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殺人者の顔 の商品レビュー

3.6

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2024/09/02

スウェーデンの人気作、クルト・ヴァーランダーシリーズ第1弾。スウェーデンの片田舎を舞台に殺された老夫婦の事件を追う物語。起伏の幅は少なくはっきり言って地味ながらスウェーデンのお国事情が垣間にみえる。その世界観が北欧ミステリーらしくて良い。またヴァーランダーのどうしようもない性格が...

スウェーデンの人気作、クルト・ヴァーランダーシリーズ第1弾。スウェーデンの片田舎を舞台に殺された老夫婦の事件を追う物語。起伏の幅は少なくはっきり言って地味ながらスウェーデンのお国事情が垣間にみえる。その世界観が北欧ミステリーらしくて良い。またヴァーランダーのどうしようもない性格がその暗い雰囲気とマッチしており真面目過ぎない空気感を出している。物語としての意外なツイスト、また淡々と事象を語る地の文も世界観がみられてよかった。

Posted byブクログ

2023/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

星3,7です。スウェーデンの片田舎で起こった老夫婦の殺人事件を追う推理小説。中だるみがなくすごいスピードで読めた。訳者も上手なのだろう。  けど、事情があって途中、読書を中断したら登場人物が錯綜してしまって、少し困惑した。外国の本を読むといつもそうではある。けど、ストーリーはしっかりと頭の中に残った。意外な展開というわけでもなく、作中に頻繁に登場する人物が犯人という設定でもなかった。人間臭さのある刑事も良かった。んでも、旦那がいる女の人に「分かれて俺と一緒になってくれ」なんて…いけませんよ。ねぇ

Posted byブクログ

2023/03/08

オリジナルのタイトル”Mördare Utan Ansikte”、どういう意味なんだろうと思って辞書を引いたところ、顔のない殺人者、という意味だった。 犯人はいて勿論『顔』がある。けれど、犯人をそうするように駆り立てたものーー国の制度、仕組み、移民問題ーーもある意味では『犯人(原...

オリジナルのタイトル”Mördare Utan Ansikte”、どういう意味なんだろうと思って辞書を引いたところ、顔のない殺人者、という意味だった。 犯人はいて勿論『顔』がある。けれど、犯人をそうするように駆り立てたものーー国の制度、仕組み、移民問題ーーもある意味では『犯人(原因)』で、それには『顔』がない。……よな、とか考えたりした。 国が抱えている問題を軸にして展開される重厚な物語。読み終えた時の(いい意味での)疲労感。 ヴァランダーのシリーズをもっと読みたくなった。 しかし、クルト・ヴァランダー、プライベートがとことん行き詰まっているし、ひどい怪我をするし、急いでご飯食べたりして結構お腹こわしてるし……大丈夫か!?と心配になった。これで職場の人間関係がギスギスしてたら(辛すぎてとても読み進められなかった)……そうじゃなくてよかった。 父親の問題のくだり、それについて姉と話している場面はとても苦しくなってしまった。

Posted byブクログ

2023/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何年ぶりかの再読。スウェーデンといえば独自のコロナ対策であるが、私はそれは「老いたら死を受け入れる」というポジティブな死生観に裏打ちされたものだと思っていたけれど、本作での若い記者の発言「今日のスウェーデンで老人のことをかまう人間などいないということですよ」を読み、若干印象が変わった。移民問題がクローズアップされている本作であるが、サブテーマは「老い」と言っても良いだろう。〈死ぬのも生きることのうち〉。 人口890万人の国で(東京都は約1400万人)200万部を売れたのは、やはり移民問題への関心の高さの現れなのだろうな。我々日本人は遠い国のエンタメとして消費しているけれど、本国ではもっと重くデリケートな読まれ方をしていた(いる)作品なのではないかと思った。

Posted byブクログ

2022/12/08

北欧ミステリーは有名どころは読んでいる方なので ・グレーンス警部 ・特捜部Q ・ミレニアム ・その他警察モノなど なんというか北欧作品的なヤツ、というか警察モノのあるあるが揃ってる(この作品というかもっと前の刑事マルティン・ベックが元?) 当然ヴァランダーは離婚してるし、未練た...

北欧ミステリーは有名どころは読んでいる方なので ・グレーンス警部 ・特捜部Q ・ミレニアム ・その他警察モノなど なんというか北欧作品的なヤツ、というか警察モノのあるあるが揃ってる(この作品というかもっと前の刑事マルティン・ベックが元?) 当然ヴァランダーは離婚してるし、未練たらたら…子供は独立してるし親の介護もあるし 同僚は体が不調気味… 捜査では怪我ばかりして進展無し…なんともかっこ悪いのだけども、どうも嫌いになれない。 (もっと最低な刑事を見かけてるのもあるけど…) 事件自体は携帯電話やインターネット普及前の事件なので、劇的な展開やどんでん返しは期待せずに読み進めた。 平凡な農夫が何故とても残虐な方法で夫婦ごと殺されてしまったのかを追う。 追う中での主人公の内面に重点を置いてる。 (合わない人は合わないと思う。私は好き。) 土地の描写も寒そうで、読んでいる今の季節に合っていた。 ヴァランダーを"カッコよく"したのがマルティンベックらしいので、そちらも読み比べてみようと思う。 シリーズどちらを追うかはそのあと決める。

Posted byブクログ

2022/11/25

また、新しいシリーズに手を出してしまった とっ散らかった本棚だ 一人の作家さんや、一つのシリーズを集中的に読むということが出来ない たまに変な決意の元にそんなことをしてみると、しばらくその作家さんに手を出さなくなったりする うーんやっかい(自分で言うな!) さて今回手を出した...

また、新しいシリーズに手を出してしまった とっ散らかった本棚だ 一人の作家さんや、一つのシリーズを集中的に読むということが出来ない たまに変な決意の元にそんなことをしてみると、しばらくその作家さんに手を出さなくなったりする うーんやっかい(自分で言うな!) さて今回手を出したのは『刑事クルト・ヴァランダーシリーズ』 なんとデンマークのミステリーでイギリスでドラマシリーズが放送されていたという代物 そしてこの刑事ヴァランダーが良い! 一言で言うと「情けない」 別れた妻に未練たらたらたが、突然現れた若い美人の検察官も気になる、一人娘はかわいくて心配だがどう接していいかわからずにおろおろする 父親の問題からは目を背けてぐずぐずして事態を悪くして、最終的には姉に頼る 奥さんに出ていかれたとたんに食生活は乱れて太り出し、酒に逃げて失敗する もう!こりゃあダメだ こんなんもう男なら絶対に自分を重ねちゃうよ!w だけど警察の仕事は真面目にコツコツ諦めずに犯人を追い、仲間と協力して証拠を積み重ねて行く 猛烈な忙しさの中でも休まず働き続ける うーん、仕事に逃げてるなw 多くの男たちにとって「刑事ヴァランダー」は「自分」なんじゃなかろうか?ほんとは目を背けたくなるようなだらしない「自分」だけど、そこそこ真面目に頑張ってそれなりに成果をあげたら誇ってあげたい「自分」 そんな「自分」を追って、このシリーズも読み続けていきましょうか

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2022/11/14

スゥェ-デン南端のバルト海に面した田舎町イースタ。この警察署の中年刑事(クルト・ヴァランダ-)を主人公とする警察小説シリ-ズの開幕編。 国外から流入する難民や外国人労働者への過激な排斥運動が渦巻く中、 凄惨な殺人事件の被害者が言い残した「外国の」。 この一言が捜査陣を攪乱させ...

スゥェ-デン南端のバルト海に面した田舎町イースタ。この警察署の中年刑事(クルト・ヴァランダ-)を主人公とする警察小説シリ-ズの開幕編。 国外から流入する難民や外国人労働者への過激な排斥運動が渦巻く中、 凄惨な殺人事件の被害者が言い残した「外国の」。 この一言が捜査陣を攪乱させ、紆余曲折の展開から意表を突く結末まで、一気読みの北欧ミステリの傑作。刑事クルト・ヴァランダ-は、妻との離婚、娘の家出、父親との確執に苦悶しながら、冷酷な犯罪に怒りをぶつける人間警察官としての人物像に魅力を感じる。

Posted byブクログ

2022/08/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スウェーデンの警察小説である『クルト・ヴァランダー』シリーズの第1作。 凄惨な殺人事件の謎を追う警官クルト・ヴァランダーが主人公なのだけれど、起こること起こること(事件関係でもプライベートでも)泣きっ面に蜂が続き、同情を禁じ得ない。次々に事件は起こるし、上司は不在だし、操作情報を外部に漏らす部下もいるし、家では離婚、娘との不和、老父の精神不安定、中年太り、アルコール依存、古い友だちには邪険にされ、新しく出会った人妻にも相手にされない…。お世辞にもスマートとは言えないクルトだけど、事件に関しては(何度も失敗しながらも)「しぶと」く「絶対に放り出さな」い姿に、よれよれながらも応援したくなる。 胸のすく謎解きのカタルシスはないけれど、事件が終わった後の警官たちの語りに、静かな感動を覚える読後感だった。

Posted byブクログ

2022/03/18

池袋・梟書茶房で出会った本。 (全ての本にカバーが掛けられて売られており、あらすじで本を選ぶ体験かできる本屋) スウェーデンのこと、知らないんだなと気づかされた一冊であった。ミステリーとして面白かったが、スウェーデンの地理、移民を積極的に受け入れている政策などを知ったうえで読んだ...

池袋・梟書茶房で出会った本。 (全ての本にカバーが掛けられて売られており、あらすじで本を選ぶ体験かできる本屋) スウェーデンのこと、知らないんだなと気づかされた一冊であった。ミステリーとして面白かったが、スウェーデンの地理、移民を積極的に受け入れている政策などを知ったうえで読んだら、もっと面白かったし、違う読後感だったのかなと思う。

Posted byブクログ

2022/01/22

子どもが今北欧言語に凝っていてヘニングマンケルを読みたいと言っていたので読んでみました。 30年前のスウェーデンの社会情勢は読んでいてちょっと辛くなったけど最後は結構面白かったな。シリーズ全部読んでみよう。

Posted byブクログ