文人悪食 の商品レビュー
うんとよかったです。森鴎外や夏目漱石から林芙美子、坂口安吾など、近・現代を代表する作家の食生活、食癖からその素顔を垣間見よう、というような趣旨の本です。やっぱり、「食べる」って、本能行動だから、ものすごく人間らしい素顔がのぞけます。私の崇拝する三島由紀夫についても書かれていたので...
うんとよかったです。森鴎外や夏目漱石から林芙美子、坂口安吾など、近・現代を代表する作家の食生活、食癖からその素顔を垣間見よう、というような趣旨の本です。やっぱり、「食べる」って、本能行動だから、ものすごく人間らしい素顔がのぞけます。私の崇拝する三島由紀夫についても書かれていたのですが、綿密な下調べに基づいて三島由紀夫の食を明らかにした上での人間三島由紀夫の考察がすばらしい!舌を巻くものでした。
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漱石、鴎外、露伴、朔太郎、太宰、荷風、三島…その名を現在までに残した有名な文学者たちの「食」を追う。なんとも悪趣味なエピソードなどが紹介されて進んでいくので楽しい。
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「何か喰いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に、亡くなった。鴎外はご飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。鏡花は病的な潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。三...
「何か喰いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に、亡くなった。鴎外はご飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。鏡花は病的な潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。三十七人の文士の食卓それぞれに物語があり、それは作品そのものと深く結びついている。
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