのには閉口しましたが)。トリックはネタばらしされれば、なーんだって感じ、動機がいまいち不明なのもこのシリーズらしいけど、面白かった。っていうか、終わってないじゃん!こうやって、人は森沼にずぶずぶと嵌っていくのですね……気分も新たにVシリーズへと突入しようと思います。
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シリーズ最終巻。長崎のテーマーパークで死体が発見される。警察が駆けつけた時には死体は無く、腕だけが残っていた。次々におこる不可解な事件の陰にはあの天才の影が垣間見える。本作の大本のトリックは単純だが、細かいトリックは見抜くのが難しいと感じる。謎を解く鍵は「西尾維新」、「幾何的に空間を捉える」、そして「天才にしか思いつかない大胆な発想」だろうか。この作品で、西尾維新がペンネームを決めたのではないかと感じる。これこそが最大のヒントだろう。本作とすべてがFになるの副題は逆になっているが、内側と外側にも着眼して頂きたい。
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はぇ~すっごい長い……。 なんかもう真賀田四季のせいで精神不安定で情緒不安定だ。 私は平凡に暮らしていたい。
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集大成という言葉がぴったり。 S&Mシリーズが終わってしまった。 この後、短編や他シリーズで犀川と萌絵が登場することを知っているからこそ、二人の関係の描写が不完全燃焼なところは飲み込める、知らなかったらすっごいモヤモヤしそう。 それにしても、真賀田四季の存在感はシリ...
集大成という言葉がぴったり。 S&Mシリーズが終わってしまった。 この後、短編や他シリーズで犀川と萌絵が登場することを知っているからこそ、二人の関係の描写が不完全燃焼なところは飲み込める、知らなかったらすっごいモヤモヤしそう。 それにしても、真賀田四季の存在感はシリーズ全編を通しても圧倒的過ぎる。登場するだけで、物語に緊張感が増す。 学生時代に、「どんなに理系の方が文系より頭の回転が早く、頭が良く、文系よりすごいと言われたとしても、結局国を動かすのは文系なんだよね」っていう話にすごい共感したのだけど、 このシリーズを読んでいると、実は文系は理系の手の平で転がされ、踊らされているだけでしたっていうのが現実なんじゃないか?って思ってしまう。 そういえば、事件が解決した後に、「もうこりごり?」「・・・俺に」と聞いた犀川先生にキュンとしました♡
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