沈まぬ太陽(5) の商品レビュー
巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ最終章(5冊目)。 新会長の下、次々と明るみになる不正と乱脈の嵐。 そして舞台裏では政治とマスコミとが次々と巧妙な罠を張り巡らす。 そのあまりにも巨大な闇に対する奮闘振りを描く物語。 何を信じて行動すればいいのか分からなく...
巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ最終章(5冊目)。 新会長の下、次々と明るみになる不正と乱脈の嵐。 そして舞台裏では政治とマスコミとが次々と巧妙な罠を張り巡らす。 そのあまりにも巨大な闇に対する奮闘振りを描く物語。 何を信じて行動すればいいのか分からなくなってきますね。 すべてが不条理という言葉に尽きると思います。 世の中何を信じたらいいのかなっと。 正直な話、腐りすぎてますね。 そんな今の○○を連想される強烈な作品でした。 正義とは何か、信念を貫くとは何か、深く考えさせられる作品です。
Posted by
日本航空の実態は全てが本当ではないにしろ、遠からずだったのではないかと思う。結果、現実でも上場廃止となり、国民の税金を使って再生を目指しているのだから。それでもきっと甘い蜜を貪っているヤツがいるのだろう。 それにしても悲惨なまでに五巻に渡って恩地の無念さや、誠実さを描いてた割には...
日本航空の実態は全てが本当ではないにしろ、遠からずだったのではないかと思う。結果、現実でも上場廃止となり、国民の税金を使って再生を目指しているのだから。それでもきっと甘い蜜を貪っているヤツがいるのだろう。 それにしても悲惨なまでに五巻に渡って恩地の無念さや、誠実さを描いてた割には結末が微妙過ぎる。 アメリカ映画のように、スカッと大逆転とはいかないまでも、もう少しウサを晴らす手前まで書いて欲しかった。 それを期待して最後まで読み続けてきたのに。。長買った割には読破爽快感が↓。
Posted by
なんだかすごいラスト。 JALが経営破たんしたのはこういうことがあったからなのかと感じた。 すごい。。。
Posted by
舞台はNYへ。BRONX ZOOの鏡の間。。。あのエリアは危険なイメージが強くて行ったことなかったけど、今度NYに行ったら足を運んでみたいです。この本、読んで良かった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読後感はかなり悪い。国民航空を建て直そうとした人は最後まで報われず、 利権をむさぼっていた連中は十分に罰せられたといえない。 ハリウッドでリメイクされるとしたら、行天・岩合・轟あたりをフルボッコにして、 すっきりできそうなのに。そうならないところが「限りなくノンフィクションに近い 小説」たる所以か。 ただし、本作をそのまま事実として受け取るのは注意が必要。創作や脚色 されている箇所があるということなので。読んでよかったと思いにくいけど、 社会にはこんな不条理もあるということを知ることができたのが唯一の収穫。
Posted by
読みながら泣いてしました。 色々考える事がありましたが、伏せさせて下さい。 言える事は、日本人として読まなければならない本、知っておかねばならない事だと思います。
Posted by
ようやく全5巻を読み終えた。正直飛行機に乗るのが怖くなってしまったときもあった。しかし、今回の台風12号を大きな揺れの中、飛び越えて、出張からもどってきて感じたのは、飛行機を安全に、運航し、乗客を運ぶ仕事は尊い。ただ、この世の中の仕組みについて、巨悪、小悪、個人の悪、こういったも...
ようやく全5巻を読み終えた。正直飛行機に乗るのが怖くなってしまったときもあった。しかし、今回の台風12号を大きな揺れの中、飛び越えて、出張からもどってきて感じたのは、飛行機を安全に、運航し、乗客を運ぶ仕事は尊い。ただ、この世の中の仕組みについて、巨悪、小悪、個人の悪、こういったものが組み合わさって、成り立っているということを意識させられるようになった。家族を犠牲にしてまで立ち向かう恩地の姿、美しいが、自分には真似できない。それでも世の中は、過去の反省を生かして、少しずつ、いい方向に向かっていく部分もある。自分もそのリレーのバトンをつなげるよう、日々の努力を重ねようじゃないか。
Posted by
ラストがハッピーエンドでないところに更なるリアリティを感じ、よかった。今のJALの倒産はこれら全ての負の遺産を処理できなかったからなのか。今後JALはきれいに再出発できるのだろうか。ANAのことはほとんど触れずだったが実情はどうなのだろう。この小説はあらゆる企業や政治に関わるビジ...
ラストがハッピーエンドでないところに更なるリアリティを感じ、よかった。今のJALの倒産はこれら全ての負の遺産を処理できなかったからなのか。今後JALはきれいに再出発できるのだろうか。ANAのことはほとんど触れずだったが実情はどうなのだろう。この小説はあらゆる企業や政治に関わるビジネスマンにとって倫理観を呼び起こす必読書だと思う。200名以上に及ぶインタビューをした山崎豊子さんの執念と行動力に感動。小説だけでなくものごとを調べるのに自分の足で生の声を自ら取る大切さを学んだ。 ところで昨今のLCCなど競争激化で利益重視による安全がおざなりになるようなキャリーオーバーのようなことがまたされないように改めてこのジャンボ機墜落事故は私達を戒める大切な教訓であり続けると思う。
Posted by
いままでの山崎豊子の作品の中ではいまいちのれないと おもったら作者あとがきに取材した事を再構成する 新しいスタイルと記載されていました。 で、あまりにも勧善懲悪的で一面的だったので すこし調べました。 http://www.rondan.co.jp/html/ara/...
いままでの山崎豊子の作品の中ではいまいちのれないと おもったら作者あとがきに取材した事を再構成する 新しいスタイルと記載されていました。 で、あまりにも勧善懲悪的で一面的だったので すこし調べました。 http://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/ なるほど。。 まあ、特別尊皇攘夷の志士みたいに踊らせれないから いいけど。 とにかくジャンボ事故の犠牲者にはご冥福を お祈りします。
Posted by
今まで幾つかの山崎豊子作品を読了してきたが、本作品が最も読み易く楽しさを感じられた。おそらく、もっとも現代に近い時代を描いているからだろう。 あらためて思ったのが人間の醜悪さ。特に国民航空とその利権に巣くう人間の腐敗は読んでいて目を覆いたくなるほどであった。それを象徴する、ブロ...
今まで幾つかの山崎豊子作品を読了してきたが、本作品が最も読み易く楽しさを感じられた。おそらく、もっとも現代に近い時代を描いているからだろう。 あらためて思ったのが人間の醜悪さ。特に国民航空とその利権に巣くう人間の腐敗は読んでいて目を覆いたくなるほどであった。それを象徴する、ブロンクス動物園の人間が映る鉄格子のはまった鏡とその記載(The Most Dangerous Animal In The World)の引用は山崎氏の巧さが感じられた。 国民航空のモデルとされる日本航空は永年、学生の就職希望ランクでトップの一角を占めてきた企業である。パイロット、フライトアテンダントといった花形の職種もさることながら、政府出資の特殊法人、いわゆる半官半民という安定感も人気の要素だったはずである。しかし、その内情は…。これほどまで腐りきった組織があるものなのかとあきれ果ててしまった。 もちろん、フィクション小説であるため完全な真実ではないものの、昨今の会社更生法を申請した日本航空をみるとあながち作り話ともいえないだろう。 国見会長が会長を更迭され、恩地が再びアフリカに飛ばされるというアンハッピーエンドな結末は非常に後味が悪く、わだかまりを多く残した終わり方だった。まあ繕ったような綺麗な終わり方をされるよりはリアルで良かったが。唯一、胸のすく思いをしたのは針金課長のノートが東京地検特捜部に送付され、行天が出頭要請を受けたシーン。その結末は描かれていないが、針金課長の最後の反抗が一矢報いたものであるはずだ。 やはり山崎作品は面白い。次は何を読もうか…。
Posted by