死ぬ瞬間 の商品レビュー
『病院で死ぬということ』を読んで、この本を知る。重病により自らの死を目前にした時、人がどんなふうに考えるかが、インタービューを通して語られている。
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表題は、「死ぬ瞬間」だが、サブタイトルでは「-死とその過程について-」がつけられている。 原題は、On Death and Dying.だから、サブタイトルのほうがしっくりくるのでは、と思っていたら、 その辺の事情が、しっかり最後の訳者あとがきに書かれている。 実はこの本を年...
表題は、「死ぬ瞬間」だが、サブタイトルでは「-死とその過程について-」がつけられている。 原題は、On Death and Dying.だから、サブタイトルのほうがしっくりくるのでは、と思っていたら、 その辺の事情が、しっかり最後の訳者あとがきに書かれている。 実はこの本を年明け早々に購入したが、雑事の忙しさに感けて本棚おいた状態が続いていた。 前回のブログのようなこともあり、連休最初の私の仕事として読んでみた。 著者は、「死について忌むことに、これまでもそして今後も特に変わりはない」と冒頭で書いてくれている。 この言葉はこれからこの本を読み進めするにあたり、正直、私の気持ちをらくにさせてくれた。 逆に「死もまた人生の一部なのだ」というくだりもあるが、これは、学生時代に教わった小松美彦先生の「科学史」の講義最終日の言葉と全く同じであり、親しみを感じた。 今日、死の過程がいろいろな意味で以前よりつらいものになったという。 他者が、尊厳を持った人間としてコミュニケーションをとっているときから、 少しずつ物のように扱われはじめ、様々な“治療”が施され、莫大な金が投じられる。 私は、目的の対象が「人間」から「ヒト」に変更されるところで、一種の線引きがあると思う。 終始、人としての最期を人間と見て、扱うことの大切さが、たくさんの患者へのインタビューから読み取れる。 しかし、同時に今対峙している病気に打ち勝つかもしれないという一縷の望みをいだいてもいる。 病院における死の過程は、 疾患を認識した衝撃→その否認・孤立→あらゆることについてへの怒り→ 怒りを通り越した抑鬱→近い将来の死の受容→虚脱 と、整理されこの本も章立てされている。 この過程を踏まえた上で、 医師は余命を患者に告知する際、 あたたかい言い方だが、率直で正直な態度で、患者本人とその家族に伝えることが必要だという。 また、ほとんどの例で、信仰の対象や宗教の効用が書かれている。 人生のしめくくりは、 自分の死の「受容」を円滑に運ぶために、 自分自身が、人生の過程で、自分が納得できる何かしらの生きた証を残すことと、 いかに家族をはじめとする周囲の者との信頼関係を築いたかが重要なのではないか。
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ターミナルケアの聖書とも呼ばれている「死ぬ瞬間」。 死を迎えるにあたって、末期患者が感じること、思うこと、その家族や近親者に対すること、医師として死をどう捉えるか、など本当に多くのことを考えさせられる。 著書は死ぬ過程についてステージ分けしてあり、否認から始まり、孤立、怒り、取り...
ターミナルケアの聖書とも呼ばれている「死ぬ瞬間」。 死を迎えるにあたって、末期患者が感じること、思うこと、その家族や近親者に対すること、医師として死をどう捉えるか、など本当に多くのことを考えさせられる。 著書は死ぬ過程についてステージ分けしてあり、否認から始まり、孤立、怒り、取り引き、抑鬱、受容、虚脱、そしてそれらに準じて希望がある、という風にその段階の患者さんを例に出してインタビューやセミナーから解説してくれてとても解りやすい。 人である以上、避けられない死。 大切な人の死、自分の死。 死を考えることで生きるということ、今を生きるということを深く考えさせられる。 医療関係者には是非読んでいただきたい。
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死に瀕した複数の患者に対して、精神科医である著者がインタビューをし、それに関する解説がつく、という形の本。(インタビューは授業としてマジックミラー越しに生徒に公開されている。) 病にかかり死に瀕した患者が至る 1否認と孤立 2怒り 3取引 4抑鬱 5受容 の5段階や、患者の家族...
死に瀕した複数の患者に対して、精神科医である著者がインタビューをし、それに関する解説がつく、という形の本。(インタビューは授業としてマジックミラー越しに生徒に公開されている。) 病にかかり死に瀕した患者が至る 1否認と孤立 2怒り 3取引 4抑鬱 5受容 の5段階や、患者の家族の反応が実際のケースを通じて生々しく描かれる。 誰が、いつ、いかに患者に病の告知をすべきか、 患者が死を受け入れる準備が出来た時にそれを受け入れられない家族はどうすべきなのか、 患者が延命治療の停止を望む時、それは一時的な諦めによるのか、死の受容なのか、 難しい問題が死の問題につきまとうことがわかる。 自分や家族がこの問題に直面する前に、読んでおいても損はない気はする。本当は死に直面した時に、どういう対処を望むのか事前に家族と話しておく必要があるのだろうなあ。 それはさておき人生の儚さに触れてちょっと有意義に過ごそうと思うには良い本かもしれない。
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なんとなく題名が気になって買って読んでみた本。 著者は有名らしいけど実は全然知らなかった。 死に直面している重病患者へのインタビューを元にして死ぬまでの過程が述べられている。 人によって死に対しての受け止め方や反応が違ったり,養わなければいけない家族がいるとか死に向かう...
なんとなく題名が気になって買って読んでみた本。 著者は有名らしいけど実は全然知らなかった。 死に直面している重病患者へのインタビューを元にして死ぬまでの過程が述べられている。 人によって死に対しての受け止め方や反応が違ったり,養わなければいけない家族がいるとか死に向かう状況にいるときの自分の立場によっても受け止め方が違ったり(こう言っちゃ悪いかもしれないけど)おもしろかった。 死。とくに重病患者には避けられる言葉かもしれないけど、むしろそういうときにこそ考えなければいけないことなのかも。そう簡単にできることだとは思わないけど。 それに、そういう人たちに何が必要かって、話を聞いてあげることだよね。その分患者さんは楽になるんだから、きっと。 医者や看護師もちゃんと一緒に死と向き合っていかなきゃだよね。 なんか死に直面している人に対しての見方がかわったかも。 病院で働いているひとだけでなく、患者の家族とかみんなに読んでほしいと思ったよ。
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全ての生物に平等に与えられた死。人間だって避けて通れやしない。 むかしむかし、人々は死について経験し、向き合ってきた。 でも今は、死を臭いものに蓋をするように頭の隅に追いやる。 そんな現代人のために書かれた死についてのバイブルがこれ。 死ぬ瞬間に何を思うのか?みたいな題目ですが...
全ての生物に平等に与えられた死。人間だって避けて通れやしない。 むかしむかし、人々は死について経験し、向き合ってきた。 でも今は、死を臭いものに蓋をするように頭の隅に追いやる。 そんな現代人のために書かれた死についてのバイブルがこれ。 死ぬ瞬間に何を思うのか?みたいな題目ですが違うんです。 この本の核は、死を人々がどう受け入れて行くか。 死に対する受容までの長い過程を臨床心理学からえぐり出す。 何百人という末期患者にインタビューを重ねるごとで。 これまで死教育がちゃんと行われてこなかったため 末期患者が死についてどう考えるのかというものを誤解と偏見で 現実とはかけ離れた対応をしてしまう医者、患者の家族、友人。 そして死に向かう患者自身。 今、もし近いうちに土に還らなければならない人ならすぐに読むべし。 でも、死というものを理解するために少しでも早く読むべし。 これは間違いなく、死に対する理解を促すバイブルだ。
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高校生のとき、図書館ではじめて手にした。 当初その意味合いを理解できていなかったことに後々気づく。 自分で購入したのは10年ほど経過してからか。 自分の命の終わりを目の前にした人達に対するインタビューの内容は それは壮絶を極める。 「死が近づいているが、どんな気分か」 ...
高校生のとき、図書館ではじめて手にした。 当初その意味合いを理解できていなかったことに後々気づく。 自分で購入したのは10年ほど経過してからか。 自分の命の終わりを目の前にした人達に対するインタビューの内容は それは壮絶を極める。 「死が近づいているが、どんな気分か」 と質問されて、人間はあれほど平静でいられるものなのか。 私のような凡人でも、あの心境に達するのだろうか?
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本当に死を覚悟しなければならない人々の話。死には「死の五段階説」があるといわれまずなる訳ないと「否認」の状態。「そんなわけない」と考える。2段階目は「怒り」で「何故自分・・・。」という気持ち。3段階目は「取り引き」。「死ぬのはしょうがないから、○○まで生かしてください」と取り引き...
本当に死を覚悟しなければならない人々の話。死には「死の五段階説」があるといわれまずなる訳ないと「否認」の状態。「そんなわけない」と考える。2段階目は「怒り」で「何故自分・・・。」という気持ち。3段階目は「取り引き」。「死ぬのはしょうがないから、○○まで生かしてください」と取り引きをしたがる。4段階目は「抑鬱」。無気力や喪失感が生まれてくる。そして最後が「受容」これでやっと認める。というものにわかれている。
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生き物は死へ向かって歩いているから、それについて考えてみようという時に良い本です。生きている私たちにとって「死」は未知なるものだから・・・
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面白かった。 読みやすいし、内容も凄くいいし。 文庫なのに千円越えてしまうので、少し財布は痛かったけれど…。 末期患者に対する精神科医(著者)のインタビューが中心。 末期患者のこころの動きが分かりやすい。 その過程は、目新しいものではなくて、それまでに勉強したことでし...
面白かった。 読みやすいし、内容も凄くいいし。 文庫なのに千円越えてしまうので、少し財布は痛かったけれど…。 末期患者に対する精神科医(著者)のインタビューが中心。 末期患者のこころの動きが分かりやすい。 その過程は、目新しいものではなくて、それまでに勉強したことでしかなかったけれど、今まで勉強してきたことが裏付けられるようで面白かった。 患者だけでなく、病院内スタッフについても色々書いてあるところが面白かった。 アメリカ人にとってキリスト教はとても大きいものなんだなぁ(少なくとも書かれている60年代のアメリカ人にとっては)と思った。 日本では見られない様子が記されているように思った。
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