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猫背の王子 の商品レビュー

3.9

47件のお客様レビュー

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圧巻、です。主人公・…

圧巻、です。主人公・王寺ミチルの演劇にかける、半キチガイ的な情熱は思わず背中がのけぞってしまうほどです。詩的な表現を文章のところどころに咲かせているところも魅力。すごい切れ味。表紙の裸でナイフを手に持っている女性の写真は・・・著者はこの写真をみて王寺ミチルというキャラクターを思い...

圧巻、です。主人公・王寺ミチルの演劇にかける、半キチガイ的な情熱は思わず背中がのけぞってしまうほどです。詩的な表現を文章のところどころに咲かせているところも魅力。すごい切れ味。表紙の裸でナイフを手に持っている女性の写真は・・・著者はこの写真をみて王寺ミチルというキャラクターを思いついたのではないか、と思うほどイメージが似ています。荊の茂みを傷口から血が滴るのもかまわず疾走する王寺の物語。

文庫OFF

異色作家・中山可穂の…

異色作家・中山可穂の実質的デビュー作。暴力的で破滅的なヒロイン・ミチルさんがあらゆるものと戦いながら主宰する劇団の最後の公演を立ち上げる話だ。打ちのめされる覚悟をしてから読むべし。

文庫OFF

 彼女の描く主人公は…

 彼女の描く主人公は強く そして脆い。いつだって恋を求め愛する人を求めながら、どこか人を遠ざけ 傷つくのを避けているように思える。女性同性愛をテーマに 純愛を描く 

文庫OFF

2026/04/14

中山可穂さんのデビュー作。 美しい装丁写真はヤン・ソーデックの「The Knife」。 単行本も同じ装丁だったとのこと。著者も気に入ってたのだろう。 デビュー作だけあって、非常に熱量が高い小説。 ヒロイン王寺ミチルのなんと魅力的なことか。 気障なセリフ、自堕落な性生活、芝居への...

中山可穂さんのデビュー作。 美しい装丁写真はヤン・ソーデックの「The Knife」。 単行本も同じ装丁だったとのこと。著者も気に入ってたのだろう。 デビュー作だけあって、非常に熱量が高い小説。 ヒロイン王寺ミチルのなんと魅力的なことか。 気障なセリフ、自堕落な性生活、芝居への初期衝動。 アニメや宝塚の舞台にいるような破滅型のヒロインが、小説の中に生々しく現出する。 若さや小劇場、そしておそらくレズビアンという要素が、王寺ミチルという稀有なヒロインの存在をギリギリ成立させているように思う。 他の登場人物の解像度も高い。全ての登場人物が過不足なく描写されている。 確かな実体はあるけど、描きすぎていないところがミソ。 解説の山本文緒さんも述べている通り、著者が劇団の戯曲も手掛けていたことが影響しているのかもしれない。 次回作が気になって仕方なくなるような、妖しくも鮮烈なデビュー作でした。リアタイで読みたかったな。

Posted byブクログ

2026/01/16

どうしてこんなにも文章に色気を感じるだろうか! 中山可穂さんの作品は物語の内容以前に文章の妖艶さに驚かされどんな人生を歩みどんな人と出逢ってきたのだろうと思わされる。 ミチルが劇場を心底愛していることがよく分かった。 偏執狂的な洋館での出来事、彼女でなければ絶対に描けない。その才...

どうしてこんなにも文章に色気を感じるだろうか! 中山可穂さんの作品は物語の内容以前に文章の妖艶さに驚かされどんな人生を歩みどんな人と出逢ってきたのだろうと思わされる。 ミチルが劇場を心底愛していることがよく分かった。 偏執狂的な洋館での出来事、彼女でなければ絶対に描けない。その才能に嫉妬にしたしすごく惹かれた。

Posted byブクログ

2025/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 友人が突然貸してくれた本。前情報無しに読んだらとても面白かった!  中山可穂先生の小説は「レズビアン小説」と称されることが多いらしい。今作で初めて先生の作品を読んだ私個人としては、この表現は間違いではないが、決してそれだけではないだろうと感じた。  主人公の王寺ミチルは芯の通った人物で、ひたすら演劇に身を捧げている。ただぼんやりと人生を浪費し女を貪るようなキャラクターではない。もしかすると演劇界には同じような人物がいるのかもしれない……と思わせてくれる、血の通った主人公だった。  また作者は文化的資本が溢れたところで暮らしていたのだろう、そして知的好奇心に溢れた人物なのだろうと伺える描写がいくつもあった。主人公たちが演じる作品はヒトラーの人生をなぞったものであったし、登場人物の中で最高齢である女性が暮らす館の描写は以下のように建築様式に明るくないと書けない文章であった。 「バロック、ロココ、アールデコ、アールヌーヴォー、およそ目につく限りありとあらゆるスタイルがごった煮にされてひしめきあっていた」  ……教養のない私にはどれもピンとこない。今日のうちに調べておこうと思う。二十代と明記されている主人公の視点でこのように描かれている点が美しいと感じた。主人公が家庭教師のアルバイトをしている設定も納得だ。  また解説(文庫版)の山本文緒氏も以下のように記している。 「中山可穂の小説のもうひとつの魅力に、芸術に触れる豊かさというものがあると思う。私は音楽も映画も絵画もワインの種類も、からきし芸術方面に乏しいので、彼女の小説にちりばめられた人生を豊かにするキーワードがわからなくて寂しい思いをした」  この素直な一文により、私が読書中抱いていた文化的教養のなさからくる羞恥の心が幾分か救われたように思う。主人公の彼女が持つ知識が読者側に求められるスタンダードなのではなく、彼女が劇団の長を務めるだけの頭の持ち主であっただけなのだ、と。かっこいいぜ、王寺ミチル。名も知らぬファンとして、私を抱いてくれ。  ところで、文字列の意味が理解できず作品に没入できないままでいるのも苦しいところがあるので、作中に出てくる音楽については何度かスマホを用いて調べた。 「女の人を抱くときは、エルガーの行進曲のように典雅に。」  この一節に差し掛かったタイミングですぐ、「エルガーの行進曲」をApple Musicのサブスクリプション(最近出たクラシック版で!)で検索してみた。  聴き覚えのある行進曲だった。典雅というより勇敢な曲という印象を受けた。こんなに勇ましい抱き方をするのか。もっと官能的で落ち着いたクラシックかと思ったので、テンポの良い楽曲が流れてきて正直驚いた。これが彼女の中にある、少年らしさというものなのだろうか。  次に、文体について。この作品は耽美な描写が多いにも関わらず、小気味良くすらすらと読める文体であることが私にとって嬉しかったし、この作家の作品をもっと読みたいと思う大きな理由となった。  耽美な小説となると難しい熟語を用いられることが多い気がしていて、どうしても読む気になれないことが多かったのだが、この作品は日数でいうと二日でさらりと読めた。話自体が面白かったというのも勿論だが、私のように読み手に教養がなくとも話についていける名文揃いだと感じた。  また私自身、中学の短い間演劇をやっていたことがあり、その点の感情移入がし易かったというのもあるかもしれない。舞台に立つ直前の緊張感、それまでの悪夢を見る日々、役に入り込む時特有の高揚感、これらの内容は演劇に携わったことのある人ならではの描き方だと感じた。作者は実際、小説を書く前は演劇に携わっていたそうだ。この方の劇も観てみたかった。  またもう一度、舞台に立ってみたいと思う作品だった。演劇を愛し、賞を取るという目標を持ち、それでいて辛さに押しつぶされそうになって泣き喚くこともあり、睡眠薬を所持していて……か弱いところもある主人公。劇でも私生活でも周りの心を揺さぶり振りまわす。そんな主人公に憧れ、恋焦がれた。  本作を薦めてくれ、貸してくれた友人に感謝したい。先ほど、自分用に通販で買った。これで返却してもまた読める!  ここまで、この作品の虜になっている私の文章を見て、それでもまだ本作を「レズビアン小説」だと称する人物がいたら、花束で頬をぶちます。

Posted byブクログ

2020/05/26

ミチルみたいな人と一緒になっても、あったかい幸せは掴めない。そうわかっていても離れられない、依存させてしまうような魅力がミチルにはあるのだと思う。私も小説の中のミチルという女性に恋に落ちた。王子様みたいだけど乙女でもあって、クールなのに情熱も持っている。やっぱりこういう女性はずる...

ミチルみたいな人と一緒になっても、あったかい幸せは掴めない。そうわかっていても離れられない、依存させてしまうような魅力がミチルにはあるのだと思う。私も小説の中のミチルという女性に恋に落ちた。王子様みたいだけど乙女でもあって、クールなのに情熱も持っている。やっぱりこういう女性はずるいな。あとやっぱり仕事と恋愛はわけなきゃだめだ。 中山可穂という作家さんを知って、好きになった1冊。

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2018/08/14

女たらしの女性の物語。過激な舞台の演出家でもある彼女が、主演女優の脱退やら、腹心の裏切りやら、憧れ女性との接近と離別やら、目まぐるしい日常を駆け抜けていく。イベントてんこ盛りで見どころ満載。キャラの魅力も手伝って、一気読みしちゃいました。以降続くシリーズ続編にも期待。

Posted byブクログ

2017/05/06

読み始めはそうでもないのだけど、一旦物語に引きずり込まれると、あっという間に終わってしまう。 何となく中途半端に終わった様な気がする反面、 綺麗なラストだったとも思ってしまう。 まぁ、続編を読んでみよう。

Posted byブクログ

2015/08/24

気になっていたけど機会が無かった、やっと読んだ。中山可穂の小説っていつも集中して読み続けてしまい気づいたら読み終わっている、そして作品中のフレーズや出てきた音楽が頭の中に残るような吸引力がある。これもそういう感じ。  ミチルは実際にいたら勘弁だけど、演劇への直向きさがとても好きだ...

気になっていたけど機会が無かった、やっと読んだ。中山可穂の小説っていつも集中して読み続けてしまい気づいたら読み終わっている、そして作品中のフレーズや出てきた音楽が頭の中に残るような吸引力がある。これもそういう感じ。  ミチルは実際にいたら勘弁だけど、演劇への直向きさがとても好きだ。「客電が消える」「わずか二、三秒のあいだの完全な闇と無音の世界が、永遠に続くかと思われてくる。」「何もいらない。芝居だけでいい。」 この集中と、由紀さんを母のように求めつつ神聖視しているミチルの姿。この二つで、多少無理な展開や性格付けもチャラになるというか。  私はミチルのように生きられないし生きたくないけれど、ミチルの芝居への熱情、ただ一瞬のためにすべてを積み重ねていく部分には共感した。 読み返すとまた感想が変わりそうな作品。他人の感想を読まず自分の思いを大事にしたい作品だった。(ただ一つ。解説で山本文緒が「ストーリーを進めるためだけの適当な役は彼女の物語には出てこない。そして、感情的な人間とその物語を綴るには、著者本人の目と筆がクールでないとただのヒステリックな物語になってしまう。中山可穂は恐いくらいに冷静だ。」と言っていて納得した。)

Posted byブクログ