ハンニバル(下) の商品レビュー
これは知識人じゃないと世界観が楽しめない。教養がないと細部まで穿つことができない。表層だけ滑ってしまうと、ただの人喰い博士のグロ話。そんなB級作品としてしか読めなかったのは、はい、私です。
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アメリカに帰還したレクター博士をおびき出すためにクラリスをおとりにした作戦を始める。 レクター博士は、賢くて一般常識あるため、通常に生活するのであれば、犯人だとわからない。 ラストは(薬の影響か?)クラリスがレクタ-博士と一緒になる結末だが、ハッキリしない。 次回を見据えているのか。
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レクターシリーズのうち、時系列的には最後にあたるものである。レクター博士が、その天才性・異常性をいささかも衰えることなく発揮してくれている一方で、そのレクター博士が、「怪物」でありつつも同時に「人間」であることが様々な場面で吐露されていくことになる。むしろ、もともとは一応(?)「...
レクターシリーズのうち、時系列的には最後にあたるものである。レクター博士が、その天才性・異常性をいささかも衰えることなく発揮してくれている一方で、そのレクター博士が、「怪物」でありつつも同時に「人間」であることが様々な場面で吐露されていくことになる。むしろ、もともとは一応(?)「人間」であった存在が、自身の理性によって「怪物」へと変化させている(それも、意図的に)その強さには、憧れすら抱かされる。 そのレクターによってついにクラリスも・・・となっていってしまったのが、個人的には少し残念なところだ。レクターとクラリスは、お互いに決して交わらない平行線のようなもの・・・(どこかの漫画で聞いたような表現だ)だと思っていたのに、完全に重なっちゃあねぇ。もっと、バチバチやりあってもらいたかったな、という思いも残ってしまった。
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クラリスが地道な捜査でレクター博士を追うが、メイスンが横槍を入れて、レクター博士を拉致する。クラリスの突入により、レクター博士は難を逃れ、麻痺したクラリスを催眠療法でいじりつつ、人肉ディナーを行う。ラストは、オペラ観劇をする、レクター博士とクラリスで締め。 メイスンがレクター博士を豚に食べさせようとするくだりは、どこまで本気なんだかと思うが、その後の展開から人肉ディナーのくだりは、ゾッとして良い。
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第三部 新世界へ 第四部 恐怖のカレンダーの注目すべき出来事 レクター博士はホーキングの業績を高く評価しており、数学の専門誌に発表される彼の論文を可能な限り綿密に読んできた。この宇宙はいずれ拡大を止めて再び縮小に転じ、エントロピーも逆転するかもしれない―ホーキングがかつてそ...
第三部 新世界へ 第四部 恐怖のカレンダーの注目すべき出来事 レクター博士はホーキングの業績を高く評価しており、数学の専門誌に発表される彼の論文を可能な限り綿密に読んできた。この宇宙はいずれ拡大を止めて再び縮小に転じ、エントロピーも逆転するかもしれない―ホーキングがかつてそう信じていた時期があったことをレクターは知っている。しかし、ホーキングはのちに、その説は間違っていた、と公言したのだ。 第五部 肉、一ポンド 「いいか、博士、約二十分後に、われわれは今夜のディナーの最初のコースを豚どもに振る舞う予定だ。それはお前の両足なんだがね。それがすんだら、おまえとおれで、ちょっとしたパジャマ・パーティーをやる。そのときにはおまえの背もかなり低くなってるだろうから、子供用のパジャマで間に合うだろう。コーデルがおまえにちゃんと生かしつづけてくれるはずだから、心配無用だ―」 第六部 長いスプーン 「いいかね、クラリス、お父さんはきみの幸福と安寧のみを願っていたんだよ」 「きみのお父さんはすでに亡くなっているな、クラリス。それは、だれよりもよく、きみが承知しているはずだ」 「ええ」 「さあ、入って、お父さんに会いたまえ」 ツイン・ベッドには、クラリスの父の骨が並べられていた。肋骨に長い骨が組み合わされ、それがシーツで覆われていた。白い布に覆われた遺骨は、雲の上に子供が仰臥してつくった天使の押し型のように、浅い輪郭を描いていた。 感謝の言葉 ニッコロ・カッポーニは、フィレンツェとその芸術に関する深い知識を私に分け与えてくればかりか、彼の私邸であるカッポーニ宮をレクター博士が使用するのを許してくれた。
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レクターがメイスン一味に捕まり、その危機を脱する巻。 しかし、上巻から出て来ている人を喰う「豚」ってどういう豚なんだろう。 イノシシみたいなものなんでしょうか? 映画は最後の脳みそ食べるシーンしか覚えてないんだけど、終わり方が全然映画と違って驚きました。 確か映画は、飛行機に乗...
レクターがメイスン一味に捕まり、その危機を脱する巻。 しかし、上巻から出て来ている人を喰う「豚」ってどういう豚なんだろう。 イノシシみたいなものなんでしょうか? 映画は最後の脳みそ食べるシーンしか覚えてないんだけど、終わり方が全然映画と違って驚きました。 確か映画は、飛行機に乗ったレクターが、クレンドラーの内臓を隣の席の子供に食べさせる場面で終わっていたような気がします。 原作を読んで思ったのは、レクターがこんなにクラリスに執着していて、妹のことを反芻していたのだということ。 映画の「ハンニバル」でミーシャについての描写があったのかは覚えていないけど、レクターがこんなにミーシャへの気持ちを持ち続けているのだということにすごく切なくなりました。 やはりレクター大好きです。 クレンドラーが最後に食べられて本当にすっきりした!
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レクター博士ファンへのサービス満載な一作。刺激的で一気に読ませるストーリーはさすがです。 が、個人的には、映画の終わり方の方がよほど「らしかった」。 筆者がキャラクターへの愛情を抑えられなかったあまりの失敗、という気がする。
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映画「羊たちの沈黙」からの小説「ハンニバル」。ハンニバルの映画はジョディ・フォスターではない結末が違うらしいけれど、ぜひ見ねばと思わせられた。羊の方の原作も読みたいが、如何せん翻訳が厄介だからな…。 フィレンツェにいた時と違いレクター博士の底深い恐ろしさというものが若干薄れたよう...
映画「羊たちの沈黙」からの小説「ハンニバル」。ハンニバルの映画はジョディ・フォスターではない結末が違うらしいけれど、ぜひ見ねばと思わせられた。羊の方の原作も読みたいが、如何せん翻訳が厄介だからな…。 フィレンツェにいた時と違いレクター博士の底深い恐ろしさというものが若干薄れたような気がしないでもない。
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下巻に突入。 寝る間も惜しんでというぐらいの一気読み。 悪役の悪役っぷりがこれまた凄い。映像化を意識した、というよりこれは映像では観たくないでしょ!と反駁を入れるほどのエグさ。映画観なくてよかった・・・としみじみ。 ラスト、意外な展開。美しいから許せるか。 全編にわたり、音楽...
下巻に突入。 寝る間も惜しんでというぐらいの一気読み。 悪役の悪役っぷりがこれまた凄い。映像化を意識した、というよりこれは映像では観たくないでしょ!と反駁を入れるほどのエグさ。映画観なくてよかった・・・としみじみ。 ラスト、意外な展開。美しいから許せるか。 全編にわたり、音楽や絵画などの芸術的なエッセンスに満たされ、ワインの想像だにできないふくよかな香りもするのだがどうしても食欲が削げてしまって。 こういった効果はトマスハリスの狙いだったに違いない。 催眠術にかかったようにうっとりとさせられる場面も。 にしても、吐き気もするが。
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映画のハンニバルも大好きです。原作を読んで映画の脚本家さんはすごいなあと感嘆した思い出。 原作のラストが悪い訳ではないのですが、そのままの内容で映画化したらあそこまでの人気は出なかっただろうと思います。映画はとにかく綺麗に上手く作ってる。 どちらのラストも大好きです。 原作はレク...
映画のハンニバルも大好きです。原作を読んで映画の脚本家さんはすごいなあと感嘆した思い出。 原作のラストが悪い訳ではないのですが、そのままの内容で映画化したらあそこまでの人気は出なかっただろうと思います。映画はとにかく綺麗に上手く作ってる。 どちらのラストも大好きです。 原作はレクター博士&クラリス好きには嬉しいエンディングでした。
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