魔法飛行 の商品レビュー
デビュー作「ななつのこ」の続編。 加納朋子さんの作品の中でも、指折りのお気に入りです。 ありふれた日常と、そこに潜む小さな謎。何気ない風景がこの方(というのは駒子なのか加納さんなのか)の手にかかると実に鮮やかな色彩をまとって読者の眼前に描き出されます。ラストに至る流れも圧巻です...
デビュー作「ななつのこ」の続編。 加納朋子さんの作品の中でも、指折りのお気に入りです。 ありふれた日常と、そこに潜む小さな謎。何気ない風景がこの方(というのは駒子なのか加納さんなのか)の手にかかると実に鮮やかな色彩をまとって読者の眼前に描き出されます。ラストに至る流れも圧巻ですが、それよりも日々のやり取りに共感したり切なくなったりできるのが、このミステリの魅力なのではと思います。 あと、表紙と解説が素晴らしいです。
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- ネタバレ
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日常ミステリとしてもそうですが、どちらかといえば悲しい話が多いはずなのに、温かい気持ちになれる。 登場人物たちの周りを思いやる気持ちが伝わってくるからな気がします。 有栖川さんの解説も良かったです。
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≪日常という繰り返し.満足という停滞.そこから逃れ,私はどこへ行こうというのだろう―≫ いろいろ感想があるけれど,どれも言葉にできずにもどかしい. 有栖川有栖さんの解説と,加納さん自身のあとがきが,読後のさみしさと気持ちの高ぶりを軽やかにしてくれた. 魔法を見たいし見せてほし...
≪日常という繰り返し.満足という停滞.そこから逃れ,私はどこへ行こうというのだろう―≫ いろいろ感想があるけれど,どれも言葉にできずにもどかしい. 有栖川有栖さんの解説と,加納さん自身のあとがきが,読後のさみしさと気持ちの高ぶりを軽やかにしてくれた. 魔法を見たいし見せてほしいし空にもあこがれるしの強欲な自分が,ちょっと恥ずかしい. 思い出す毎に再読しそう.
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ななつのこ の続編。前作の手紙のやりとりで謎を解いていく流れは踏襲しています。天真爛漫な駒子ちゃんは可愛らしく、読書家なのも相変わらず素敵。でも続篇は難しい。同じ流れで新味を出すのは至難の技としみじみ思いました。でもよかったですよ。
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20160128 あれっ ななつのこ、読んだと思ってたのに読んでなかったみたいでしたわ… みたいな続編でした。 でもこれだけでも楽しめます。 解説もよかった。 ななつのこ、読まなきゃな。 うーん、読んでなかったのかー おかしいなー
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『ななつのこ』の続編。駒子の身の回りに起こる日常とそこにある謎を解いていく連作長編。 駒子の日常生活の描写の穏やかさ、細やかさ、優しい語り口は、やっぱり「これぞ加納作品」だと感じさせられます。読んでいて徐々に自分の精神が落ち着いてくるかのように感じます。 一日の自分の精...
『ななつのこ』の続編。駒子の身の回りに起こる日常とそこにある謎を解いていく連作長編。 駒子の日常生活の描写の穏やかさ、細やかさ、優しい語り口は、やっぱり「これぞ加納作品」だと感じさせられます。読んでいて徐々に自分の精神が落ち着いてくるかのように感じます。 一日の自分の精神状態の上がり下がりを折れ線グラフ化されているとしたら、この本を読んでいる時間は間違いなくグラフは低いところで安定していたと思います。それだけ読者の心を穏やかにさせてくれる作品です。 駒子と瀬尾さん手紙のやりとりの間に挟み込まれる不穏な雰囲気の手紙、それが、各章とつながり最終章につながってくるのですが、そのあたりの書き方も見事! 文章の優しさだけでなく、こうしたミステリの構成でも見せてくれるのが、さすが加納さん! それまでの章の穏やかさに対して、クライマックスはしっかりと盛り上げてくれます。 そして、ストーリーはもちろんなのですが、有栖川有栖さんの解説もかなりの名文だと思います! 有栖川さんの解説を読んでいて、本当に人に愛される小説を加納さんは書かれるなあ、と強く思いました。 1994年版このミステリーがすごい!6位
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物語の内容ももちろんいいのですが、構成というか本の作られ方がとてもいいなぁと思いました。 私も物語を書いてみようかな―という気持ちを後押しされて主人公が書いた物語とその物語を読んだ人物からの返信。 自分の言葉を文字にして相手に届けるって素敵なことだと思います。もし、中・高校生ぐ...
物語の内容ももちろんいいのですが、構成というか本の作られ方がとてもいいなぁと思いました。 私も物語を書いてみようかな―という気持ちを後押しされて主人公が書いた物語とその物語を読んだ人物からの返信。 自分の言葉を文字にして相手に届けるって素敵なことだと思います。もし、中・高校生ぐらいのときに読んでいたら才能も知識もまったくない状態でも、何らかの物語を作ろうとしてみた(かもしれない)だろうな。 印象に残った部分 “「信じたい人間だけが、信じればいいのさ。ほかのやつのいうことなんて、気にすることはないんだ」その口調に、私ははっとした。彼もまた、何かを信じるために決して小さくはない代償を支払っている一人なのだ、と思った”(P205)
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『ななつのこ』の続編。駒子シリーズ第2作。 駒子と前回の「ななつのこ」作者こと、瀬尾さんとの往復書簡というスタイルは変わらない。 でも、今回は駒子側の手紙の比重が大きく、駒子からの世界が広がります。 日常の謎、ミステリーというより青春グラフティに思える。まぁそいうテイスト...
『ななつのこ』の続編。駒子シリーズ第2作。 駒子と前回の「ななつのこ」作者こと、瀬尾さんとの往復書簡というスタイルは変わらない。 でも、今回は駒子側の手紙の比重が大きく、駒子からの世界が広がります。 日常の謎、ミステリーというより青春グラフティに思える。まぁそいうテイストが「日常の謎」と呼ばれるジャンルなのかもしれないけども。 でもしっかり、一つ一つの章ごとのミステリーはちゃんと解決するし、最後に全体を通じて一つの物語におちつくのはやっぱり素敵。もう安心の領域。 個人的な見所としては2カ所。 有栖川有栖氏の解説。 そして最終章、駒子が瀬尾さんと再会するシーン。駒子萌え萌えです(当時は萌え概念とかあったのかなぁ)。
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通称『いりごま』こと入江駒子が主人公の「ななつのこ」の続編。 前作同様連作集でそれぞれ完結するが、最終章で共通の物語の謎解きをするパターン。 デビュー間もなくなので、出版社から同じパターンでと言われたのだろうなと想像。 これから別作品を読んでいくうちに同変わっていく...
通称『いりごま』こと入江駒子が主人公の「ななつのこ」の続編。 前作同様連作集でそれぞれ完結するが、最終章で共通の物語の謎解きをするパターン。 デビュー間もなくなので、出版社から同じパターンでと言われたのだろうなと想像。 これから別作品を読んでいくうちに同変わっていくか楽しみ。こういう楽しみ方があるから、話題作からではなく出版順に読みたい。
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「ななつのこ」続編。今作は駒子が物語を綴っている設定のためか最初は文章に引っかかるところもあったもののやっぱり面白い。前作から続く駒子と瀬尾さんのやりとりに第三者からの不穏な手紙が加わり引きつけられる。
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