果つる底なき の商品レビュー
「果つる底なき」 「これは貸しだからな」という謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった・・・。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう! ...
「果つる底なき」 「これは貸しだからな」という謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった・・・。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう! 初めて池井戸氏の作品を読みました。池井戸氏は社会寄りの小説をよく描くと聞いていたので、私なりの社会派小説を想像していました。しかし、その想像はあっさり超えられました。 一番凄いと感じた所は銀行の内部を描きながら、ミステリー小説の犯人と真相探しも描いていることです。 具体的には、友人の謎の死を受けて、主人公は行動を起こしますが、その行動の起因は勿論友人の為であり、自分の為であるという意思があります。しかし、同時に銀行員としてお金を回収するという意思もあり、その2つの意思を主人公自身が一つ一つ真相に迫りながら、最後の結末で完結させる流れがとても新鮮で現実感と小説らしいフィクション性があり、良かったです。 さらに言ってしまうと、事件にも銀行特有の仕事が関わっています。このような銀行の特性を小説に活かして、事件をより深く謎めいたものにしている点は凄いと思います。 また、最後の犯人追及には普通に騙されていましたw。トリックで読者を騙すというよりは、主人公の行動と共に読者も騙されているという感じです。ここに実は犯人は誰だという伏線が入ってくると、さらに推理が楽しめそうです。 最後にこの「果つる底なき」という言葉は300ページ辺りに登場します。その時の「果つる底なき」は犯人の悪の深さを的確に表現していて、主人公の恐怖が伝わってきました。
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池井戸潤お得意の銀行ミステリー。 さすが元銀行マンだけあって銀行の内部や細部にわたる描写は 読んでいて臨場感溢れ、展開にスピードもありリズム良く読了 できる作品です。 「下町ロケット」と「ルーズヴェルトゲーム」が読みたいけど、 貴重な読書時間のほとんどが満員の通勤電車というこ...
池井戸潤お得意の銀行ミステリー。 さすが元銀行マンだけあって銀行の内部や細部にわたる描写は 読んでいて臨場感溢れ、展開にスピードもありリズム良く読了 できる作品です。 「下町ロケット」と「ルーズヴェルトゲーム」が読みたいけど、 貴重な読書時間のほとんどが満員の通勤電車ということでハードカバーは邪魔で読みにくいので文庫化されるまで待つか。 よって次作は「鉄の骨」に決まりかな!
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初池井戸潤。 銀行の闇を内側から描いた作品。 つまらなくは無かった。 正直、あまり感情移入できなかったのは、銀行に詳しくないからか。 他の作品は読んでみたい。
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融手。確かにこういう手口もあったんだろうなと思う。 池井戸潤さんの作品なら最後の瞬間まで謎が解けないくらいの作品であって欲しいので、期待を込めて☆3つ。
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作者の小説を2作読み終わった後 「このひとの書く小説はみんな同じ感じ」 と、いただいた本。 ようやく開いて読んでみると 確かに同じようなテイストではあった。 けれど本作に関しては主人公にギャップがあって良かった。 おそらく銀行員という肩書きのせいなんだけど。 レビューを読んで...
作者の小説を2作読み終わった後 「このひとの書く小説はみんな同じ感じ」 と、いただいた本。 ようやく開いて読んでみると 確かに同じようなテイストではあった。 けれど本作に関しては主人公にギャップがあって良かった。 おそらく銀行員という肩書きのせいなんだけど。 レビューを読んでみると これが作者の初めての本なのだね。 そして乱歩賞。 乱歩賞がどれだけすごいか 私には分かりませんが ここから、下町ロケットなどなどに 進む中で主人公の淀んだところを削ったのかな。 そういう印象でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
池井戸潤の作品は初めて読みましたが、この作品は作者のデビュー作ということで、どんな作風なのかワクワクしながら読み進めました。結果的には想像以上に面白かったです!内容は銀行融資に関わる不正事件と半導体産業の利権争いをうまく融合したミステリーです。さすがに作者が元銀行マンらしく融資や回収などの銀行業務や銀行支店の仕事内容も巧みに利用して、単なる不正融資の話ではなく、その背後に潜む大きな闇というスケールの大きな展開でデビュー作とは思えないクオリティーの高いミステリー作品ですね!初期の頃は最近の「下町ロケット」のような作風ではなく、金融汚職に絡む作品が多かったようで、次は「M1」という作品を読んでみようと思います。
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うーん。銀行の話だからなのか、それほどのめりこめなかった。 中盤は面白かったけど。 初めての池井戸作品だったけど、他の作品を読んだ方が良かったかな?
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ハードボイルド経済小説です。池井戸さん、一貫して経済小説とはいえ、いろんなテイストの小説を書かれるんですね。どれも面白いです。
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レビューに書いてる方も多いですが・・・人が死に過ぎです。 別に死ななくてもいい人が死んでる感じも。 初期作品でも完成度の高さが、さすが池井戸さんです。
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なんかリアルやから読みごたえがある。ただ、恋愛の流れは入ってない方がたぶんもっと好きになったな~。 ここまでの事件じゃなくても、会社ってきっとこういう事が割りと頻繁に起こってるんやろうな。銀行じゃないけど、うちの会社でだって。 他の作品も読んでみる作家に加える。
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