夏のレプリカ の商品レビュー

森博嗣(著者)

2015/04/01

「幻惑の死と使徒」と平行に進められているストーリー。こちらは偶数章版ですな。
「幻惑〜」の方に萌絵たちの活躍が持って行かれている分、こちらは友人の簑沢ともえと刑事さんたちという周りの人間による展開がメインかな。
だからなのか、中盤が少し中だるみ。ともえのお兄さんのことが私の中ではポイントだったんだけど、最後の最後は良くも悪くもそうきたか〜って感じ。
謎解きはもちろん犀川先生と萌絵なんだけど、今回は萌絵が引っ張っていったね。悲しい結末ではあるけれど・・。
特に二人のロマンスに大きな発展もなく、これまで読んだシリーズに中ではあまり印象に残らない感じ。
本の中でも萌絵が謎の少ないシンプルな事件だと言っているけど、その通りですね。
犀川先生の名言はあったと思うけど、それは二度読みの際に引用したいと思っております。

2015/02/05

S&Mシリーズ作品ですが、この作品は「幻惑の死と使途」と同時進行で起きた西之園萌絵の友人一家で起きた殺人事件の真相をつきとめる話になっております。「幻惑の死と使途」で、この話が触れられるものだと思ってましたが、別の本で、しっかり謎解きをするという連続ものになっているとは思いませんでした。
殺人事件の真相的にはスッキリ明らかになりましたが、素生の行方に関しては、はやり謎めいた終わり方で、このシリーズらしいオチといえばオチでした。

2015/01/23

最後は泣いてしまった。
悲しくなったのかな。
不思議な気持ちだった。

偶数の章。
いいのよ、私を殺しても。
とりとめもないこと。

自分が誰であるのか。
陳腐な問いではなくて、
自分探しとかそんな類ではなくて
概念的なものというか。。

語彙が少なくて言葉にならないけど
たぶん、奇数の章とも
同じテーマだったのかも。
名前。
それは誰であるのか。

2015/01/10

「幻惑の死と使途」で起こっていた有里匠幻の事件と並行して起こっていた萌絵の友人・簑沢杜萌の一家誘拐事件のお話。

作中で登場人物の皆さんも言ってますが、有里匠幻の事件に比べてしまうと、とても地味。
なんだけど、犯人に辿りつくまでのミスリードのさせ方や伏線の張り方、構成はとても緻密で勉強になるなる。
この完成度のお話ポンポン書けるって本当すげえよ、森博嗣。

しかし、自分から誘っておきながら土壇場で怖くなって兄貴を半殺しにし、更にその数年後に別の男のために狂言誘拐に家族巻き込んで他人殺すような女が主人公の友達って、何とも後味悪いお話ですね……。

2014/12/12

ここまでのシリーズの中でもミステリとしてなかなかに刺激的な良作。前作と時間軸的に同時という設定だが完全に独立している。

2014/12/05

先月に続き、S＆Mシリーズ読み返し月間。
あれーおかしいな、よくわからなかったぞ。また頭悪くなったかな。

2014/11/13

前作が見当たらず、大丈夫かなと思いつつこちらを先に読む。これまでのシリーズらしからぬ静かな雰囲気で、気に入りました。
西之園家の女性はパワフルですね。
そして、まぁ刑事キャラには弱い方なのですが、警察小説でもないのに、刑事さんが沢山出てきて、何か貴重だな、と思った。西原さん最もえ。

2014/11/12

再読。『幻惑～』と同時進行で起きた、萌絵の親友・杜萌の事件の話。こちらは偶数章。
初読時は「これずるい！」って思ったっけ。再読する面白さがある作品だと思う。再読してみると結構ちゃんと伏線とかヒントはあるんだよね。
あと、初読時に萌絵ちゃんを本当に好きになったのが、この作品だった。
入ってるしおりが四季シリーズの言葉だと気がついたのが今回初めて(^^;

2014/11/02

S&Mシリーズ７作目。前作と同時期に起こった事件です。
S&Mシリーズですが、萌絵と犀川はあまり出てきません。萌絵の友人、杜萌の身に起こった事件で彼女を軸に話は進みます。

彼女と血の繋がらない素生にまつわる謎に魅かれ、ぐいぐい読み進めましたが、結末があまりにすっきりしない話でした。萌絵が事件に首をつっこむことは、必ずしも彼女の知的好奇心を満たしてくれるだけではないようです。それでも、素生が生きていたことだけが救いでしょうか…。

2014/10/27

森博嗣の「S&M」シリーズ第7弾。
今回は密室ではなく誘拐殺人、しかも被害者は誘拐犯・・・
犀川助教授の登場も少なく、主に西之園萌絵とその同級生：簑沢杜萌の視点から描かれていきます。
混沌とした展開から急転直下で導き出される真実・・・それはどこまでが真実なのか？？
ここまでのシリーズ中、最も納得行かなかった作品・・・私的には、どなたかにちゃんと解説して欲しいです・・・