魔法飛行 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2作目 瀬尾さんの勧めで小説を書き始めた駒子さん。 身の回りで起きた不思議なことを描いていく。 小説の感想と解説?を返信する瀬尾さんとは別に、駒子さんへ届く別のお手紙。 駒子さんの学生生活がとても懐かしい。 女の子ばかりの喧騒。学食。なんで選択しちゃったのかのドイツ語。 本と本が重なって、あちらの本の登場人物が目の前に現れる・・ってメアリー・ポピンズだったかな。 私もいまでも時々、この世は現実?と揺らぐことがある。 「空想力」は「空」を「想う」「力」。 「架空」の「空」ではなく、「天」の「空」。 駒子さんの瀬尾さんへの手紙、駒子さんの小説、瀬尾さんの手紙、謎の手紙がバラバラと出てきて最初は戸惑った。 どこに気持ちを着地させたらよいのかわからないような不安。 それが最後まで読むと綺麗な輪を描く。 また最初から読まなくては、という気持ちになる。 「今の子供たちの多くは、ひょっとしたらまるで空を見ないんじゃないかって気がすることがある。それはひどくつまらない、そして恐ろしい想像だ。空を見ようとしない人間に、進歩なんてないと僕は思うから。そして進歩のないところには、未来などないとも思うから。」 「傘が一本あって、人間が二人いて、それでどちらか片方が雨に濡れてるくらいなら、傘なんて畳んじゃった方がいいんです。違いますか?」
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
駒子が書く物語が、少しずつ上手になっていくのが面白い。 解説でも取り上げられている北村薫さんの円紫さんシリーズの《わたし》とはちょっと性格が違っていて(当たり前だけど)、友達や兄弟との会話なんかから快活な様子が感じられる。 ほのぼのとした短編が続くんだけど、少しずつ謎は残っていて、しかも不気味な手紙が挟まれているもんだからどこか落ち着かない。 最後の話はハラハラしました。面白かった。 シリーズ次作もあるそうで、読むのが楽しみです。
Posted by
解説に書いてあったように、私も北村薫氏の作品とイメージがダブりました。現代の基準からすればかなり純朴な女子大生が主人公で、友人がしっかりしていて、安楽椅子探偵役に年上の男性が登場するという意味ではかなり共通点が多いと思います。 独特の空気感が結構好きなんだけど、差出人不明の手紙の...
解説に書いてあったように、私も北村薫氏の作品とイメージがダブりました。現代の基準からすればかなり純朴な女子大生が主人公で、友人がしっかりしていて、安楽椅子探偵役に年上の男性が登場するという意味ではかなり共通点が多いと思います。 独特の空気感が結構好きなんだけど、差出人不明の手紙の真実はあまり好みではなかったかも。
Posted by
駒子シリーズ2作目。 駒子の大学生活の中の謎を、手紙を読んだ瀬尾さんが 解いていく。 瀬尾さんの洞察力、本当にすごい。 挿入される、謎の差出人からの手紙の謎にびっくり。 物語がそこに収れんしていくなんて。 加納さんのストーリーテリングの才能に脱帽。 『ななつのこ』の優しさの...
駒子シリーズ2作目。 駒子の大学生活の中の謎を、手紙を読んだ瀬尾さんが 解いていく。 瀬尾さんの洞察力、本当にすごい。 挿入される、謎の差出人からの手紙の謎にびっくり。 物語がそこに収れんしていくなんて。 加納さんのストーリーテリングの才能に脱帽。 『ななつのこ』の優しさの方が好きではあるのだけれども、ね。
Posted by
「ななつのこ」の続編 今度の話はちょっと重いかも? ま、時代が時代ならストーカーでサスペンスホラーかも(笑) 連作短編でそれぞれが最後には繋がっているスタイルはやはり何度体験しても関心する
Posted by
加納さんの駒子シリーズ第二弾。 今回は瀬尾さんを読者に駒子が物語(というか日常)を紡ぐというもの。そして駒子が物語の中で提示した謎を瀬尾さんが紐解くという部分は相変わらず。 書き手が駒子だという設定があったせいか、ちょっと引っかかる表現があったりもしたんだけれど、ほっとするような...
加納さんの駒子シリーズ第二弾。 今回は瀬尾さんを読者に駒子が物語(というか日常)を紡ぐというもの。そして駒子が物語の中で提示した謎を瀬尾さんが紐解くという部分は相変わらず。 書き手が駒子だという設定があったせいか、ちょっと引っかかる表現があったりもしたんだけれど、ほっとするようなあたたかさは健在。 優しい物語です。
Posted by
お話全体が、まさか最終的には全てつながっていたということが、一番驚きだったし、作者さんの文章力みたいなものを垣間見たような気がしたそんな作品だと読んでいて思いました。 毎回、読み返す時、思うのは挿し絵が凄く可愛らしいこと、特にハロー、エンデバーの表紙(?)の羊は、物凄く可愛くて...
お話全体が、まさか最終的には全てつながっていたということが、一番驚きだったし、作者さんの文章力みたいなものを垣間見たような気がしたそんな作品だと読んでいて思いました。 毎回、読み返す時、思うのは挿し絵が凄く可愛らしいこと、特にハロー、エンデバーの表紙(?)の羊は、物凄く可愛くて…羊のぬいぐるみが欲しいとか考えちゃいました。 話は、『魔法飛行』が、とても好きで幼なじみっていいなぁっと感じました。
Posted by
大好きな「ななつのこ」の続編。 再び瀬尾さんと駒子に会えました。 初めて「ななつのこ」を読んだのが9年前。すごく懐かしい気持ちでいっぱいです。 今回は駒子が物語の書き手になります。読み手は瀬尾さん。 伝えたいことを文字にして相手に届ける。それがとても素敵なことだと、改めて感じま...
大好きな「ななつのこ」の続編。 再び瀬尾さんと駒子に会えました。 初めて「ななつのこ」を読んだのが9年前。すごく懐かしい気持ちでいっぱいです。 今回は駒子が物語の書き手になります。読み手は瀬尾さん。 伝えたいことを文字にして相手に届ける。それがとても素敵なことだと、改めて感じました。そんなささやかな気づきを与えてくれるのが加納さんの物語です。 今作も謎をはらんだ優しい日常はそのままに、解説で有栖川さんが述べているように、ロジックにとどまらないマジックに溢れていました。 表題にもなっている「魔法飛行」がいちばん好きです。 空を想う力、と書いて空想力。そんな発想をする加納さんの物語は、いつも前向きでひたむき。表紙の絵もいいですよね。 そして登場人物も相変わらず魅力的でした。 空を想ってひたむきに生きる。私もそんな生き方をしたい。
Posted by
ロマンチックなタイトルと表紙に惹かれて購読。 ミステリだけど殺人事件が起こるわけではなく、日常の中の謎を追う物語です。 短編4編から成り、各章の最後で主人公・駒子宛の手紙によって謎が解き明かされるという構成が新鮮でした。 全然関係ないと思い込んでいた前章のお話が終章の伏線になって...
ロマンチックなタイトルと表紙に惹かれて購読。 ミステリだけど殺人事件が起こるわけではなく、日常の中の謎を追う物語です。 短編4編から成り、各章の最後で主人公・駒子宛の手紙によって謎が解き明かされるという構成が新鮮でした。 全然関係ないと思い込んでいた前章のお話が終章の伏線になっていたりして、後でハッとして読み返したり。 短大の講義に学園祭、クリスマス……どこか懐かしい気分も味わえました。 可愛い表紙と挿絵もお気に入りです。 現在発行されている駒子シリーズは3作すべて読みましたが、これが最初に読んだぶん印象も強かったです。
Posted by
★3.5 駒子の日常の謎を追いながら、一つ一つが最後にぎゅっとまとまっていく。 一つの謎について駒子目線からの文章が丁寧で、ゆっくり進む話にほんわかした雰囲気を纏っているけど、いつの間にか一気に底に落とされるような不安や恐怖を感じていたりもする。 もやもやとゆうよりは、ふらふらと...
★3.5 駒子の日常の謎を追いながら、一つ一つが最後にぎゅっとまとまっていく。 一つの謎について駒子目線からの文章が丁寧で、ゆっくり進む話にほんわかした雰囲気を纏っているけど、いつの間にか一気に底に落とされるような不安や恐怖を感じていたりもする。 もやもやとゆうよりは、ふらふらという感じ。 後ろを振り返ったら実は真っ直ぐ歩けていなかったことに気づく、というような、とても不思議な気持ちになる。 表紙や挿し絵が素敵です。
Posted by