ダライ・ラマ自伝 の商品レビュー
ダライ・ラマの半生が淡々と綴られながら、その哲学や倫理が随所に紹介されています。中国とチベットの凄惨な歴史には心が痛みました。それでも希望と優しさをもち続けているダライ・ラマの懐の深さに感動です。後半に書かれている中国に向けての提案は、チベットの人々を守ることと同時に、中国の人々...
ダライ・ラマの半生が淡々と綴られながら、その哲学や倫理が随所に紹介されています。中国とチベットの凄惨な歴史には心が痛みました。それでも希望と優しさをもち続けているダライ・ラマの懐の深さに感動です。後半に書かれている中国に向けての提案は、チベットの人々を守ることと同時に、中国の人々を助ける気持ちであふれています。チベットについて、パンチェン・ラマについて、ダライ・ラマについてもっと詳しく知りたくなる一冊です。
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雑誌TRANSITのチベット特集に影響されブックオフで100円で入手。 中身はチベットの想像以上の過酷な歴史とその中心で半世紀以上戦っている僧侶の生き様だった。 歴史的な背景は主観で描かれているので自分自身でもっと勉強しなければいけないが一番強く思ったのがこんなにも過酷な人生を歩...
雑誌TRANSITのチベット特集に影響されブックオフで100円で入手。 中身はチベットの想像以上の過酷な歴史とその中心で半世紀以上戦っている僧侶の生き様だった。 歴史的な背景は主観で描かれているので自分自身でもっと勉強しなければいけないが一番強く思ったのがこんなにも過酷な人生を歩んできているのにとてもユーモアのある人だなと驚いた。 外国の訳書なので読みづらいかと思ったがこの人の性格が文章にまでにじみ出ていて最後まで一気に読んでしまった。 今、ニュースでは中国での反日デモで大変なことになっているが、暴力で物事、特にナショナリズムを含む問題は絶対に解決できるものではないと心から思った。
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世界中のひとが読むべき本。チベットの凄まじい歴史と現実を知るべきだし、満足でない定められた運命の中で、できる限りのことを精一杯考え行う生き方は世界中の人の生きる標になると思う。
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よみものとして、とても面白かった。チベットという異国の生活習慣や歴史、それに触れることはそれだけで面白い。政治的な話ももちろん面白い。ダライラマについて知れることも面白い。普遍性という点においては、一級の古典に劣るので★4にした。 この自伝で特筆すべきことは、ダライラマの感想...
よみものとして、とても面白かった。チベットという異国の生活習慣や歴史、それに触れることはそれだけで面白い。政治的な話ももちろん面白い。ダライラマについて知れることも面白い。普遍性という点においては、一級の古典に劣るので★4にした。 この自伝で特筆すべきことは、ダライラマの感想がその時によって違うということ、例えば、前半では毛主席をわりと良いイメージで表現しているのに、後半ではあまり良くないイメージで表現している。つまり、今ダライラマが持っているイメージではなくて、そのときのダライラマが持っていたイメージを表現していると思われることだ。これは、事実に忠実であろうというダライラマの意志の表れであり、なかなか誰にでもできるということではないと思う。 もちろん、その他にもダライラマのいろいろな賢い考え方が現れていて、とても勉強になる。あと、ダライラマは、既に青年、いや少年か、のころから、強い意志で、「暴力に頼らない力」を信じ抜いていることが感じられた。
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ダライ・ラマの自伝、1991年ごろまでで、自分が、1959年の中華人民共和国軍のチベット侵入、インドへの逃亡、チベット人への圧政などがたんたんと書かれている。 今は、中国は大市場として世界経済を牽引する国として人権の問題はかげに隠れつつあるが、チベットの抑圧の状況はすざ...
ダライ・ラマの自伝、1991年ごろまでで、自分が、1959年の中華人民共和国軍のチベット侵入、インドへの逃亡、チベット人への圧政などがたんたんと書かれている。 今は、中国は大市場として世界経済を牽引する国として人権の問題はかげに隠れつつあるが、チベットの抑圧の状況はすざましい。 ダライ・ラマは、1987年に5つの提案を米国議会で行っている。 ①チベット全土を平和地帯にかえる。 ②一民族としてのチベット人の存在そのものを脅かす中国人口移住策の廃止。 ③チベット国民の基本的人権並びに民主的自由の尊重。 ④チベットの自然環境の回復と保護並びに核兵器生産にチベットを利用することをやめ、核廃棄物の処理場とすることの禁止。 ⑤チベットの将来の地位並びに、チベットと中国国民の関係についての真剣な話し合いの開始。 いかにも全うな提案ではないか。 そのほか、チベット寺院はほとんどが破壊され、チベット人の自由な信仰活動も禁止されているという。 このような抑圧が中国で行われていることを、ダライ・ラマ自身がたんたんと語っている。 中国問題の必読書。
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1980年8月にジュネーブで調査結果が公表された。国際法曹家委員会は、再度チベットの見解を支持した。報告書はこう指摘している。 「中国は世界人権宣言の16におよぶ条項を犯し、チベット人の大量虐殺について有罪である。」
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自分の無知さを思い知らされた。 このごろライトな本ばかり読んでいたので、かなりずしんときた。 ものすごい重み。 何度も何度も手にとっては読み返してしまいます。
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私は思う、 無知は恥だが、 無関心は罪悪である。 ・・・・・っと。 この歳になると、人の書いたものに対しては、ちょっと眉に唾をつけて読むようになる。 特に、自伝となると、かなり斜めに構えて読むことになる。 なぜなら、彼のような立場であれば、自己の都合にいいように事実を曲げた...
私は思う、 無知は恥だが、 無関心は罪悪である。 ・・・・・っと。 この歳になると、人の書いたものに対しては、ちょっと眉に唾をつけて読むようになる。 特に、自伝となると、かなり斜めに構えて読むことになる。 なぜなら、彼のような立場であれば、自己の都合にいいように事実を曲げたり、読者の共感を得ようと必要以上に誇張してしまうからで ある。 少しでもこういう匂いが、この本から感じられたら、私は彼に対して興ざめしてしまうだろう。 まあ、こんな地雷を埋めておいて読み始めたわけである。 ・・・・・っで、読書感である。 上で書いたような杞憂は全く不要であった。 ゴメンナサイ。 ヒネクレ老人の戯言とお許し下さい。 ・・・・・っというくらい、正直な人である。ダライ・ラマという人は。 なぜ、こんなに正直になれるのだろう。 まず、自分に対して正直なのだろう。 自分が誤解しているか、記憶が正確ではないかも知れないと、まず書く前に断っている。 謙虚である。 訳者のあとがきで、なぜ彼はこんなに正直なのかを知るヒントが出ている。 日本のチベット亡命政府の代表が、 「法王は自分の実践し、体得した事しか話されません。ですから誰にでも分かるように話す事が出来るのです。」 と言っている。 まさに、この本を読んで感じた事である。 なぜ、彼のような境遇に置かれながら、彼ほど明るく、ユーモアを持ち続けられるのだろう。 やはり宗教の力なのだろうか? 仏教の持つ特質なのだろうか? そうかも知れない。 だが、彼の性格が大きいと思う。 やんちゃで、楽天的、好奇心の塊が彼の本質であろう。 観音菩薩の生まれ変わりであるという。 このような国民の信望を一心に集められる資質を、田舎の寒村に生まれた5歳の子供に、どうやって見出したのであろう。 天のお告げだという。 本当に不思議だ。 その後の修行がそうさせたのか。 生まれつき持っていた資質なのか。 最初に、無知は恥だと書いた。 私が持っていたチベットの知識は、高山にはためく旗。 「7 Years in Tibet」という映画くらいしかない。 あまり上出来な映画ではなかったが、チベット軍が中国軍に粉砕される場面が最後に取って付けたように出て来る。 この本を読んで、中国があのときしたこと(まさしくジェノサイド【genocide】であった)が分かった。 そして今も続いている事に戦慄を覚える。 本当に、私の無知を恥じる。 そして中国でのオリンピックである。 この騒ぎで、ようやくこの本を手に取ったという次第である。 突拍子もないかもしれないが、中国の女性報道官(櫻井 よしこみたいな人)、北朝鮮の女性アナウンサーと似ていませんか? 今回の、一連の聖火リレー妨害の報道、ダライ・ラマに対する一方的な決めつけ。 彼女の話しっぷりを見て、中国と、北朝鮮は本質は同じだと思うのは、私だけだろうか? ああ、書きたいことは山ほどある。 一つだけ、書きましょう。 もし、日本が中国なり、ロシアに侵略され、外国に日本の亡命政府を樹立したことを想像してみよう。 そのとき、誰を代表に立てるのだろう? 福田総理? ノー、ノー・・・・・。 ダライ・ラマのように、国民の人望を一心に集めるだけの人格を持った人。 日本にいます? やはりそれは天皇だと思うが。 そう思いません? じゃあ次に、日本から多くの難民が海外に脱出したとする。 国内は侵略者により略奪され、日本国民は日本語の教育を受けられないとする。チベットのように。 日本に侵略者は大挙して移住してくる。チベットのように。 ちょっとした言動で逮捕、投獄、拷問を受け、自由にものが言えなくなるとする。チベットのように。 侵略者は日本の文化を外国に叩き売り、自然は破壊され、核廃棄場にされる。チベットのように。 そのとき、日本人としてのアイデンティティー【identity】はどうやって守るのだろうか。 そもそも、守るべき日本のアイデンティティー とは何なのだろうか。 本当にいろいろな事を考えさせられた。 無関心は罪悪である。 どうか、皆さんもこの本を読んでください。お願いします。
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1949年からずっと、チベットが中国に侵略され迫害されているとは知らなかった。 ひどいことをされてもなお「怒りをぶつけるより、寛容を学ぶほうがはるかに有益である」と言い切るダライ・ラマはすごい。 「苦しみは無知から引き起こされる」「我々の直面している問題はほとんどが人間が作り出し...
1949年からずっと、チベットが中国に侵略され迫害されているとは知らなかった。 ひどいことをされてもなお「怒りをぶつけるより、寛容を学ぶほうがはるかに有益である」と言い切るダライ・ラマはすごい。 「苦しみは無知から引き起こされる」「我々の直面している問題はほとんどが人間が作り出したもの。解決しうるものなのだ」「科学と宗教(精神性)は矛盾しない」「ある意味で、仮想敵は友人より価値がある」 インドに入植したチベット人が、開墾作業で地面を焼き払う時、一緒に無数の小動物や昆虫を殺してしまうのを非常に心配していた。仏教徒にとっては一切の生命が申請であるが故の考えだ。風土によって文化が作られる。切り離すことは不可能なのだ。。。
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山際素男著「ダライラマ自伝」文春文庫(2001) * 仏教の根本的教理は事物の相互依存性、因果の法則である。簡単にいうならば、人が経験するいっさいのものは行為(カルマ)に基づいている。それゆえ起因こそが行為と経験の根元であり、意識と再生の仏教理論はこの認識から生まれている。まず、...
山際素男著「ダライラマ自伝」文春文庫(2001) * 仏教の根本的教理は事物の相互依存性、因果の法則である。簡単にいうならば、人が経験するいっさいのものは行為(カルマ)に基づいている。それゆえ起因こそが行為と経験の根元であり、意識と再生の仏教理論はこの認識から生まれている。まず、原因から結果がうまれ、その結果がつぎの原因となり、それがまた結果となってゆくがゆえに意識は持続的であり、経験や印象を次々に集積しどこまでも流れていく。 * お祈りをするには3つの理由がある。第一に日々の勤めをまっとうするための心構え、第二に時間を充実させるのに役立つ、第三に恐怖をやわらげることである。 * 日々の修行の大事な面は死という観念にかかわっている。人生において死にかかわる道は2つある。1つがそれを無視する。その場合、死の観念をある期間おしやることができる。一方で、自己の死の到来を見据え、それを検討し、そうすることによって死から生じる避けがたい苦しみをいくらかでも軽減しようとする。どちらにしても実際に死を乗り越えることはできない。仏教者は、死を人生の当然の経緯として考え受け入れる。死とは丁度きている衣服がほころび、古くなり、着替えるようなものではないだろうか。
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