1,800円以上の注文で送料無料

日の名残り の商品レビュー

4.3

634件のお客様レビュー

  1. 5つ

    260

  2. 4つ

    202

  3. 3つ

    94

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

「品格ある執事」の道…

「品格ある執事」の道を長年追求してきた名執事が、老年になり、過ぎ去りし過去を回想します。滅私奉公に人生を費やした男の、誇りと悔恨が苦いすばらしい小説です。特に最後の夕陽のシーン。哀しくもユーモアのある、何ともイギリスらしいシーンです。

文庫OFF

滑稽なほど丁寧に、職…

滑稽なほど丁寧に、職務にまっとうに、世間に対して真摯に、そしてすべてにおいて責任を背負っていきてきた執事の人生。それはある意味滑稽なほどに生真面目で、時代にほんろうされる様子があわれだ。ラストシーンが深い味わいを残す作品。傑作です。

文庫OFF

国最高の文学賞、ブッ…

国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作した作品。映画にもなってるそうですが、映画は見てないのでなんともいえません。

文庫OFF

2024/12/04

いつも以上に回想長めの、話前後多めの、後悔多め。カズオ・イシグロだあ、。 ほんとに優等生みたいな本の描き方するこの人。面白い。 読書してる気分になるから、たまには読みたい

Posted byブクログ

2024/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

執事の"忠誠的"品格たるものを追い求めてきたスティーブンスが、その品格の鎖に囚われて、人本来の大切なものたちを拾い損ねていたのに気づく。ミスケントンとは相思相愛にしか見えないのだが、これに気づけずに、長年の時がそれを思い知らせてしまうのが心を縛る鎖を証明するようで心が痛む。 彼の誇りは終わりゆくもの。そして、それは古き良き英国の消失としても示唆される。 しかし、彼も、英国もまた、新たな生を歩もうとしている。仄かに示された希望は、鎖が解けて、ようやく前へ進んでいけるような、解放に似た清涼感を漂わせていた。

Posted byブクログ

2024/11/18

物語の良さはこういうところにあると思う。国も性別も時代も考え方も生き方も全く違う人に寄り添って旅をする。100パーセント共感することも想像することも無理に違いない。でも、読み終わったあと、1日のうちで夕方が一番いい、としみじみとそう思う。人生においても終わり方が味わい深い、とこの...

物語の良さはこういうところにあると思う。国も性別も時代も考え方も生き方も全く違う人に寄り添って旅をする。100パーセント共感することも想像することも無理に違いない。でも、読み終わったあと、1日のうちで夕方が一番いい、としみじみとそう思う。人生においても終わり方が味わい深い、とこの歳になるとほんとにそう思う。スティーブンスは品格を備えた執事としての矜持を保ったまま、人生の夕暮れを迎えている。

Posted byブクログ

2024/11/17

書評読んで気になっていたので購読 イギリスの栄光と衰退、アメリカへの世界覇権の移行…といった時代背景もスッと入ってくるが、1人の人間の人生を振り返る話として読み応えがある。執事として仕事を常に人生の最優先事項とし、周囲のメンバーへの心遣いを忘れ、最も身近な素敵な女性の存在に気付...

書評読んで気になっていたので購読 イギリスの栄光と衰退、アメリカへの世界覇権の移行…といった時代背景もスッと入ってくるが、1人の人間の人生を振り返る話として読み応えがある。執事として仕事を常に人生の最優先事項とし、周囲のメンバーへの心遣いを忘れ、最も身近な素敵な女性の存在に気付きながらも職業人としての自分を優先してしまったことへの後悔… 人生のエッセンスが詰まってると思う。

Posted byブクログ

2024/11/11

かなり好みの作品だった。英国執事スティーブンスは、仕えているアメリカ人の主人より休暇をもらう。主人の車を借りて、スティーブンスは短い旅に出る。旅の途中、過去に長年仕えたダーリントン卿への思い、父や女中頭との思い出、そして執事の品格に思いをはせる。しかし最終的には、世間から理解を得...

かなり好みの作品だった。英国執事スティーブンスは、仕えているアメリカ人の主人より休暇をもらう。主人の車を借りて、スティーブンスは短い旅に出る。旅の途中、過去に長年仕えたダーリントン卿への思い、父や女中頭との思い出、そして執事の品格に思いをはせる。しかし最終的には、世間から理解を得られなかったダーリントン卿に仕えた事実、女中頭の想いに気づかなかった事実、そして前ほどの仕事ぶりを発揮できない事実をスティーブンスは吐き出す。とはいえ、スティーブンスの語る「品格」は、個人的に胸をうつ。

Posted byブクログ

2024/11/10

これはノーベル賞納得。文体に魅力がものすごいあるわけじゃないから最初数十ページは面白さがイマイチ分からなかったけど、人生の悲哀を書くのが上手すぎるし、執事という視点も素晴らしい。

Posted byブクログ

2024/11/07

伝統的な英国の執事の世界。雇い主に対する忠誠心の強さ、徹底的なプロ意識。人生を捧げたその生き様に脱帽しました。けれど、時代の移り変わり、人生を振り返った時に感じた後悔に涙したのか…哀愁を感じました。

Posted byブクログ