社会的共通資本 の商品レビュー
社会的共通資本という…
社会的共通資本という初めて聞く言葉であったが、この言葉の持つ可能性を本を読む中で感じた。社会的共通資本とは、社会全体にとって共有の資産として、社会的に管理・運用されるものと定義している。そして、筆者はそれらの例として、農村、都市、学校教育、医療などを上げ、それらは職業的専門家によ...
社会的共通資本という初めて聞く言葉であったが、この言葉の持つ可能性を本を読む中で感じた。社会的共通資本とは、社会全体にとって共有の資産として、社会的に管理・運用されるものと定義している。そして、筆者はそれらの例として、農村、都市、学校教育、医療などを上げ、それらは職業的専門家によって専門的知見をもち職業規律にしたがって管理されるべきものとしている。また、経済学の本を読む中で、たびたび引用されているのを目にする。社会的共通資本を理解するうえでまず読む本であると思う。
文庫OFF
宇沢氏の提唱する社会…
宇沢氏の提唱する社会的共通資本とは、大気、水、森林、河川、湖沼、海洋、沿岸湿地帯、土壌などの「自然資本」、そして道路、交通機関、上下水道、電力・ガスなどの「社会インフラストラクチャー」、さらに教育、医療、金融、司法、行政などの制度である「制度資本」の三つから構成されている。社会的...
宇沢氏の提唱する社会的共通資本とは、大気、水、森林、河川、湖沼、海洋、沿岸湿地帯、土壌などの「自然資本」、そして道路、交通機関、上下水道、電力・ガスなどの「社会インフラストラクチャー」、さらに教育、医療、金融、司法、行政などの制度である「制度資本」の三つから構成されている。社会的共通資本としてのコモンズ論は、現代都市化した社会に生きるわれわれにとって、より良い社会、豊かな社会を考える上では必須のものであろう。さらには地域主義を提唱する玉野井芳郎氏を中心とするエコロジー派コモンズ論者と対比す
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文化的で豊かな社会を持続させていくためには社会におけるどのような分野の要素、仕組みを「社会的な資本」として考える必要があり、それらの要素を管理するために必要なのはどのような視点か、著者の基本的な考えを概論的に論じた一冊。テーマは農業、都市、医療、教育、金融。本書の出版から四半世紀...
文化的で豊かな社会を持続させていくためには社会におけるどのような分野の要素、仕組みを「社会的な資本」として考える必要があり、それらの要素を管理するために必要なのはどのような視点か、著者の基本的な考えを概論的に論じた一冊。テーマは農業、都市、医療、教育、金融。本書の出版から四半世紀が過ぎ、時代はまた「資本主義のアップデート」などが各方面から議論されるようになってきたり後期マルクスの研究や再解釈も進んだりしている中で、新自由主義経済に対する独自の視点を語り続けた宇沢弘文は今後再注目される経済学者の一人ではないかと思います。
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資本主義と社会主義のいいところを 上手に組み合わせていこう! という趣旨の本だと思ったのですが 難しくて読み込めず…むむ、残念。
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経済学ってどうしても信奉する思想が先にあって、それを証明するだけのツールに過ぎない気がするんだよなあ。
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新書で手軽に考え方がつかめてよい。社会的共通資本=みんなの資源はみんなで大切に使おうね、という考え方を1970年代から言い続けてきたところが意義深いかと。経済学の中に位置付けるのは大変だけども。 農業(自然)だけでなく、都市、教育、医療、金融制度などを社会的共通資本として取り上げ...
新書で手軽に考え方がつかめてよい。社会的共通資本=みんなの資源はみんなで大切に使おうね、という考え方を1970年代から言い続けてきたところが意義深いかと。経済学の中に位置付けるのは大変だけども。 農業(自然)だけでなく、都市、教育、医療、金融制度などを社会的共通資本として取り上げていて興味深い。
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一読しただけの感想という前提で、今も議論になっていることを2000年当時から問題提起していたのはすごいなーという感想にとどまってしまう。くるま社会のところは面白かった。「会社法は誰のためにあるか」を読んだ時と同じような痛快さを感じるが、その痛快さへの乗っかり方に気をつけたいと思う...
一読しただけの感想という前提で、今も議論になっていることを2000年当時から問題提起していたのはすごいなーという感想にとどまってしまう。くるま社会のところは面白かった。「会社法は誰のためにあるか」を読んだ時と同じような痛快さを感じるが、その痛快さへの乗っかり方に気をつけたいと思う。
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第1章は社会的共通資本の総論。経済学の講義のようでとても難解。第2章以降は、農業・都市・教育・医療・金融・地球環境と、個別具体的な各論で、こちらは判りやすかった。農業基本法が、個別農家と一工業事業所とを同列に位置づけていることへの問題提起をしているが、まったくそのとおり。「輝ける...
第1章は社会的共通資本の総論。経済学の講義のようでとても難解。第2章以降は、農業・都市・教育・医療・金融・地球環境と、個別具体的な各論で、こちらは判りやすかった。農業基本法が、個別農家と一工業事業所とを同列に位置づけていることへの問題提起をしているが、まったくそのとおり。「輝ける都市」の人間を無視した都市構想の問題も然り。地球環境での炭素税の考え方を発展させて、国連単位で炭素量に応じた基金への拠出+森林面積に応じた基金からの交付金という制度があれば、発展途上国の森林保護の動機づけにならないだろうか?
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以前から勧められていたが、コモンズについて関心を持ったことを機にようやく読んでみた。日本語でコモンズをわかりやすく解説してくれている。それにも増して、この当時から気候変動問題に真正面から対峙し、炭素税の仕組みを提唱していたことには、畏れいる。
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社とは本来、土を耕すという意味。農家50戸をもって社となす。そして、社には必ず学校をおく。コモンズの訳語として「社」が最適だろうか、というのが著者宇沢弘文。果たして、その概念は正しいのだろうか。 社会的共通資本は、地球そのもの。インフラや制度、都市や農村もそうだという。もっと具...
社とは本来、土を耕すという意味。農家50戸をもって社となす。そして、社には必ず学校をおく。コモンズの訳語として「社」が最適だろうか、というのが著者宇沢弘文。果たして、その概念は正しいのだろうか。 社会的共通資本は、地球そのもの。インフラや制度、都市や農村もそうだという。もっと具体的に書くなら、公園とか図書館とか道路。皆でお金を出し合って共有する財や、自然に存在して私有化されていない資源の事と考える。そこで思い浮かぶのは、共有地の悲劇。みんなで使うから、使い方が杜撰に。シェアハウスのトイレ掃除はやりたくないみたいな事で、当番制のようなルールや監視、ペナルティがないとトイレの汚れは放置、悪化するので、まさに悲劇だ。 この共有地の悲劇というキーワードは、生物学者ガーレット・ハーディンの論文が発端。私有制の欠如が原因だとする新古典派経済学。解決策として、私的合理性と社会的合理性を矛盾なく投合することが課題。しかし、歴史的なコモンズ、共有地は無条件なオープンアクセスではない。つまり、現実社会には、野放図な共有地は意外に存在せず、国であれ地域社会であれ、ある集団の管理下には置かれているものだ。 そこからこぼれ落ちるような、真の共有地。まさに悲劇の可能性を持つのは、本著の最終章で述べられる地球温暖化の話。それと付け加えるなら、世界平和や平等などの「現象の維持」だろうか。動学的ではなく、今、この瞬間を維持する幸福感。成長ノルマで奴隷化された現代社会において、静学的に「維持」を唱える事。このことが公共経済学に重要な視点ではないかと感じた。
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