ハンニバル(下) の商品レビュー
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上巻からの期待感で一気に読んだ。確かに面白かったが、レクター博士のサイコパスぶりを楽しみにしていた私としては少々物足りなかった。そしてこのラストにはがっかりした。レクター博士とクラリスには、最後まで正義と悪を貫き通し交わらずに対峙して欲しかったなぁ。 あくまで個人の感想です。
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独特の緊張感が漂う。サイコスリラーというのかな? レクターという魅力的ではあるもののやはりただの人殺しであるという不思議な気分で読む事に。 そこに見透かされるのか、興味が持続するかどうかという緊張感があり作品独自の面白さがそこにはあったと思う。
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蛇足感が否めない…。 個人的な感想だが、レクター博士の暗い過去は要らない。不気味で全く理解不能かつ魅力的なバケモノであってほしかった。殊に博士に関して、読者が共感できる点はあって欲しくはなかった。 クラリスとの関係に関して言えば「羊たち」において描かれた、対立した立場であるから成り立つ微妙な共感?友情?が良かったのに…!という気持ちが抑えきれない。 そもそも博士はクラリスの明晰な頭脳と強固な自己抑制による不屈の精神を好んでいる…と思ったので、妹に重ねたり洗脳して自分の手元に置いておくのは全く解釈違い?という…まだ映画版の方が納得のいく終わり方だなぁ。 ストーリー自体は相変わらずスピード感とスリルがあり、面白かった。
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まさかスターリングがハンニバル博士を助けて、その後、一緒に生活することになるとは考えてもみなかった。 殺人シーンは描写がリアルで恐ろしかった。
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この物語の最初にクラリスは「理解と共感は違う。その違いを知ることが大人になるということだ。」と言っていたけれど、前作の若い頃からクラリスはレクター博士を「理解」できていて、それが今作の最後では「共感」もできてしまったということなのかな。 クラリスにとっては父親、レクター博士にとっては妹という心の大きな空洞があって、陰と陽が見事に噛み合ってしまった。もともと最初から自分たちは同族といった「理解」はあっただろうし、才色兼備な女性にありがちなクラリスの表層的な社会的鎧をレクター博士が薬と時間で溶かしてしまって、こういうラストになったのでしょう。 共通の敵となって殺されたサディストが、食肉加工会社の経営者というところからもクラリスは屠殺される側の恐怖から精神的に救われて、「羊たちの沈黙」は見事に伏線を回収したように思いました。 だから、この物語は『羊たちの沈黙』を読んでから読もう!
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作風が変わったのかな、と読み始め、しかし一気に読了のおもしろさ。おもしろさ?麻薬の中毒ににているかも。毒されながらもやめられないという。 第一章の「ワシントンDC」なじみ(主人公たち)のゆくえが興深く、活劇のスピードを読み終わると、第二章「フィレンツェ」 実際フィレンツェに観...
作風が変わったのかな、と読み始め、しかし一気に読了のおもしろさ。おもしろさ?麻薬の中毒ににているかも。毒されながらもやめられないという。 第一章の「ワシントンDC」なじみ(主人公たち)のゆくえが興深く、活劇のスピードを読み終わると、第二章「フィレンツェ」 実際フィレンツェに観光で行ってるものだから、なんとも魅力的な章。ヴェッキオ宮殿!思い出した、思い出したドゥオーモ、ウッフィーツィ美術館、そしてアルノ川。しばし自分の追憶に浸ってしまう。 トマス・ハリスのうまい作家技。それだけでなく描かれているのは、悪業を追う女性捜査官に降りかかる同職たちの出世、野心、エゴの波。正義に立ちはだかる不条理も味わってしまう、共鳴をよぶ。 もちろんストーリーの展開にもあっと驚いた。 だんだん気持ち悪くなってくる描写もあるにはあるが、そこはそれ麻薬的の魅力があるんだね。ちょっと恐い。 続く『ハンニバル・ライジング』は評判よくないようだけれど、『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』と各独立の一書と思えば興味わく。
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終盤に近づくにすれ、どうなるのかとハラハラして読んでいました。 しかし、クラリスの最期が意味不明。がっくりしました。 操られたのか、薬漬けにされたのか、よく分からない最期でした。
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面白い。 間違いなく面白いんだけど、『羊たちの沈黙』に比べると、登場人物全員の魅力が下がっちゃってるかなぁ。 レクター博士が超人的なのはいいとして、そんなら超然さを貫くか、あるいは逆にもっと俗さを出してほしい。 クロフォードやバーニーもそれぞれが魅力減。 挙句の果ての主人公たちの結末は、結局レクターの一人勝ちかいという感想しか出てこなかった。
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原題 HANNIBAL 7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。 レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。 レクター...
原題 HANNIBAL 7年の時を経て(作中で)再び回り出す歯車。 レクターとスターリングは、たぶん二つの隣り合うパズルのピース。認識してるかしてないかの違いはあるけども…というのが最後の第六章「長いスプーン」を読んだ(ショックから立ち直った)後の、行き着いた感想。 レクターもスターリングも、なぜそうなった?ではなく、もともとそういう〝存在〟だったと考えれば腑に落ちる…かな。 それにしてもここで長いスプーンとは…天国と地獄、どっちだろ。 なぜハンニバルという名前にしたかも気になって調べてみた。バアル(嵐と慈雨の神)の恵み、という意味があるみたい。悪(嵐)と善(慈雨)の恵み、としてみると、二人を象徴してるようで面白い、かな?
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再読。映画のラストシーンも記憶に鮮明に残っているのにハラハラドキドキ。もう読みたくないほど気持ち悪い場面も多いのに読む手を止められない。おそらくレクター博士のイタリアでの生活や山の中での生活様式が優雅で穏やかだからなのかなぁと。悪人というのは本当に魅力的で、だからこそ本当に危険。またどこかで読み直すであろう作品。
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