有限と微小のパン の商品レビュー
人間的な欲望に突き動かされる物語ではなく、あくまで精神の充足を求める人同士の問いと応答の応酬を描いた物語だった。そしてこの物語は、何らかの形で描かれ続ける、という期待が持てる終わり方でした。 冒頭から終盤までは、パラシュートを背負わず空に放り出されたような緊張感があったのに...
人間的な欲望に突き動かされる物語ではなく、あくまで精神の充足を求める人同士の問いと応答の応酬を描いた物語だった。そしてこの物語は、何らかの形で描かれ続ける、という期待が持てる終わり方でした。 冒頭から終盤までは、パラシュートを背負わず空に放り出されたような緊張感があったのに、地上が近づくにつれ急激に重力が弱くなり、緩やかに地上に降り立った。物語の中から夜明けの光を浴びて滑らかに目覚めたような、今まで読んだどの小説とも違う爽やかな読後感でした。 全十巻の大作をどのように完結させるか?それはとても難しいことですし、正直それほど期待していませんでしたが、森先生は、想像していた方法とは全く違うやり方で物語を収束させたのです。そうです森先生は、概念の狭間にあって、両極に同時に存在することが可能なのです。 それにしても、今回のどんでん返しは、まるで道尾秀介さんの『カラスの親指』並みにすごかったですす。もう、私は、萌絵が犀川先生を慕う以上に、森先生を慕っています(^^; 犀川先生に接近するあの方の気持ちを追って、次は、Vシリーズ、その次は、いよいよ四季シリーズ、更にGシリーズへとダンジョンを進みたいと思います。
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まじかぁ...!まじかぁ...ッ! この展開はズルいぞ!予測できるわけがない! 見事に裏切られたわ(褒めてる)
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大団円としては相応しい諸々の回収の仕方。ちょっと四季博士のスペック上げすぎ?な気もしたけど、長大なストーリーをだれずに読めたのはさすがの筆力というか。面白かったです。
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ドラマから入ってよくわからなかったことが本だとよくわかる。難しいけど少しくらいは理解できたかな。また再読したい。
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本棚にある本、再読月間。 Fから読み返してやっとここまで。 四季と犀川先生の会話に考えさせられる。 読書メーターのレビューデータが消えてしまったのでお引越しσ^_^;
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あぁ終わってしまいました。 最後はきちんと真賀田四季と対決だったんですね。謎については萌絵よりな気持ちだけど才能ある人同士のやりとりはわからないなりにまるごと受け入れただただ感心です。 ある意味認め合う存在なんだなぁ。 犀川先生はずっと変わらないつもり? 萌絵がこれからも振り回し...
あぁ終わってしまいました。 最後はきちんと真賀田四季と対決だったんですね。謎については萌絵よりな気持ちだけど才能ある人同士のやりとりはわからないなりにまるごと受け入れただただ感心です。 ある意味認め合う存在なんだなぁ。 犀川先生はずっと変わらないつもり? 萌絵がこれからも振り回して変えていくことを想像して他のシリーズにいきたいと思います。
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再読によるレビュー。 これほど美しい世界があるのだろうか、と改めて実感する。うまくまとめられない、それこそ言葉に置き換えることなんて不可能なのかもしれない。 S&Mシリーズ最終巻となる締めくくりには、やはり天才が現れる。事件どうのというより、リアリティとは何か、ヴァーチ...
再読によるレビュー。 これほど美しい世界があるのだろうか、と改めて実感する。うまくまとめられない、それこそ言葉に置き換えることなんて不可能なのかもしれない。 S&Mシリーズ最終巻となる締めくくりには、やはり天才が現れる。事件どうのというより、リアリティとは何か、ヴァーチャルとは何か、そもそもその存在を求める理由はなんなのか。思考している自分を改めて意識してしまう。実に壮大な話で考えていかなくてはなかなか微小な脳は追いつけない。そもそも追いつくことなどできないのかもしれない。 四季シリーズではなくS&Mシリーズの正しく「最終巻」と云えるだろう。 ミステリを求める人にはそもそも森作品を純粋にミステリとして読まないだろうが、ある意味で莫迦ミスと云えなくもない、と思えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
S&Mシリーズおしまい。 これが書きたいがためのシリーズだったのかと思わせる。 見え隠れする四季の存在にどきどきした。 ミステリとしてのトリックは拍子抜けというか、それでいいの?という感じだけど、そう思わせないためのたくさんの布石があって、これぞ森ミステリって感じ。 犀川先生と四季の最後はとってもすてきだったけど、萌絵が…。萌絵ちゃん可哀想すぎの最終話だったな。 シリーズ追うごとにみんな成長して、犀川先生も萌絵も、四季さえもすごく魅力的になって、これが最後なんで悲しい… さあ、次はまったく読んだことのないVシリーズにいく! 女王の百年密室までどう繋がるのか、森博嗣ブーム終わらないわ。
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かなり分厚い本でした。 いい意味で裏切られました。 シリーズ最後にふさわしい内容だったと思います。 二人の関係を思うと少し寂しい終わり方だったかな。 面白かったです。 是非再読してみたいと思います。
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S&Mシリーズ最終作。 有名作である第一作の「すべてがFになる」の真賀田四季が再登場。 スピンオフ作品が出るほど作者の思い入れもあるキャラクターだけあって、 伏線の張り方、回収の仕方共にかなり練り込まれていました。 素直に面白かったです。
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