魔法飛行 の商品レビュー
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【収録作品】一 秋、りん・りん・りん/誰かから届いた最初の手紙/二 クロス・ロード/誰かから届いた二番目の手紙/三 魔法飛行/誰かから届いた最後の手紙/四 ハロー、エンデバー 駒子シリーズ第2作。 一 出席した学生の名前を書く紙に違う名前が書かれている謎。 二 ひき逃げで死んだ小学生男児を描いた絵が残された交差点。その絵が変化した謎。 三 学園祭に訪れた小学生たち。その中にいた双子が離れた場所で意志疎通ができたように見えた謎。 四 これまでの各話のあとに挟まれていた、正体不明の差出人からの手紙の謎。切迫感を抱いた駒子は行動する。
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『ななつのこ』に続くシリーズ第ニ弾。 今作は、前作で知り合った瀬尾さん(前作はラストに○○さんとレビューしている)に駒子が、最初から身近で起こる話を小説として書き綴る。 そこに書かれた謎を瀬尾さんが解いて返事を寄越すのは前作と同様なのだが、新たに意味不明の手紙が出てくるのである...
『ななつのこ』に続くシリーズ第ニ弾。 今作は、前作で知り合った瀬尾さん(前作はラストに○○さんとレビューしている)に駒子が、最初から身近で起こる話を小説として書き綴る。 そこに書かれた謎を瀬尾さんが解いて返事を寄越すのは前作と同様なのだが、新たに意味不明の手紙が出てくるのである。 それはラストまでわからないというのが、相当にもどかしい。 見事なクライマックスとなるのだが、最後にまた茜さんが見れるとは…ね。 ちょっと魔法めいたミステリーというのを楽しんだ。
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そこをつなげてしまうのは、話ができすぎてしまう...なんて思いながらも、さらりと読了。駒子の勢いの変化が、たった 3 編なのによく表れている。そして何もかも、りん、りん、りん。
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瀬尾さんじゃないもう一つの感想文がイレギュラーで違和感で、どんな効果があるのかと思ったら、4章で完結されて、出だしの茜さんも存在がわかるとか、飽きないで読み終える。出てくる人みんな優しい気持ちを持つ、嫌味のない、気に入ったのです。愛ちゃんも全然性格違うけど似た者同士の、瀬尾さんと...
瀬尾さんじゃないもう一つの感想文がイレギュラーで違和感で、どんな効果があるのかと思ったら、4章で完結されて、出だしの茜さんも存在がわかるとか、飽きないで読み終える。出てくる人みんな優しい気持ちを持つ、嫌味のない、気に入ったのです。愛ちゃんも全然性格違うけど似た者同士の、瀬尾さんとの距離感も、恋人の前みたいな、将来を不安に思い、1番楽しいであろう学生生活を見れて良かった。チョイチョイ小話出てくるのもいいです。南十字星とか
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『ななつのこ』に続く〈駒子〉シリーズ第二弾。広がる女子短大生の世界がリアル。ただし1990年代前半だが……。 駒子を中心とした女子短大生たちの日常描写が心地よい。舞台が1990年代前半ごろなので、登場する固有名詞が懐かしかったり。いくつかの短篇が最後につながって長編になるという...
『ななつのこ』に続く〈駒子〉シリーズ第二弾。広がる女子短大生の世界がリアル。ただし1990年代前半だが……。 駒子を中心とした女子短大生たちの日常描写が心地よい。舞台が1990年代前半ごろなので、登場する固有名詞が懐かしかったり。いくつかの短篇が最後につながって長編になるという構造が今回は前作以上に強化され、ラストの驚きがすごい。各短篇ごとの謎解きの楽しさ、さらにその裏で密かに進行しているより大きな物語を推理する楽しさ。少女時代に別れを告げようとする、大人になる一歩手前の切なさを感じさせるラストシーンには見とれてしまった。さらに有栖川有栖さんの解説が感動的で、これも含めて作品の一部といっていいかも。 シリーズものの2作目というのは、名作である前作を順当に拡張発展させて、さらに優れた傑作になることが多いものだ。本作はそこにとどまらず、変化球を加えながらも、やはり前作を超えてきたシリーズ最高傑作ではあるまいか。いやはや、最高だった!
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駒子シリーズの第2作、「ななつのこ」の続編となる連作短編ミステリ。短大生駒子が身近に起きた話を手紙に書くことで、その謎が解かれていく。 タイトルにもなった「魔法飛行」は学園祭の話で、とにかく暖かく、そして少し幻想的なシーンがとても印象的で、昔も今もお気に入りの話です。 アメリカの...
駒子シリーズの第2作、「ななつのこ」の続編となる連作短編ミステリ。短大生駒子が身近に起きた話を手紙に書くことで、その謎が解かれていく。 タイトルにもなった「魔法飛行」は学園祭の話で、とにかく暖かく、そして少し幻想的なシーンがとても印象的で、昔も今もお気に入りの話です。 アメリカのチャレンジャー号のことが過去の事実として書かれており、もうそんなに経つのかと感慨深かったです。 作品全体の構成も前作に比べ、ミステリ要素よりが強いものとなっています。 有栖川有栖氏のあとがきがとてもわかりやすく、よく比較される北村薫作品との違いも丁寧に描かれています。
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第2弾 主人公が好きになれないシリーズって、必ず素敵な子が周りにいる。このシリーズのふみさんとか、たまちゃんとか。 駒子が書く物語を読んでいく。感想と、手紙と、途中混乱もするのだけど、最終話でその伏線たちが回収されていく。 ちょっと無理やりで、最後がダッシュみたいだったのが残念。ひき逃げの謎と、お父さんの現状も欲しかった。
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「マルク・シャガールの<魔法の飛行>に描かれているように、軽々と飛び越えていけるよ、きっと」このセリフ、駒子さんの年齢の時に出会いたかった。でも、その頃、意味がわかったでしょうか。 解説にあるように、男性は「魔法を見せて、と望まれていることを忘れてはならない」。女性は、「愛する男性の魔法を信じて欲しい」きっと、その通りだと思う。それが、私たちは、魔法使いになれる自信を過信してしまったり、「魔法」を最後まで演じきれなかったりする。そして、最後に「魔法」を信じ切れなかったり、時計の鐘が「魔法」を解いてしまったりすることに気づく。 大人になることは、めんどくさいことを抱えることかもしれない。 きっと、<魔法の飛行>は、悩んだり考えたりしなくても…、若いっていいなぁ。くよくよしてもダメ。思い切って、エイヤッ。 ミステリというより、駒子さんの成長物語でしょうか。心の動きや感情、恋愛情緒が綴られている、群像劇。危うさや愚かさ、切なさやあどけなさが哀しい。魔法にかかっているだけ…、かもと。
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前作同様、一つ一つの短編が物語として独立しており、最後に一冊を貫くストーリーが完結する。 ただ、前作は本当に最終話で目を見張らされたけど、今回は意味深な手紙を接着剤にしてあって、ラストにくるまでがぐらぐら不安定な感じ。まあそうなるよね、だって前作読んでたら、また最後来るぞ、来るぞ...
前作同様、一つ一つの短編が物語として独立しており、最後に一冊を貫くストーリーが完結する。 ただ、前作は本当に最終話で目を見張らされたけど、今回は意味深な手紙を接着剤にしてあって、ラストにくるまでがぐらぐら不安定な感じ。まあそうなるよね、だって前作読んでたら、また最後来るぞ、来るぞって思って読んじゃうもん。 三部目は、今度は三冊を貫くストーリーが露になるぞ~って期待して読みます。 その意味深な手紙に駆り立てられて行動するのが駒子さんの素敵なところ。わたしだったら「知らんがな」で終わる。だからわたしの日常には駒子さんみたいな素敵な謎が散りばめられないんだよね。 MGAの「StaRt」だね。 幸せな時間をどれだけ過ごせるかは微々たるものでも愛に気づけるか さあ試されよう
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駒子ちゃんシリーズの2作目。 今回は『私も、物語を書いてみようかな』と口をすべらした駒子が、『手紙で近況報告するくらいでの気持ちでね』と言う瀬尾さんに後押しされて書き連ねる、身近に起こった奇妙な出来事の数々。 いくつも名前を持つ不可思議な魅力の女子学生、美容院で耳にした噂に端を発...
駒子ちゃんシリーズの2作目。 今回は『私も、物語を書いてみようかな』と口をすべらした駒子が、『手紙で近況報告するくらいでの気持ちでね』と言う瀬尾さんに後押しされて書き連ねる、身近に起こった奇妙な出来事の数々。 いくつも名前を持つ不可思議な魅力の女子学生、美容院で耳にした噂に端を発する幽霊騒動の顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭での〈魔法の飛行〉のエピソード…。 前作は駒子の物語の中に「ななつのこ」の物語が入れ子になった作りだったが、今作では、駒子の物語の中の謎に瀬尾さんの絵解きが届けられるところまでは同じでも、その後ろに誰かから届いた意味が分からない手紙が付け加えられたのが新しい興趣。 その手紙の意図が全く分からなかったが、最後の話になって急展開。それまで読んだ3つの話の印象もガラリと変わる見事な構成。 今回も駒子ちゃんは自分のあり方に正直で浮いたり沈んだりしながらもしっかり答えを見つけ出す。もう子供じゃない、でも大人でもない年頃の心の機微が何ともいい感じ。ラストの『ハロー、ハロー、ハロー、ハロー……』には切なくなるね。 シャガールの絵に象徴される卓見くんと野枝さんの関係も微笑まし。有栖川有栖さんの解説が秀逸。
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