エンデュアランス号漂流 の商品レビュー
30前後の頃「MBAが薦める100のビジネス書」みたいなリファレンス本にピックアップされていたのがきっかけで読みました。確か、リーダシップとはどうあるべきかというような薦め方だったと思います。 当時、仕事で迷うことも多く、色々勉強しなきゃとリファレンス本に挙げられたものを片っ端...
30前後の頃「MBAが薦める100のビジネス書」みたいなリファレンス本にピックアップされていたのがきっかけで読みました。確か、リーダシップとはどうあるべきかというような薦め方だったと思います。 当時、仕事で迷うことも多く、色々勉強しなきゃとリファレンス本に挙げられたものを片っ端から読んでいました。 ただ、ビジネス書、それも横書きの本読むの苦手なんですよね〜。なんでその手を一冊読んだら、小説や物語的な楽に読めるのを一冊読むというようなリズムで読んでました。この本はその読みやすい後者の方です。 物語は、南極探検に行って、船が氷に挟まって壊れて沈んでしまった探検隊の南極脱出帰還の実話、フィクションです。 なので、道中ほんと退屈な場面(天候が悪くてできることがなかったので、来る日も来る日も寝て過ごしたとか)もありますが、最後のスピード感は圧巻です。 今回、書籍紹介をしようと読み返しましたが、やはり寝不足にw MBAが薦める…では、リーダシップの教科書のように紹介されてましたが、リーダーのシャクルトンを筆頭に、何があろうと諦めない、探検隊全員の不屈の闘志が凄い。 隊員方々の日記やインタビューに基づいた実話だということを忘れるぐらい、常軌を逸したシチュエーション、苦難の連続とその度に這い上がる人たちの姿がよく描かれています。仕事にくじけそうな時に読んだら、自分の悩みや苦境なんて屁でもないと思えること請け合いです。 南極探検なんで、気温がマイナス何十度とか、ボートに入った水が凍りついてボートが沈みそうになるとか、テントの下の氷に亀裂が入ってテントごと南極の海に落っこちるとか、野ざら寝袋も濡れているけど、疲労で寝落ちとか、もうヌクヌクとした部屋で読んでいたのでは、とてもとても想像力が追いつきません。せめて風雨の厳しい寒い日に読んでいただきたい。
Posted by
正直に言えば読み始める前はそんなに期待してなかったし、最初の方を読んでる間も、そこまで期待はしてなかった。んだけども、読み進めるうちに、驚くほど引き込まれるというか、なんつーか、この人たちスゲーな、と。読んでるとずっと同じ状況だからだんだん気にならなくなってくるけど、氷点下20度...
正直に言えば読み始める前はそんなに期待してなかったし、最初の方を読んでる間も、そこまで期待はしてなかった。んだけども、読み進めるうちに、驚くほど引き込まれるというか、なんつーか、この人たちスゲーな、と。読んでるとずっと同じ状況だからだんだん気にならなくなってくるけど、氷点下20度くらいの状況で、水浸しになりながらでも寝るとか、もう意味が分からんレベル。ちょっと寒くなったから風邪ひいたわー、とか言ってられん。てか白人が常に半袖着てるのも頷ける。やつらは明らかに北方民族で、日本人は絶対南方から来たに違いない。 それはさておき、冒険談とはいっても実話なんで、一週間毎にすげーイベントが待ってるでもなく、厳しい毎日が淡々と過ぎるだけなんだけども、そこらへんをうまく面白く書いてるのは著者の力量なんかな。いやー、期待外れに面白くて焦った。しかしなによりびびったのは、この漂流に関する話をいろんな人が本に書きまくってるって事かもしれぬ。
Posted by
「事実は小説より奇なり…」と使い込まれた言葉がある。 数多の物書きが頭を悩ませ、プロット、キャラ、伏線、構成などなどキラ星のごとくの作品を生み出したとしても、このドキュメンタリー「エンデュアランス号漂流」におけるそれぞれにを前にしたら、裸足で逃げ出すに疑いの余地なしと思われる。...
「事実は小説より奇なり…」と使い込まれた言葉がある。 数多の物書きが頭を悩ませ、プロット、キャラ、伏線、構成などなどキラ星のごとくの作品を生み出したとしても、このドキュメンタリー「エンデュアランス号漂流」におけるそれぞれにを前にしたら、裸足で逃げ出すに疑いの余地なしと思われる。 今からちょうど100年前に極地で起きた極限のサバイバル、28人の男たちの奇跡の生還劇の全容を、丁寧な取材を元に、読者を29人目の隊員として極地へ駆り立てる。 現在とは比較のしようもない装備、それでも決して諦めず己のすべきことをひたすら全うする男達に奇跡は訪れる。最高の読後感、自然への畏敬に自然と頭の垂れる思いがした。
Posted by
まさかちょうど100年も前にこのような冒険がなされていたなんて。 南極圏で船が流氷帯で動けなくなりその結果、船が沈み漂流することになったのに、28人の隊員全員が無事生還されたという奇跡的なお話です。それが出発してから生還するまでに17ヶ月もかかったとのこと。 当時の英国がどのよ...
まさかちょうど100年も前にこのような冒険がなされていたなんて。 南極圏で船が流氷帯で動けなくなりその結果、船が沈み漂流することになったのに、28人の隊員全員が無事生還されたという奇跡的なお話です。それが出発してから生還するまでに17ヶ月もかかったとのこと。 当時の英国がどのような時代なのかは想像できませんが、100年前のお話ということで装備や燃料、食料、衣服などを思うと現代の冒険とはとても比べものにならない困難や危険性が伴っていると思います。 そしてその時代にあのような素晴らしい結末。度重なる苦難の中でもその奇跡が起こったのは、リーダーのシャクルトン氏の素晴らしく機転がきいた判断や統括力、そして28人の隊員の方たちの明るく前向きな性格やそれぞれの人生経験による判断、限られたモノしかない中での様々な工夫が冒険を成功させたのだと感じます。 このような冒険小説を読むと、甘えある性格の自分に喝を入れ、大きな勇気と、そしていざ困難に遭遇した際には必ずこのお話を思い出すと思います。そして決して諦めず困難に立ち向かおうと思える気持ちになるはずです。 最後に星野道夫さんの希望によりこのお話の翻訳、出版が実現するきっかけになったとのこと。このお話をどこかで知ってからずっと気になっていたことを思い出し、出版年がもう古いため図書館の地下室で、でもまだ綺麗な状態で見つけました。登場人物が多かったり少し読みづらいところもありますが、学べることが数多く、ぜひ多くの方に読まれることを願っています。
Posted by
歯がゆい。登場人物の忍耐と向き合う読者にも忍耐が要求される本。自分は何度もスタミナ切れかけたけど、ラストの場面の感動は隊員とともに味わえた。
Posted by
南極近くで座礁して沈没。シャクルトン以下26名は、大海原を漂う1本の浮木のように、1年半以上の漂流のあと、27名誰も命を落とすことなく生還した。人の生活がある場所へ命からがら辿り着いたときは心が震えた。運や、一つ一つの命を分けた選択。そのすべてが彼らを救った。 我々は、いかに自...
南極近くで座礁して沈没。シャクルトン以下26名は、大海原を漂う1本の浮木のように、1年半以上の漂流のあと、27名誰も命を落とすことなく生還した。人の生活がある場所へ命からがら辿り着いたときは心が震えた。運や、一つ一つの命を分けた選択。そのすべてが彼らを救った。 我々は、いかに自然というものから目をそらして浅ましく都市生活を営んでいるかを痛感する。 流氷の上に生活することは、それが猛烈な速度と圧力とぶつかり合って壊れたり沈没したり風と潮の流れに任せて大海原をあてもなく漂うことだし、数え切れないほどの鳥の群れの下にいることは絶え間無く糞が落ちてくるということだし、太陽が何日も見えなければ気も狂いそうになるし、けれどそんな単純な自然の摂理さえ本を読んで始めて納得する。
Posted by
世界最悪の旅,アムンセンとスコット,エンデュアランス号漂流,3冊まとめて感想書きましたー。 http://blog.livedoor.jp/h_ohiwane/archives/52042346.html
Posted by
ドラマ化されたのも見ました。普通なら絶望して諦めるようなものすごい極限状態でも、諦めなかった男達が本当にすごい。そんな状況でも全員生還。人間、やってやれないことはないんだ、と思いました。座右の書です。
Posted by
成毛眞氏からのリファレンス。1914年イギリス人探検家シャクルトン率いる南極大陸横断のノンフィクション。522日間乗務員28人の記録を追う。 初っ端から衝撃の座礁w。 今日たまたまBBCで、その生態写真が掲載されていたアデレーペンギン。食べちゃってます。この人たち。ペンギンに...
成毛眞氏からのリファレンス。1914年イギリス人探検家シャクルトン率いる南極大陸横断のノンフィクション。522日間乗務員28人の記録を追う。 初っ端から衝撃の座礁w。 今日たまたまBBCで、その生態写真が掲載されていたアデレーペンギン。食べちゃってます。この人たち。ペンギンにはじまって、アザラシのステーキとか、そのアザラシのお腹に大量に入ってた魚とか、挙げ句の果てに犬ぞりの犬…。 でもそんなの関係ねぇし、氷で押し潰されて船は喪失するは、キャンプに割れ目が到達してウカウカ寝てられねえは、密航者はいるは、足は壊死するは。そして旅の最終目標は救難を求めること。冒険の本当の価値って何なのかなと。 手に汗握って読み終えて、きっとそれは勇気を後世へ与えることなんだろうなと思いました。
Posted by
探検は入念な準備の下に実施されるのが当然なのだが、この時代の船舶の性能や衣料・食糧の質あるいは耐久財の強度などに照らし合わせると、この南極大陸横断という行為は、あるいは無謀であったかもしれない。いや、いつの時代でも所詮、人間は自然の力には太刀打ちできないものなのであるということを...
探検は入念な準備の下に実施されるのが当然なのだが、この時代の船舶の性能や衣料・食糧の質あるいは耐久財の強度などに照らし合わせると、この南極大陸横断という行為は、あるいは無謀であったかもしれない。いや、いつの時代でも所詮、人間は自然の力には太刀打ちできないものなのであるということを印象付けてくれた探検記であった。そう考えながらも、一方では、人間は失敗から明日に繋がる糧を得ることによって、様々な分野で進歩・発展してきたことも間違いない事実であるということも強調したい。
Posted by